身近な日常を心理学する

日常の疑問を調べて心理学的に解説するブログ

余り知られたくない心理学の研究6選#3

f:id:dokusyono:20210630180631j:plain

 

都会の人は冷たい?

f:id:dokusyono:20190825181638j:plain

 都会の人は、一般的に「冷たい」といわれています。その反対に、田舎の人は「温かい」といわれています。

 米国カリフォルニア州立大学のポール・スコルニックは、ロサンゼルスの交通量が多い、田舎道で車があまり通らない道路の両方で、男性または女性のアシスタントが路肩に車を止めて、援助を求めるという実験を行いました(1)。

 その結果、交通量の多い所では、助けてもらうまでに28.4台も車が通り過ぎましたが、田舎道では助けてもらうまでに、2台しか車が通り過ぎませんでした。

 この結果だけからすると、「都会の人は冷たい」と思うかもしれません。

 しかしスコルニックは時間帯を変えて同じ実験をしていました。

 午後2時~4時までと、午後8時~10時までです。

 すると、午後8時から10時では、都会でも助けてくれる人が多くなることが分かりました。

 夜になると当然交通量が少なくなってくるわけで、そういう状況でなら、都会の人も困っている人を助けるのです。

 「自分が助けてあげないと困るだろう」という責任を感じるからです。

 夜が更けてきて、ほかに誰もいない状況、すなわち責任の拡散が生じないときなら、都会の人も助けるのです。

 

10代で結婚するのはアリorナシ?

f:id:dokusyono:20190912153329j:plain

「10代の母親」と聞くと、「ろくでもない女」というイメージを持つのではないかと思います。

 けれども、10代で結婚/出産することは、本当に悪いことなのでしょうか?

 イギリスにあるバーミンガム大学のアリソン・ロルフ(2)は、10代で母親になった女性33名にインタビュー調査をし、10代での結婚がどのような経験になったのかと尋ねてみました。

 すると彼女たちは、10代の結婚がマイナスだとは考えていなかったのです。

 むしろ、自分が母親になることで「自己成長できた」「責任ある大人の女性になれた」という回答をしていました。

 女性なら誰しも、出産を経験して母親になると、一人の親として責任が生まれます。

 時として、それが良い方向に自己成長することもあるのです。

 テレビでは、若い夫婦が子どもを殺してしまったとか、子どもに食事をさせないで餓死させたといったニュースが流れますが、そういった面だけを切り取るのは、「早過ぎる結婚は悪いことだ」という観念を視聴者に植えつけることになりかねません。

 現実問題で言うと、仮に成人になってから結婚したとしても、不倫や離婚、家庭内暴力などが無くなる分けではありません。

 それに近年の晩婚化は、ここ何十年の話でしかありません。

 世界に目を向けても、10代の結婚は珍しいワケでは無く、先進国が晩婚化しているだけです。

 

いじめのきっかけになること?

f:id:dokusyono:20190918140931j:plain

 いじめの始まりは意外と些細なことから始まる場合もあります。

 その一つが「贅沢な経験」をすることによって、かえって周囲から妬まれたり、仲間外れにされたりすることがあるのです。

 米国ハーバード大学のガス・クーニー(3)は、貴重なワインを飲んだり、飛行機からパラシュートで飛んだりする経験には、「見えないコスト」もあると発言しています。

 なぜなら、他の人から仲間外れに遭うというリスクがあるからです。

 「なんだかあいつ、調子に乗ってない?」・「自分だけ、周りとは違う人間なんだって思ってない?」そんな風に思われて、嫌われてしまう危険があり、クーニーはこの仮説を検証するため、4人でひとつのグループを作らせ、お互いに自分自身のことを語らせるという実験を行いました。

 ただその前に、メンバーの1人だけには、四つ星のとても面白い映画を観せてあげました。

 その間、残りの3人は二つ星のつまらない映画を観せられました。

 1人だけが、羨ましがられるような経験をさせられたわけです。自分がやりたかったわけではなく、実験者に割り振られただけなのです。

 それから4人に自由に会話をしてもらったわけですが、やりとりが終わった後で、「どれくらいメンバーから排除されたと思うか」と尋ねてみると、1人だけ良い思いをしたメンバーが強くそう思うことが判明したのです。

 

なぜイジメが集団をまとめるのか?

f:id:dokusyono:20200722143604j:plain

 そもそも古今東西、いじめが無くならないのには理由があるのかもしれません。

 米国カンザス大学のスコット・エイデルマン(4)によれば、いじめは、集団の維持に役立つ機能があるそうです。

 同じ集団の中にいじめる対象を作るのは、「いじめられる人以外の人たちの一体感」を強める働きをするというのがエイデルマンの分析で、いじめの対象がいると、それ以外の人たちは、かえってひとつにまとまるわけです。

 心理学的には、これを“黒い羊効果(ブラック、シンープ効果)と呼んでいます。

 スポーツ世界や企業でも、明確なライバルがいたほうが内部がしっかりまとまるということはあります。

 同じ集団内にいじめの対象を作り上げるのは、こういう現象と同じで、いじめがなかなかなくならないのは、集団の維持に役立っているという理由があるからです。

 もちろん、だからといって「いじめ」があってもいいと言いたいわけではありませんが、集団が集団として維持されていくために、そういう機能が存在しているという側面があるようです。

