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コロナのデマは、なぜ買い占めを起こさせるのか?心理考察

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なぜデマに騙されるのか?

 

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 最近、マスクやトイレットペーパーが店舗で少なくなっているのを実感しますね。2ヶ月後くらいには元に戻って欲しいなぁと思っておりますが、今回はなぜデマの情報に流されるのかを見て行きたいと思います。

 と言うのも、「情弱だから」とか「頭が悪いから」などの言葉で簡単に片づけてしまうのは、ある種の問題があると考えているからです。

 単刀直入に言えば、「デマに踊らされてトイレットペーパーを買っている奴は馬鹿だ」と買占め騒動に際して、随分と高見から見物している人が散見されました。

 でも、マスクとかだって、基本的に空中を漂っているウィルスのサイズは直径 約100-200 nmくらいなので、5μmの市販マスクでは防げないワケですよ。(1)

 それを知らずに、マスクを着用しているなら、あんまり大差無いですね。と言うか、どうせマスクの隙間からウィルスが侵入しますし。

 また、感染者の口から飛び出した飛沫は、5μmくらいなので早々に地面へ落ち始めます。(nm=1/1000000、μm=1/1000)

 だから、よほど密接していなければ、口から感染する可能性はそれ程ありません。人が多い場所は避けるべきと言う考えは理解できます。

 あと普段から「手洗い・うがい」や健康的な食生活に適度な運動を心掛けている人は、そもそも病気にかかる可能性が極端に低いので杞憂に終わること事の方が多いでしょう。

 新型インフルエンザの時だって、体内に侵入したから絶対に発症すると言うワケでもないし、大慌て過ぎる気がします。

 という事で、どうして世間の人々がそのような情報に振り回されるのかを考察をして行きます。

 

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ストレスが判断に影響を与えた可能性

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 ウィルス・自然災害・テロでも結構ですが、私達は自分自身に危険が及ぶ可能性があるとストレスを感じます。

 例えば、1983年3月2日にイスラエルのパレスチナ自治区ウエストバンク・アラバ村で授業を受けていた17歳のパレスチナ人少女が突然の呼吸困難に見舞われる事件がありました。(2)

 すると間もなく他のクラスメイトも同様の症状を訴え、結局943人の生徒とイスラエル兵士数人が感染するが、なぜそこまで広まったのか不明なままでした。

 これは「集団ヒステリー」の一例であり、「個人の症状や言動」が他の人々のパニックを引き起こし、無意識のうちに連鎖していったことが原因です。

 約950人近い人間を呼吸困難にするのに必要なのは、少女「1人」だけ。

 今回のデマも、実際には1人~数人の人間が「トイレットペーパーは中国産だ」と言っただけかもしれませんが、それに過剰反応した数十~数百人によりトイレットペーパーの買占めが行われた結果、連鎖的に周りの人も巻き込んでったのではないかと思っています。

 実際の研究でも、人はストレス下ではリラックスをしている時よりずっと、ネガティブ情報(トイレットペーパーが使えなくなる)を取り入れ易くなる傾向が強い事が分かっています。(3)

 そこで今回の買い占めは「一種の集団ヒステリーを起こしたのでは?」と考えたわけです。

 また、2018年のシカゴ大学による男女2133人の研究では、人は何らかのストレスを与えられると衝動買いが増えることに加えて、トイレットペーパーや洗剤などの日用品の購買が促されると言う事が分かりました。

 研究者は、コントロール感を失うと人は機能的な製品を買いたがる。その理由として恐らく、問題解決のイメージがあるモノを所持するとコントロール感を回復できるからではないかと述べています。(4)

 さらに同様の2017年に行われた研究でも、似たよな傾向を示していす。(5)

 これらの研究は、今回の買い占めと合致するような内容になっていますね。

 

悪の社会的証明が発生した可能性

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 そしてもう一つ考えているのが、悪い方の「社会的証明」が働いたことです。

 大学生や高校生になったばかりのころは、自分と同じクラスの同級生の行動を、マネして動いた記憶がありませんか?

 結局、我々は、自分で判断するよりも類似性(自分に似ている)のある他人の行動を真似し、その人が発信する情報を鵜呑みにしたほうが認知力の節約になるのです。

 それは通常、大衆の意見が正しい可能性が高いので、他人の行動を自分の行動指針にするのは理に適っているし、そうすべき時も多分にあります。

 だけど、その大衆が一度でも間違った方向に進みだせば、大変な事態になってしまう。

  ちなみに、海外ではある種の自殺が報じられると、自動車や交通事故による死亡者も比例して増加する「ウェルテル効果」と呼ばれるものがあります。(6)

 よく、アーティストが亡くなるとファンがそれに続いて「後追い自殺」をすることがありますが、まさに一人の後追い自殺が、類似した他のファンも巻き込んでしまう、これも「悪しき社会的証明」の一つの好例です。

 また、マスメディアが流す情報も誤った社会的証明を促す可能性が高い。

 ある研究では、アメリカのアリゾナ州の化石の森国立公園で、化石木が盗まれる事件を減らす為にいくつかの看板を設置しました。

 しかし、「化石木が沢山盗まれているから、今すぐ止めて!」との趣旨を書いた看板に関しては、どれも被害件数が増加したに過ぎません。(7)

 これはその指示を見た来園者が「そんなにたくさんの人が盗んでいるなら、一つくらい盗っても構わないだろう」という考えの元に実行されたと研究者は考えました。

 ここから分かるのは、テレビや動画で「トイレットペーパーやマスクを買い占める人々がこんなに大勢います!」と映像付きで流してしまえば、「大変だ!トイレットペーパーが全部買われてしまう!俺たちも列に並ぼう」という考えになるのは明白。

 ワイドショーとかで、「昔のオイルショックみたいだ」なんて呑気なコメントしている場合ではないですが、それに気が付かない人たちが多い。

 だから、余りテレビとかを見るのはオススメしないし、ニュースサイトの動画を見るのもオススメしていません。

 余計な不安がネガティブ情報に影響されやすくすることもあるからです。

 

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病気に罹らない為の対策は?

