立ち読み本屋

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「感想/書評」【ニコニコ哲学 川上量生の胸のうち】なぜニコニコなのか

 

 

 

 

著者・書籍情報

 

著者:川上量生(かわかみ・のぶお)

 1968年生まれ。京都大学工学部卒業後、コンピューターの知識を生かしてソフトウェアの専門商社に入社。

 同社倒産の97年、PC通信用の対戦ゲームを開発する会社としてドワンゴを設立。

 2006年には、子会社のニワンゴで「ニコニコ動画」を開始。その後も「ニコニコ超会議」や「ブロマガ」など、数々のイベントやサービスを生み出した。

 

 書籍:【ニコニコ哲学 川上量生の胸のうち】

 発売日2014/11/18

 ピースオブケイク代表取締役の加藤貞顕と川上量生のインタビュー形式で話が展開して行き、ニコニコについて川上量生の価値観などを語っている。

 

 

どんな人にお勧めか?

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 「ニコニコは動画を投稿しずらくてしょうがねぇな」

 「ニコニコってなんで使いずらいことがあるんだろう」

 と考えている人にオススメとなっている。

 川上量生から語られるニコニコの裏側事情は、見て初めて理解できるのかもしれないと考える。

 

与えられたものは何か?

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 2014年当時の川上量生は、KADOKAWA・DWANGO統合に対して「KADOKAWA・DWANGOという配牌は面白いと思った」と語る。

 その理由に、何を作れば良いか一見よく分からないからと答えて、逆にそうい状況は他社も同じでありそこにまだ見ぬ成功があるのではないかと話す。

 確かに賛同できる意見で、他とは違う成功を出すにはまだ誰も手を付けていない分野に手を出したりするのは非常に有効だ。

 また、例え同じ分野であっても角度を変えて見る機会を持つことが出来れば、新たな抜け道が見つかるかもしれない。

 まさに、現状で配られたカードをどう使うかが非常に重要となる。

 

ニコニコは許される

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 書籍の中で川上量生は、勝手にアカントの情報を使ってしまうことがあるが、それを「ニコ動ならしょうがない」という風に落ちつかせる戦略を取ってきた。

 そう言う態度の裏には、一般企業がクレーマーなどに文句を付けれられて萎縮してしまうことに対するアンチテーゼ的な役割を果たす。

 また一度対応してしてしまうと、次回も対応せざる負えない事態を避ける目的も持ち合わせている。

 会社や学校にも、あの人なら許せるという人間がいただろう。

 そう言う人間になれれば、行動範囲も広がりやりたいことが出来る。

 逆に、いちいち他人からの文句を真に受けていたら、やりたいことは出来ない。

 ニコニコ動画のように多少の事なら許してもらえる、そんな環境を持つことが成功の一手になるのではないか。

 

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ニコニコは自由である

 

 ニコニコは思想を持たない事を第一として、政見放送や通常国会の様子を中継している。

 ネット上のあらゆる言説は歪んでいると言いつつ、近年のネットでの政治的な思想に対しいて「現代社会に対して恨みを持っている人たちが多い」と回答する。

 その理由には、限られた情報で判断してしまう人がネットには多いのではないかと考えている。

 だから、あえてニコニコでは議論が一方に触れないように、冷静に議論をするいわゆる「愚痴を吐く場所」のような立ち位置として存在していると語った。

 私もニコニコを利用する機会があるが表面的な機能以外に目を向ければ、確かに本書をこの部分を読むと上手く考えられているな、と納得させられてしまった。

 他に言論が飛び火しない為に、その受け皿として存在する。

 今までにない視点でニコニコを見ることが出来るようになった。

 

人気になるとつまらない

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 「多様性」という言葉は、現代では耳に胼胝ができるくらい聞きなれた単語だろう。

 しかし、クリエイティブな分野で見れば多様性は逆に発展を抑制してしまう結果になると言える。

 その理由には、例えばある一つのゲームやいわゆる流行りの遊びなどが出てくると、急上昇はそれ一色に染まってしまう。

 つまり、他に面白い動画やイノベーション的なアイディアを展開しても、一時期の流行りの負けて埋もれてしまうのだ。

 また川上量生は、「小説家になろう」を挙げて同様に「異世界もの」の上位に食い込む小説は大体設定が同じであることを指摘し、これがある意味多様性の限界であると語る。

 確かに、小説家になろうだけでなく様々なジャンルで言える事だが、真新しさというものが無くなる傾向がある。

 川上量生は対策として、ある程度制限を設けるべきだと回答してる。

 ニコニコ動画では、あえて動画投稿を煩わしいくする事で、無駄に流行りだけに乗った動画を投稿させないという細工をしているようだ。

 つまり、ニコニコ動画が使いずらいのはある意味戦略の一部であると考える事ができる。

 まぁ、本当に使いずらいのは事実だが。

 

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本を読んだ感想

 

 全体を通しての感想は、後半にかけて共感できる部分は個人的に少なくなった。

 発言に根拠が無いことや一つの事柄を複数に当てはめて考えるやり方は好きではない。

 しかし前半部分は非常に納得のできる部分であるし、これが本当にニコニコの取っている戦略なら、ある意味計算されていたという事実が衝撃的だった。

 川上量生の価値観や考え方に賛同するかどうかは、凡庸な言葉で「人それぞれ」と言わせてもらうが、今まで彼の取ってきたやり方は興味深く、読んでよかったと思わされる一冊だった。

 

終わりに

 ここまで、見てくださり本当に有難うございます。  よろしければ、「読者登録」や「はてなスター」等を付けてくださると嬉しいです!