 「あいつは気取っている」とか「あいつは嫌らしい目つきをしている」とか「あいつの声が嫌いだ」とか、いじめる人たちはいろいろな理由をデッチ上げるものですが、本当のところは、そんな理由はどうでもいいのです。

 

女性が浮気したくなる時期?

f:id:dokusyono:20210203000049j:plain

 女性で、月一度、ついフラフラとほかの男性に気を許してしまいそうになる危険なタイミングがあるのです。

 それが月経周期で言うと「最も妊娠しやすいタイミング」です。

 イギリスにあるマンチェスター大学のマーク・ベリスは、「カンパニー」という雑誌に載せられている、女性の2708名の浮気の事例を分析しました(5)。

 その結果彼女たちが浮気するのは、一カ月で最も妊娠しやすい時期に集中していることがわかりました。

 月経周期で言うと9日目から14日目に妊娠しやすい時期があり、ピークは12日目なのですが、このときに女性の浮気の割合が増加していました。

 妊娠しにくい時期に女性が浮気する確率は、0%~2%ですが、妊娠しやすいピークの12日目には、4%近くに増えていました。

 まあ浮気するといっても4%ですから、大多数の女性は浮気をしないわけですが、放直だけを見れば、妊娠しやすい時期には普段の2倍くらい浮気してしまう確率が高くなるわけです。

 ほかの男性の子どもを身ごもってはいけない、まさに最も危険なタイミングで、女性は浮気してしまいやすくなるのですから、これは注意しなければなりません。

 自分の月経周期がはっきりわかるのであれば、妊娠しやすいタイミングには、自分の気持ちがついフラフラしてしまいそうになることに気をつけましょう。

 ほんの一時の気の迷いによって大好きな恋人や夫との関係がおかしくならないように注意してください。

 

嬉しいと無意識にするもの?

f:id:dokusyono:20200818192555j:plain

 高校野球は、ガッツポーズをすると審判に怒られてしまうという不思議なルールがあります。

 スポーツ世界は勝者と敗者がいて、敗者に気遣うことも大切だ、というのはわかるのですが、勝者に対して「喜んではいけない」というのも、逆におかしなことだと思います。

 スウェーデンにあるルンド大学のカリン・モーシュは、スウェーデンの最上位の女子ンポールリーグ、2011年と2012年シーズンの試合の分析をしてみました(6)。

 公式リーグ8試合とプレイオフの10試合です。

 選手がシュートを決めた後に、喜びの表現をするかどうかです喜びの表現とは、片手でガッツポーズ、両手でガッツポーズ、親指を立てる、拍手、仲間とのハイタッチ、などです。

 モーシュが調べたところ、これらの喜び表現は、普通の試合よりプレイオフの試合のほうが増えていました。

 なぜ増えたのかというと、それだけ得点を決めることが嬉しかったからです。

 レギュラーシーズンにおける試合でも、得点を決めれば嬉しいことは嬉しいのですが、ブレイオフのほうが注目度は高いだけに、選手にとってはなおさら嬉しいわけです。

 なので、喜び表現が増えてしまうのだろう、とモーシュは分析しています。

 プレッシャーがかかる中で、最高のパフォーマンスを見せることができた選手は、ほとんど無自覚のうちに、飛び跳ねたり、大声を出したり、ガッツポーズをとったりします。

 プレッシャーから解き放たれたときの快感は、選手にしかわかりようがありませんが、きわめて大きなものに違いありません。

終わりに

 

 あと、宜しければ⇩ポチッとお願いします。

心理学 科学ブログ・テーマ
心理学

 

にほんブログ村 科学ブログ 科学ライフへ
にほんブログ村

 

立ち読み本屋 - にほんブログ村

こんな記事も読まれています

www.ryousyototatiyomi.com

www.ryousyototatiyomi.com

 

参考文献

・(1)Skolnick, P. 1977 Helping as a function of time of day, location, and sex of victim. Journal of Social Psychology ,102 61-62.

・(2)Rolfe, A. 2008 'You've got to grow up when you've got a kid': Marginalized young women's accounts of motherhood. Journal of Community & Applied Social Psychology ,18, 299-314.

・(3)Cooney, G., Gilbert, D. T., & Wilson, T. D. 2014 The unforeseen costs of extraordinary experience. Psychological Science ,25, 2259-2265.

・(4)Eidelman, S., & Biernat, M. 2003 Derogating black sheep: Individual or group protection? Journal of Experimental Social Psychology ,39, 602-609.

・(5)Bellis, M. A., & Baker, R. 1991 Do females promote sperm competition? Data for humans. Animal Behaviour ,40, 997-999.

・(6)Moesch, K., Kentta, G., Backstrom, M., & Mattsson, C. M. 2015 Exploring nonverbal behaviors in elite handball: How and when do players celebrate? Journal of Applied Sport Psychology ,27, 94-109.