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「時間のない」を上手く利用できれば集中力は上がる

 

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期限がやる気を起こす

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 皆さんは、小さい頃に夏休みの宿題をもうすぐ夏休みが終わるって時になって、焦って取り組んだ記憶がありませんか。

 そして、その課題をこなしている時が一番集中していませんでしたか?

 別に課題だけでなく、例えば学校に遅刻するギリギリの時間の方が、時間に余裕のある普段よりも機敏に行動できますよね?

 そう実は、人は期限に長い余裕があるよりも短くすぐに期限が迫ってくる方が高い集中力を発揮することが来ます。

 つまり夏休みの宿題は、新学期の初めではなく8月の中旬頃に期限を設定して置いた方が多くの子ども達は宿題を提出してくれる可能性が高くなるという事です。

 もちろんデメリットもありますが、今日はそれも合わせて紹介していきます。

 

時間の欠乏が集中力を上げてくれる

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 そもそも時間が無い、つまり期限がすぐにやって来ることの有効性については、心理学者達が期限の効用をキチンとした対照実験で研究しています。(1)

 研究では、学部生に三本の小論文の校正を有償で依頼し、締め切りをかなり先に定めました。

 学生たちは仕事を仕上げるのに三週間与えられ、報酬は見つけた誤りの数と期限までに終わるかどうかで決まる。

 研究者は、時間に締め切りがキツイ「時間不足」のグループも用意して同じ内容で一週間に一本の校正済み小論を提出しなくてはいけない。

 結果は、締め切りがキツイグループの方が高い生産性を見せた。締め切りに送れることが少なく、誤字をたくさん見つけました。

 

 さらに期限は生産性を高めるだけでなく、例えば4年生の後期に入った大学生も期限に直面する。

 残りの大学生活を楽しめる時間が限られているからだ。心理学者のジェイミー・カーツは大学四年生たちを調べるた。(2)

 半分の学生には期限が差し迫ったものと伝え、もう半分にはずっと先の事だと伝えた。

 すると残された時間が殆どないと言われた学生ほど、毎日を最大限に活用しようとしたのだ。

 

 この様に、期限を設けること、さらにはその期限を短めに設定することは生産性や集中力を向上させてくれるのに一役買っている事が分かる。

 

欠乏は処理の力を使う

 

 最初の方では時間の欠乏についてのメリットを紹介したが、実は時間の欠乏などは多くの場合、デメリットの方が大きい時もある。

 と言うのも、時間でもお金でもなんでもいいが、欠乏への集中は無意識であり人を引き受けるので他のことに集中する能力を邪魔する。

 例えば急いでいるせいで、ガスコンロの火を止め忘れてそれが火災の原因になることもある。また、目先の支払いを済ませる為にお金を借りて将来に渡って利息を返し続けなけらば行けなくなったり。

 何かの欠乏は、トンネル中に人を引きずり込んで視野を狭くしてしまう。短期的には爆発的に集中できるかもしれないが、それはある一点ばかりに気が行ってしまい、周りの重要な事を見落とす可能性がある。

 欠乏は、計算する能力や注意を払う能力、賢明な決断をする能力などなどを司る処理能力を抑制してしまう。

 

欠乏がさらに欠乏を作る

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 常に何かの欠乏にさらされている人は、大抵スラック(余裕)が無いのだ。

 詰め方が緩いので何にも入らずに残る部分だ。

 それは大きいスーツケース特有のモノである。

 大きいスーツケースで荷造りしたあと、ひとつのアイテムを追加したとしよう。あなたはそれをただ放り込めばいい。何かを取り出す必要ない。

 しかし小さいスーツケースの場合はどうだろうか?

 小さいスーツケースは、物がギッチリと詰まっているので新しい物を入れるには何かを出さなくてはいけない。

 つまり、トレードオフが発生する。逆を言えばスラックがあればトレードオフなど必要ないと言える。

 多くの人はお金のスラッグを経験する。

 ある研究によると、「十分に稼いでいるのでその必要が無い」から出支を記録しないと報告する割合は、高所得の買い物客が低所得の二倍以上だったという(3)

 さらにあるオランダの研究では、富裕層は頭の中で予算を立てないことが分かっている。(4)

そしてフィナンシャルプランナーは大抵スラックを前提とする。

 例えば、<MSNマネー>のリチャード・ジェンキンスは、10%を「娯楽費」とし取って置くことを進めている。

 それは文字通りスラックであり、遊びの金なのだ。

 使えるお金に配慮して、予期せぬ出費の為に備える余裕を残しておくのは賢い戦略だ。

 それは、仕事でも言える事で、一週間ギッチリと予定を入れるのではなく、一日だけ空いた日を作って置くことでやり残したことを終わらせえる余裕が生まれる。

 

失敗する余地

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 例えば、あるところに裕福な男と貧乏な男がいたとしよう。

 2人とも同じ5万円の商品が欲しいが、貧乏な男はその金で車の修理をする道具を買うことも出来た。

 結局、二人とも商品を購入したが、どちらも後になって自分には合わないと気が付いた。

 しかし、裕福な男は「まぁ、運が悪かったな」で済ませたが、貧乏な男は「なんてことをしてしまったんだ。あの金で車が修理できたのに」と後悔した。

 この二人の例を見てもらえれば分かる通りに、片方にはスラックがありもう片方にはそれがないのだ。

 スラックがあればトレードオフで何かを失うことはない。裕福な男のように失敗に現実的な犠牲が伴うこともないのだ。

 時間についての同じような例を使う。(5)

 ある研究で、大学生に卒業論文を仕上げるのに必要な時間を推定するように指示した。平均で34日だった。

 さらに、もっとも最短で27日、悪くても48日になる可能性があることを認めた。

 しかし、現実には55日かった。これは単に経験不足の大学生が浅はかだったわけではない、

 経営者から映画のプロデューサーまでもが「計画錯誤」に悩まれている。

 だから私達は、もっと日々の計画に失敗したり急な用事が入った時に対処する為に「余裕」を持って行動しないと、スラックがなくなり酷い時間の欠乏なに悩まされて、結果的に他の事に使う脳の処理能力が低下してしまうことが分かる。

 

終わりに

 

 と言うわけで、短い期限にも余裕を持っておいて損はないですね。大体、予想した期間よりも長くなるのはよくある事なので、急な出来ごとに柔軟に対応できないと余計な事ばかり考えて脳の処理能力が減っちゃいますからね。

 

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参考文献

 

 

・(1) D. Ariely and K. Wertenbroch, "Procrastination, Deadlines, and Performance: Self Control by Precommitment," Psychological Science 13, no. 3 (2002): 219-24.

・(2)J. L. Kurtz, "Looking to the Future to Appreciate the Present: The Benefits of Perceived Temporal Scarcity," Psychological Science 19, no. 12 (2008): 1238-41. doi: 10.1111/j.1467-9280.2008.02231.X.

・(3) K. van Ittersum, J. Pennings, and B. Wansink, "Trying Harder and Doing Worse: How Grocery Shoppers Track In-Store Spending," Journal of Marketing (2010), http://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=1546461.

・(4) G. Antonides, I. Manon de Groot, and W. Fred van Raaij, "Mental Budgeting and the Management of Household Finance," Journal of Economic Psychology 32, no. 4 (2011): 546-55. doi: 10.1016/j-joep.2011.04.001.

・(5) R. Buehler, D. Griffin, and M. Ross, "Exploring the 'PlanningFallacy': Why People Underestimate Their Task Completion Times," Journal of Personality and Social Psychology 67, no. 3 (1994): 366.