 

 私は医者でもないし薬剤師でもありませんので、対策については政府の方が色々と公式サイトに載せいていると思うので、それらを守れば良いと思いますよ。

 ただ現状、付け焼き刃で何かをしたところで、普段から不健康な生活を送っている人は病気に掛かりやすいのは明白。

 それでも何か対策したいのなら、例えば「手洗い」とかですかね?

 あまりご存じないかも知れませんが、手洗いにはCDC(アメリカ疾病管理予防センター)式とWHO(世界保健機構)式があります。

 「どちらが良いのか?」は議論が続いていましたが、2016年のグラスゴー・カレドニアン大学の論文ではWHO式が優勢でした。(8)

 一応、CDC式とWHO式の紹介をしておきます。

  • CDC式:手の甲を洗い、指の間を洗う、そして爪の間を洗う、を3ステップで構成されています。
  • WHO式:手のひらを洗う、手の甲を洗い、その後に指の間を洗う、指の甲を洗う、親指の周りを洗う、手のひらの周囲を洗う、の6ステップで構成されています。

 WHO式はちょっとやり過ぎな気もしますが、その分だけバクテリアとかを多く減らしてくれようです。

 そこまでやりたくないなら、CDC式でもバクテリアは減らせるので、いいんじゃないでしょうか。

 あとは、何と言っても健康的な食事が重要です。普段から偏ったモノばかりを食べていると認知機能が低下したりして、より不安を感じやすくなるので注意です。

 緑黄色野菜やDHA・EPAが含まれている鮭・サバ・ニシン・イワシを積極的に食べて脳の健康を保たないといけません。

 また、ナッツ類をおやつとして食べるのも良いですね。

 ハーバード医科大学がナッツ研究から26件、1059人のデータを調べたメタ分析ではクルミを定期的に食べている人は、コレステロール値や悪玉コレステロール値が低く、中性脂肪も低下しています。(9)

 どっちにしろ、今できる事は限らていますので、普段から体のコンディションは壊さないようにしましょう。

 

終わりに

 

 結局、私達全員がソクラテスの言うところで「無知の知」を自覚しなければ行けないでしょう。能力不足な人間ほど自分はモノを知っていると自己を過大評価する「ダニング=クルーガー効果」(10)がそこいらじゅうで散見されました。

 今更かもしれませんが、必要なのは騙された人を見て嘲笑するのではなく「明日は我が身」という事を考え、あらゆる情報に目を光らせる事です。

 

 そしてお手数ですが、Twitterのフォローや読者登録、はてなスターを付けてくださると、より有益な情報をお届けする為の励みとなります。

 ではまた。

 

 *この記事は参考資料を基に考察したのであって、その真偽を確定するつもりではありません。

併せて読みたい記事はこちら

 

溜まったストレスを正しく発散しないと、むしろ攻撃的になる?

企業が間違えて消費者に及ぼしている影響力とは?

 

参考文献

 

・(1)

jsv.umin.jp

www.niid.go.jp

www.mhlw.go.jp

www.niid.go.jp

・(2) David K. Shipler, "More Schoolgirls in West Bank Fall Sick, " New York Times, April 4, 1983.

・(3) Neil Garrett, Ana Maria Gonzalez-Garzon, Lucy Foulkes, Liat Levita, and Tali Sharot, "Updating Beliefs Under Threat. " In Preparation.

・(4) https://psyarxiv.com/gmzac/

・(5)

academic.oup.com

・(6) Phillips, D. P. (1974). The influence of suggestion on suicide: Substantive and theoretical implications of the Werther effect. American  Sociological Review, 39, 340-354.

・ Phillips, D. P. (1979). Suicide, motor vehicle fatalities, and the mass media: Evi-dence toward a theory of suggestion. American Journal of Sociology, 84, 1150-1174.

・ Phillips, D. P. (1980). Airplane accidents, murder, and the mass media: Towards a theory of imitation and suggestion. Social Forces, 58, 1001-1024.

・(7) Cialdini, R. B. Demaine L. J., Sagarin, B. J., Barrett, D. W., Rhoads, K., & Winter, P. L. (2006). Managing social norms for persuasive impact. Social Influence, 1, 3-15.

・(8)

www.cambridge.org

・(9)

academic.oup.com

・(10) Justin Kruger and David Dunning, "Unskilled and Unaware of It: How Difficulties in Recognizing One's Own Incompetence Lead to Inflated Self-Assessments," Journal of Personality and Social Psychology 77 (1999): 1121-1134.

・ David Dunning. Kerri Johnson, Joyce Ehrlinger, and Justin Kruger. "Why People Fail to Recognize Their Own Incompetence," Current Directions in Psychological Science 12 (2003): 83-87.