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著者・書籍情報
著者:クリスティーン・ポラス
ジョージタウン大学マクドノー・スクール・オブ・ビジネス准教授。
活気のある職場を作ることを目的として、Google、ピクサー、国際連合、世界銀行、国際通貨基金などで、講演やコンサルティング活動を行う。
書籍:【Think CIVILITY 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である】
発売日2019/7/11
自身が調査したデータや各種実験を取り上げて、無礼な人がいかに会社や周囲の人達を巻き込んでいるのかを話しいてる。
どんな人にお勧めか?
「最近上司に酷いことを言われた」
「ついつい他の人に横柄な態度をとってしまう」
と考える人にオススメだ。
自分の礼節がどのくらいあるかも、本書の中でチェックシートがあるのでやってみるといいかもしれない。
無礼な人が得することはない
いきなり結論的な話をするが、無礼な人は損しかしない。
この書籍のタイトルに「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略と書いてあるが、その裏返しで、「無礼さ」は最悪の自滅的選択である。
例えば、職場の「ストレスはハーバード公衆衛生大学院」がある女性集団を10年間追跡したところ、2012年に喫煙や肥満に匹敵するくらい体に害悪だと述べている。
職場でのストレスとは主に、上司によって仕事を過小評価されたり、公然と大声で酷いことを永遠と吐き続けられたり、相手が嫌な気分になるような発言を平然と言ったりと多岐にわたる。
それらに共通するのは、自分の精神に大きなダメージを与えるモノである。
そういったことが原因で、会社を早々に辞めてしまったり鬱病になってしまう人が出てくる。
これが、喫煙や肥満に匹敵するかそれ以上の害悪であることは疑いようがない。
無礼で起こるデメリット
例えば、あるクレジット会社の社員に扮した実験者を、二つのグループに分けた被験者の元へと送った。
片方のグループでは、クレジットカードを紹介する間に小さなミスをして、それを同僚が酷く責めたグループ。
もう片方のグループは、小さなミスをするけど責めたりしないグループ。
社員の話が終わった後に、どのくらい紹介されたクレジットカード会社を利用したいか?と聞かれたところ、前者のグループでは僅か20%で後者のグループでは80%にも上った。
ここから分かるのは、無礼な態度を目撃しただけでも人の持つ印象は大きく変わってしまう。
他にも、無礼な態度を目撃した人はアナグラムテストの成績が20%も低下し、その後のブレインストーミングでも創造性が30%も低下した。
さらに、文字などで無礼な言葉を見た人はそうでない人よりも、5倍ほど認知能力が低下していた。
また、複数の無礼な人間の存在はアメリカ経済で言えば、約5000億ドルほど会社に損失をだしている計算になる。
普通にやべぇって話ですよね。
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礼節正しさのメリット
礼儀だの礼節だのと言う言葉を聞くと、偉い人にへりくだった話し方をしなければいけないように思う人もいるかもない。
ところが、何か特定の作法と言うよりも、考え方が全般なのでその辺は心配しなくてもいい。
メリットについてだが、主に三つあり「仕事を得やすい、人脈がある、出世しやすい」だ。
著者が会社員1万人を調査した結果、仕事を得やすいは、公平で協力的な人間だったようだ。
仕事を得やすいは、つまるところ「ただ能力が高いだけの人」よりも「能力はそこそこだけど、思いやりや協調性がある人」の方が良いよねって話だ。
「仕事を得やすい」と言うよりも「仕事を頼みやすい」と言い換えればいいだろう。
皆さんも、「横柄な態度だけど能力が高い人」と「能力は平均だが、協力的で他人に優しい人」のどちらに仕事を頼みたいだろうか?
もちろん、より専門的な職業であれば能力の高さは性格より優先されることもあるが、そうでない時にはどうだろうか。
次は、人脈があるだ。
これも特別説明する必要はない。
失礼な奴と一緒に仕事をしたいと考える人は少数のはずだ。落ち着いていて、相手に対してちゃんと礼儀をわきまえる人間の方がいいだろう。
相手がスティーブ・ジョブズでもなければ、人脈で性格より能力を優先決するのは難がある。
最後に仕事を得やすいだ。
社員7万5000人+世界の社員2万人の調査で明らかになったのは、リーダーとしてふさわしい人は「協力的かつ他人に親切で、公平に評価する人」だったそうだ。
簡単な話、上記のような特徴を持っていれば自ずと三つのメリットがついてくるという事だ。
口では「能力が良い…うんぬんかんぬん」と言っているが、実際は礼節のある人に私達はなびく。
相手の感情を見極める方法
今の現代人に礼節が欠けてきているのは、なにも本人ばかりのせいではない。
例えば、今は家で仕事をすることは可能だし、さらに言えば極力人と会わなくても金は稼げる。
すると、人とのコミュニケーションが減っていき相手の表情から感情を読み取る力が衰えてしまう。
いわゆる、共感能力の低下だ。
それを防ぐには、もっとも簡単なもので映画を見る、小説を読む、人と運動や軽いカードゲームなどで遊ぶと言った方法がある。
さらに、カルフォルニア大学サンフランシスコ校名誉教授のポール・エクマンは、相手の感情を読みたいなら表情を観察したほうがいいと言っている。
映画好きな人なら、漠然と映画を見るのではなく人物の感情や表情に注意して見るようにすればいい。
本好きなら、小説を読んでキャラクターの感情を読み取る練習をすればいい。
ゲーム好きなら、オンラインではなくオフラインで友達や家族とカードゲームや人生ゲームなどで体験を共有してみていかがだろうか?
そうする事で、再び共感力も上がるだろう。
本を読んだ感想
本書を読んで最初に思ったのは、意外にも事前にちゃんと調査をした上で本の執筆をしていることに驚いたという事だ。てっきり、著者の主観がダラダラとした内容かと思ったが違ったようだ。
まぁ本の後半になると少し怪しくなるが、前半に関しては見ていて面白く、また礼儀というものが堅苦しいものだと感じてた気持ちをいくらか晴らしてくれた。
現代はむしろ礼儀に気を使わない人が多い印象があるので、逆に礼節を持つ人間が重宝されるのではないだろうか。
そしてこの本が2019年に出たのは、果たして単に偶然なのだろうか。
終わりに
ここまで、見てくださり本当に有難うございます。 よろしければ、「読者登録」や「はてなスター」等を付けてくださると嬉しいです!
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