立ち読み本屋

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行動経済学から偽造品を身に着けると、嘘をつきやすくなる理由とは

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 私たちがファッションを通して発するシグナルは、間違いなく周りの人たちに情報を与えているのだ。

byダン・アリエリー


 

 

 

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偽造品は人に嘘をつかせる

 

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 フランチェスカ・ジーノとマイケル・ノートン、そしてダン・アリエリーは、流行品の偽物を身に着けた人が、本物を身に着けている人に比べて、感じ方や振る舞いが変わるのかを調べる実験を考案した。

 その実験の為、ブランド界隈に連絡を取りクロエから取り寄せて、女性向けのハンドバッグ20個とサングラス20個を使い実験を行った。

 

実験1

 

  まず、MBAの女子学生に「本物」「偽物」「情報なし」の三つの条件に振り分けた。

 「本物」条件の協力者には、本物クロエのデザイナーサングラスをかけてもらうと伝えた。

 「偽物」では、本物と瓜二つのサングラスをかけてもらうと伝えた(ただし、実験で使う物は全部本物である)

 「情報なし」では、サングラスが本物かどうかは伝えなかった

 そして、使い心地や見え方を体感してもらった後に、別の部屋で数字探しの課題をやってもらった。

 もし身に着けてるのが、偽物だと感じた場合、そのせいで数字探しの課題で誤魔化しをするだろうか?

 

結果

 

 大勢の人がちょっと誤魔化しをしたが、「本物」条件で全体より僅か30%だったのに対し、「偽物」条件では71%もの人が、数字探しの課題の正答数を誤魔化していた。

 しかし、これでは偽物だと感じたから多く誤魔化したのか、本物のブランド品によって誤魔化しが減ったのか、判断できない。

 そこで、「情報なし」のグループを見てみよう。「情報なし」は条件は、「本物」条件と「偽物」条件の中間である、42%の人が誤魔化しをしたのだ

 (本物と情報なしの間には統計学的な有意な差は見られなかった。)

 ここから分かるのは、本物のクロエを身に着けても正しい行動は促されないが、偽物だと知りつつ身に着けると、道徳的な抑制力が幾分弱まることが分かった

 教訓は、彼女や友人が偽物ブランド品を身に着けていたら、不正が近くに潜んでいる可能性があることだ。

 (偽物を贈り物として受け取ること自体、不誠実とは関係ない。偽物を身に着ける事が重要だ)

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偽物を身に着けると「どうにでもなれ」と考える

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 いきなりだが、ダイエットの話をしよう。ダイエットをしていると、どんな事が起きるだろうか?

 初めのうちは、ダイエットの厳しいルールを必死に守ろうとするだろう。

 しかし、何日も食べたいものを我慢していた時に、だれかが貴方の目の前にケーキを一切れ置いたとする。

 誘惑に負けて一口食べてしまった時に、見方がガラリと変わる瞬間が来る。

 すると、自分にこう言い聞かせる「どうにでもなれ、ダイエットの誓いを破ってしまったんだから、一切れまるごと食べてしまえ!」と。

 つまり、「ダイエットに励むし人」という自己概念を汚した事から「ダイエットが不要な人」という自己イメージに切り替えてしまうのだ。

 研究者達は、この傾向を更に分かりやすく調べようとした。

 

実験

 

 今回もクロエのサングラスを使った実験だ。

 参加者には、先ほどの3グループと同じように分かれてもらった。

 コンピューターの前に座ってもらい、正方形が一本の対角線で二つの三角形に区切られた図形が、画面に映し出されるようになっている。

 テストが始まると、正方形の中にランダムで散らばった20個の点が、左右に一秒間点滅する。

 次に点が消えて、空っぽの正方形と対角線だけが残り、二つのボタンが現れる。

 「左が多い」「右が多い」ボタンを押し、どちら側に一番点数が多かったのかを答える。

 それを200回行う。左が多い時もあれば、右が明らかに多い時もある。

  ただし、点の数の正解不正解に関係なく「左が多い」ボタンを押すと0.5セント貰え、「右が多い」ボタンを押すと5セント(約10倍)の報酬が貰えるようになっている。

 これは、右が多い場合には、参加者は何の倫理的問題も起きない。

 しかし、左が多い場合には、自分の貰える利益が少なくなってしまう。

 この偏った報酬体系を作ることにより、現実の捉え方を少し変えて、「右が多い」ボタンを押す誘因を作った。

 別の言い方をすると、被験者は正確に答えるか、利益を最大にするか葛藤にさらされたのだ。

 ただし、サングラスをかけたままで。

 

結果

 

 結果は、数字探しの課題をやってもらった時と同じで、偽物を身に着けた人たちが特に多く誤魔化しをした。

 明らかに左側が正解の時でさえ、右側のボタンを多く押したのだ。

 結果から分かるのは、実験が進むにつれて誤魔化しの量が増えたことだ。それは、ちょっとしか誤魔化しをしていなかったが、実験のある時点を越えると途端に誤魔化しが増えた。

 この行動パターンは、研究者が期待した通りで、偽物と本物のどちらでも見られた。しかし、偽物の方がより道徳的な抑制をかなぐり捨てて誤魔化しをしていた。

 「身なりは人をつくる」は決して嘘ではない事が分かる。偽物を意図して身に着けるのは、倫理的判断に影響を及ぼす。

 社会科学の研究成果の例に漏れず、この知識は良い事にも悪い事にも使える事は注意しなければいけない。

 

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上手く行くまでは、上手く行っている振りをしろ

 

 先の実験から、悪質な筋書きが潜んでいる事が分かる。

 偽造品の代償を払うのは、高級ブランド企業だけでない。人間は「どうにでもなれ」効果のせいで、たった一つの不正行為をきっかけに、それ以降行動が一変することがあるのだ。

 おまけに、その不正行為を終始思い出させるモノが身近にあれば、長期に渡って深刻な波及効果が続く。

 ようするに、究極的には誰もが「道徳通貨」建てで、偽造品の代償を支払われるということだ。

 例えば、大学院卒と詐称する重役が、便箋やレター、履歴書等々でいつも詐称をしていると、そのうち経費報告書の誤魔化しや公金濫用に走ることは、想像に難くない。

 肝心なのは、どんなものであれ、不正行為をとるに足りないものと片付けるべきではにことだ。

 初犯は大抵誰にでもあるミスであるが、その初めての不正行為はその後の自分自身や行動に対する見方を形成するうえで、特に大きな意味を持つことも忘れてはいけない。

 

終わりに 

 

 あまり偽造品を見かけたことがないですが、特に嗜好品や衣類のブランド界隈に多いイメージがあります。

 

 この他にも嘘やズルについて面白い話があります。続きを知りたい方は、下記のAmazonリンクから「嘘とごまかしの行動経済学」をクリックして購入してみてください。それでは!!

 

 この文は「嘘とごまかしの行動経済学」から大部分を引用と参考にして制作されています。

 

 

 

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