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もしかしたらいつか使える?色々な心理学研究6選#2

 

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集団だと注意しても無駄?

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 実のところ、我々は相手の服装だけを見て、その人の言うことを聞くかどうかを決めていたりします。

 心理学では「ドレス効果」と呼ばれ、ウィスコンシン大学のコンスタンティン・セディキデスは、ニューヨーク州プロンクス郡にある動物園で、夏の3日間に訪れた224名のお客を対象にした実験を行いました。(1)

 アシスタントが動物園の飼育員の服装と、Tシャツでサンダルの服装で、「すみません、柵にはもたれかからないでください」とお客にお願いしました。

 そしてアシスタントが居なくなった後、そのお客の行動をこっそり観察してみたところ、言われた通りに柵から離れてくれた人の割合は、「飼育員の服装」でお願いしたときのほうが高くなりました。

 さらにセディキデスは、お客の人数構成とその反応についても調べています。

 お客が1人か2人連れのときには、言うことを聞いてくれる割合は60%でしたが、3人から4人のグループになると49%に減り、5人から6人のグループでは14%にまで落ちました。

 1人か2人ならまだしも、大勢のグループに言うことを聞かせるのは、かなり難しいみたいですね。

 

なぜ待ち時間を表示するのか?

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 イスラエルの心理学者ナイラ・ミュニチャーは、大学の研究室にかかってきた123件の電話で実験を行いました。(2)

 ミュニチャーは、かかってきた電話を取らずに、相手が「108秒間」待てるかどうかを測定してみました。

 そして次のような条件で留守番電話が機能するようにしておきました。

 第一条件では、ただ音楽が流れるだけで、この場合には、8.4%の人が待ちきれずに電話を切ってしまいました。

 第二条件では、音楽が流れるだけでなく「お待たせして申し訳ありません。そのままお待ちください」というアナウンスが、108秒間に3回流れることになっていましたが8.7%は途中で切ってしまったのです。

 そして最後の第三条件では、「現在、あなたは3番目です」「現在、あなたは2番目です」「次があなたの順番です」というアナウンスが3回流れました。

 このときには、途中で切ってしまう人がグッと減り、5.9%になりました。

 どうやら私たちは、待たされるのがイヤではあっても、「どれだけ待てばいいのか」の目安がわかるのなら、少しくらいは我慢できるのです。

 

サービス業のストレスは笑顔が原因?

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 サービス業のストレスについて、米国ペンシルバニア州立大学のアリシア・グランディは、アメリカ人116名、フランス人9名の秘書やウェイトレスなど、サービス業で働く人たちで研究を行いました。(3)

 その結果、「笑顔のサービスが、ストレスを生む」ということがわかりました。

 何でもかんでも笑顔を求められていると、どうやら私たちは疲れ切ってしまうようです。

 ところがアメリカや日本とは違い、例えばフランスのサービス業には、「絶対に仕事中は笑顔を見せなければダメ」というルールがありません。

 フランスでは、笑顔を見せるかどうかは個人の裁量に任されているところが大きいので、「自分は笑顔を見せない」というのなら、それはそれでかまわないのです。

 フランス人は仕事中も笑顔を見せるかどうかは個人の裁量なのだということを知っていれば、愛想のない店員を見ても、「まあ、そんなもんか」と受け入れられるのですが、そういう事情を知らない人は、フランス人を嫌いになってしまうかもしれません。

 文化によって、人に求められるルールは異なるのが当たり前です。

 違う国の人が自分の国の人違ったことをしていても、自分のルールで相手を判断しないようにしましょう。

 

兄弟で不人気なのは?

