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ブラック企業は損をしないという心理学

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なぜブラック企業は無くならないのか?

 

 昨今、ブラック企業だのホワイト企業だの言葉がすっかり浸透しきっていますね。

 そこで疑問に思いませんか、なんでこんなにブラック企業が多いのだろうか?

 そこで今回は、海外の企業を中心に「なぜブラックな職場は消えないのか」を紹介して行きます。

 減らないのには訳がある、とい事ですね。

  

会社に誠実さは不要

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 嘘をつかない人がこの世に居るだろうか?

 我々は、なぜか知らないがリーダーに嘘をつかない事を求めたがるところがある。

 そして往々にして、リーダーが度々嘘をつくのは、それが原因で罰せられる機会が無いからだ。

 さらに言えば、その傾向は特定の職種だけでなく他の職業でも問題になっていない。

 例えば、セールス・アンド・マーケティング・マネジメント誌が316人の営業担当エグゼクティブを対象に行った調査がある。

 

 調査では、セールス・マネージャーの45%は、自分の部下が納期について嘘の約束をするの聞いたと事があり、マネージャーの20%は部下がサービスの内容について虚偽の情報を提供した事を知っていた。

 また、78%のマネージャーはライバルの会社が製品やサービスに関して嘘をついていたと回答した。

  

 この調査では営業担当者が顧客につく嘘の実例を紹介していた。

 だがその傾向は特にインターネットで盛んである(1)。

 また人事関連サービスのADPスクリーニング&セレクション・サービスは、経歴チェックを行った260万件のうち、44%が職歴に、41%が学歴に、23%が免許や資格について詐称していたのだ。

 こんな感じで、企業どころか内部の人間ですら嘘を平気でつき、それは業界を超えるというもの。

 加えて日本でも、医師免許証を持っていない人間が医者をやっていたなんて事件もある為、他人ごとではないことが分かる。

 

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嘘は利点がある

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 人がこれだけ嘘を言うだから当然、メリットがある。

 例えば、交渉で妥協してもよい最低額を馬鹿正直に言う人はまずいない。

 実験経済学の調査では、多くの人が自分の能力や実績を偽り、それによって実際に報酬の引き上げを勝ち取っているのだという。(2)

 またアメリカの1000人をランダム抽出したある調査では、24時間以内に1回以上嘘をついた回答した人が40.1%に達する。(3)

 さらに嘘をついている人は、堂々として自信たっぷりな命令口調で話すことが分かった。(4)その態度は他人の目に支配的に移り、信頼や服従を強める。

 元々、人が相手の嘘を見抜ける確率は50%程度(5)である事も起因だろう。様々な実験を比較しても、最も良い結果で54%だ。(6)

 だが読者の中に「でも嘘をつくと内部告発とかで被害を受けるじゃないの?」と考える人がいるかもしれない。

 ところが実際はそうならないのである。

 ある研究によれば「会社の不正を告発した社員は出世の見込みを断たれる。故に内部告発をしたがらない社員が多い」という。(7)

 また、会社を去ったとしても次の職を見つけるのも苦労する。告発をした人間など自分の会社には欲しいワケがないからだ。(8)

 こう言う理由から、会社というのは嘘で損する可能性は少ない。

 

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信頼は踏みにじっても損はない

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 信頼と言うのは非常に重要である。

 私達が日々他者を信頼しなければ、社会は殆ど機能しなくなるだろう。

 実験経済学における研究でも同じことが言え、人間関係を悪用する人は、いずれ相手にされなくなる。(9)

 また、信頼されるリーダーの下では社員がお互いを信頼する職場が形成され、よりよい成果を上げるとされている(10)。

 そろそろ現実を見てみよう。

 2011年に顧客や社員に関する調査を専門とする「マリッツ」は、自社の経営者が誠実だと答えているアメリカ人は14%に過ぎないと報告した。(11)

 さらに経営陣を信頼している人は10%で、公約通りに行動できているかに関しては7%だったという。

 なぜこれほどまでに信頼を勝ち得ていないのに、会社は素知らぬふりを決め込むことが出来るのか?

 実は、企業の契約違反は個人の違反ほど重要とは見なされないので、倫理的な非難を受けない事が研究でも確かめられている。

 もし貴方の昇進を約束して、仮に会社がそれを反故にしたところで問題はない。

 時々、残業代を払わない事をニュースで取りざたされるが、それは一瞬の出来事でしかないから世間はすぐ忘れる。

 経営学教授のユリエル・ハランは、経営違反を見つけた時に人々がどう反応するのかを研究したところ、個人の違反は倫理的な犯罪と見られるが、企業が違反しても事業上の必要に迫られたと解釈される。(12)

 通常であれば守るのが当たり前の契約条項も、企業が違反した場合には「経営困難に陥っていたから同情の余地はある」とう考えになる事が多いのだ。

 というワケで、社員はコストカットとかM&Aとかで、経営者が変われば簡単に切り捨てる。

 でもそれに抗議をしても、腫れもの扱いにされて相手にはされないだろう。

 過去にどれだけ貢献していたかなどは関係ない。自社の未来に貢献できないなら、貴方はお荷物なる。

 もしかしたら、嘘もついている内にホントになるかもしれない。

 

終わりに

 

 話のメインが海外のものなので、「日本より海外の方が自由でいい」という一面的な見方は良くありませんね。(日本企業を肯定するワケでは無いですが)

 そもそも海外の言う自由とは、契約上で会社が社員をいつでも切り捨てて良いという自由も含まれている事を忘れないように。

 それに、決して日本の企業が無関係なんて思わない事ですね。人間の本質は、国を越えますし。

 


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