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「感想/書評」【平気で嘘をつく人たち】彼らはなぜ邪悪なのか

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「この世になぜ善はあるのか」という質問を発した人はこれまでにいない。

  byM・スコット・ペック


 

 

 

 

著者・書籍情報

 

 著者:M・スコット・ペック

 ハーバード大学で社会関係学修士号、ケース・ウェスタン・リザーブ大学で医学博士号を取得。

 ベトナム戦争当時の米軍に精神科医として9年間勤務後、1978年に世界的ベストセラー「愛と心理療法」を発表。

 著書に「愛と心理療法」、「死後の世界へ」などがある。

 

 書籍【平気で嘘をつく人たち】

 発売日2011/8/5

 著者が実際に出会った邪悪な人たちを例に挙げて、嘘をつく人たちの特徴とは何かを話している。

 

 

どんな人にお勧めか? 

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 「邪悪とは何たるかを知りたい」

 「彼らはどこに居て、何をしているのか気になる」

 と言う人にオススメとなっている。

 著者が対面する様々な事情を持った人間達が起こす問題を本書の中である程度の長さを取って語られている。

 是非見てみるといいだろう。

 

悪とは何なのか?

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 本を読めば頻りに悪について考えさせられる場面がある、悪を語るのはある意味は簡単だろう。

 何をしたら悪いのか、それを証明できれば悪の実態を掴むことが出来る。

 例えば「赤信号を渡ってはいけない」というのが一般社会のルールである。悪はこれに違反するモノを見つければいい。

 更に小さく言えば、ちょっとズルする人間も悪だろう。

 この様に悪とはありふれていて珍しさを感じない。

 むしろ善を定義することの方が一層難しいのだ。

 読んでいて、気になる言葉があるとすれば「善を語らずして悪は語られない」という部分がある。

 善というものが語られた時にそれ以外のモノが必然的に悪となる、と考えることが出来るのではないか。

 では、善とはなんだ?

 

邪悪な人間達

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 「邪悪性」は内容に深くかかわるキーワードであるが、嘘をつく人間達はみんな自分を偽っている。

 何とも悲しい話だが、彼は自分たちが正常で社会的に何らおかしい所がないように見せいているのだ。

 しかし、中を見てみれば自分の異常性から目を背けているだけだ。

 ところが、そこに目を向ける事が出来ず、自己を省みない為なら自分の息子だろうと犠牲にして隠そうとする。

 邪悪性は、罪の意思から生まれるのではなく罪の意思から逃げようとする気持ちから生まれている。

 そしてそんな人たちは映画の中に出てくるような大悪党の人間ではない。

 今朝家の前を通り過ぎたサラリーマンだったり、病院で人の面倒を見てくれる笑顔の素敵な看護師だったりと、ごくありふれた普通の人間なのだ。

 その羊の皮を脱ぐまでは。

 

悪が与える影響

 

 本の中に登場する人たちで、多々子どもの登場する場面がある。

 ひどく精神的に参っていて、生気が感じられない。

 そして子どもの経緯を聞いていくと、悲惨な毎日を送っていることも少なくない。

 しかし、必然かあるいは偶然か別の問題が発覚することがある。

 邪悪な影響について。

 そう、カウンセリングを始めると分かることがあるのだ。

 一見その子どもに問題があると思われる事が、段々と他の家族や学校・社会に原因があることに。

 これを「見なし患者」という。

 子どもより親の方が矯正を必要とするケースを指している。

 では、矯正が必要な親とはどんな親だろうか?

 そうだ、邪悪性が高い親たちだ。

 彼らの持つ悪は、肉体的・精神的に作用して指一本も触れずに相手を殺すことも可能である。

 

邪悪と隠微性 

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 邪悪な人間は自分の失態を酷く恐れる。自分の恐怖を隠そうとする。

 そして邪悪な人間による一番の被害者は子どもなのだ。

 彼らには逆らう力がなく、例えば親がそう決めたらそれに影響されるしかない。

 そして悪い人間は自分の欠点を他者に責任転換する為に、まず他者を支配しなければいけない。

 だから子どもの親なら、何の迷いもなく子どもにその矛先を向けるだろう。

 そして彼らに良心がないわけではない、しかし本能と罪の意識がぶつかり合った時に、本能が勝ってしまうのだ。

 しかも隠微性、つまり表向きではそれをかくしている。

 子どもがカウンセリングを受けていくと内部に問題点を見つけるのは、このためだ。

 著者も話すが、精神治療でもっとも効果があるのは正常な人間だ。

 正常とは、健全で正直で他者によって思考パターンが歪められていない人間を指す。

 邪悪な人間は、いくらその性格の問題を指摘しても取り合うことはない。

 なぜなら、自分は完璧と思い込む悪性のナルシズムを持ち、愛想を身にまとっている人間にとって自分を見つめるとは、すなわち欠点と向き合うことになる。

 そんな事は是が非でも阻止たい。

 だから、本の中で出てくる邪悪性を秘めた人間で治療を完璧に終えられた人間は居ない。

 表向きは従っているように思わせて、体面を確保したらすぐにその隠しきれない正体を露わにし口八丁手八丁の技術で逃げようとする。

 そして元々そんな人間は、まともに治療を受けたとしても完治する事はない。

 

本を読んだ感想

 

 悪とは、邪悪とはなにか?それを実際の体験で得た出来事と照らし合わせて考察して話しているのは、実に面白かった。

 また、体験談も登場人物の些細な、ほんの些細な違和感から導き出される異常性を垣間見ることが出来るので読んでいて飽きることはない

 しかし、やはり難しい話も少々出てくると思うので万人受けの本ではないだろう。

 それでも、邪悪な人間の特徴やその精神的な部分にまで考えを持って行くのは、非常に興味が深まる内容である。

 ここでは書いていないが、ベトナム戦争の話を持ち出して集団の悪についても考えを及ぼすページがある。

 こちらも、なぜ集団が悪に染まってしまうのかを解説しているので面白い。

 

終わりに

 

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