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 米国テネシー州にあるメンフィス大学のキャサリン・キッツマンは、小学生の男女を対象にして、クラスで「好きな人の名前」を3人、また「嫌いな人の名前」も3人挙げてもらいました。(4)

 それをもとに人気度の標準得点(マイナス1点~プラス1点まで)を出す一方で、「人っ子、二人兄弟のお兄ちゃん(お姉ちゃん)、二人兄弟の弟(妹)という3つのカテゴリーで平均点数を出してみました。

 すると3つのカテゴリーの中でいちばん不人気なのが「一人っ子」でした。

 キッツマンは、「あなたには何人くらいの仲良しの友達がいますか?」という質問もしているのですが、やはり一人っ子ほど、友達が少ないということもわかりました。

 これらの結果から、弟や妹は腕力では兄や姉に勝てませんから、うまく懐に入らなければならないうことを通じて、「人付き合」いの技術を磨くことが出来たのではないか?と考察できます。

 

落選者が口にするもの

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 米国ペンシルバニア州立大学のハロルド・ズローは、1948年~1984年までの共和党、民主党の指名受諾演説を分析してみました。(5)

 それぞれの候補者が、どれくらいアメリカの状況について「悲観的なこと」を口にするかを調べた結果、「悲観的な候補者」のほうが、10回中9回も負けていることがわかったのです。

 「このままじゃダメだ!」「もう手の施しようがない状況だ!」などと口にすればするほど、その候補者は負けていたのです。

 ズローはさらに分析の範囲を広げて1900年~1944年の選挙についても調べてみたのですが、12回の選挙で9回は負けるという結果になっていました。

 人間は基本的に将来に対して希望を持ちたいのであって、そういう希望を抱かせてくれるような候補者に票を投じたいと思っているのです。

 

好きな人と結婚するには?

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「近く住んでいる者同士が結婚しやすい」という現象を心理学では「ボッサードの法則」と呼びます。

 これは近くに住んでいればいるほど、結婚する可能性は高まっていくのに対して、遠く離れた者同士では、可能性はどんどん小さくなっていくのを現しており、ペンシルバニア州立大学のジェームズ・ボッサードは、フィラデルフィアの住民について、結婚証明書の登録申請を行った5000組のカップルについての調査を(6)してみたことがあります。

 結婚する前に2人の住所がどれくらい離れていたのか調べた結果、結婚したカップルの全体の3分の1は、結婚前には「5ブロック以内(500m以内)」に住んでいることがわかったのです。

 その理由は近くに住んでいればいるほど「顔を合わせる頻度」も高くなるからです。挨拶をしたり、他愛もない世間話をしたりしているうちにいつしか恋心が芽生えるのです。

 逆に遠く離れた者同士では、まずそもそもお互いに顔を合わせる機会がありません。

 ですから、恋愛がスタートすることもないのです「顔を合わせる頻度」が増えれば、当然、恋愛に発展するケースも増えるでしょうし、結婚に結びつくケースも増えます。

 かつての日本では、隣近所に住む幼馴染同士で結婚するのが当たり前でした。

 現代社会でも同じ会社の同じ部署や机が近いもの同士のほうが結婚しやすいというデータもあります。

 これは、米国ニューヨーク州立大学のロバート・クインが明らかにしました。

 クインがオフィスでのロマンスを分析したところ、「近接性(近くで仕事をしているかどうか)」が重要お互いに声を交わす頻度が多くなるほど、恋愛に発展しやすかったというのです。

 好きな人とうまくいきたいのなら、相手の住んでいる隣近所に引っ越しをするのもいいかもしれませんね。

 

終わりに

 

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参考文献

・(1)Sedikides, C., & Jackson, J. M. 1990 Social impact theory: A field test of source strength, source immediacy and number of targets. Basic and Applied Social Psychology ,11, 273-281.

・(2)Munichor, N., & Rafaeli, A. 2007 Numbers or apologies? Customer reactions to telephone waiting time fillers. Journal of Applied Psychology ,92, 511-518.

・(3)orandey, A. A.,, Fisk, G. M., & Steiner, D. D. 2005 Must "Service with a smile" be stressful? The moderating role of personal control for American and French employees. Journal of Applied Psychology ,90, 893-904.

・(4)Kitzmann, K. M., Cohen, R., & Lockwood, R. L. 2002 Are only children missing out? Comparison of the peer-related social competence of only children and siblings. Journal of Personal Relationships ,19, 299-316.

・(5)Zullow, H. M. & Seligman, M. E. P. 1990 Pessimistic rumination predicts defeat of presidential candidates 1900 to 1984. Psychological Inquiry ,1, 52-61.

・(6)Bossard, J. H. S. 1932 Residential propinquity as a factor in marriage selection. American Journal of Sociology ,38, 219-224.