立ち読み本屋

毎週火曜日と木曜日に書評や雑記の記事を投稿するブログ

無知の科学から、問題視されている「ワクチン接種」や「遺伝子組み換え食品」の嘘と真実

f:id:dokusyono:20190919135304j:plain

 

 人の信念を変えるのは難しい

byスティーブン・スローマン/フィリップ・ファーンバック


 

 

スポンサーリンク

 

 

何も知らない、故に恐ろしい

 

 現代の最も重大な問題は気候変動かもしれない。これについても反科学的な主張が跋扈している。

 2015年に議会に雪玉を持って登場し、気候変動が現実に起きているという主張に異を唱えた事で有名になったジェームズ・インフェ上院議員は、長年にわたり反科学主義の急先鋒だった。

 2003年には、もっとも影響力のある気候科学者17人を標的に、刑事訴訟をすると脅しをかけると共に嘘つき呼ばわりした。

 さらに遺伝子工学は現代の最も革新的技術の一つだが、これも強烈な批判を受けてきた。

 遺伝子工学は現代科学の驚異であり、まさに最先端技術である。遺伝子を生物のDNAに加えたり削除したりして、新たな種を作り出すことを目的とする。

 トマト、大豆、トウモロコシなど遺伝子の操作がしやすく病気に強くしたり、生産量が多く、保存可能期間の長い品種が作られている

 例えば、ベータカロチンは人参やサツマイモなどの食物に、自然に含まれているが化学物質だ。

 それは体内で分解されると資格なの重要な身体機能の欠かせないビタミンであるビタミンAになる。

 しかし、多くの発展途上国では子供たちが食生活から十分なベータカロチンを摂取できず、深刻な医学的症状の原因となっている。

 毎年50万人の子供がビタミンA不足で失明している推計もある。

 そこで2000年代初頭にヨーロッパの科学者が、遺伝子組み換えによって自然にベータカロチンを生成するコメを開発した。

 そのコメはゴールデンライスと名付けられ、ビタミンA不足に苦しむ多くの子どもの主食になるはずだった。

 しかし、遺伝子組み換え作物(GMO)反対派の中には、その言う見方に組みしない人々もいる。

 2013年のフィリピンでは、収穫を控えたゴールデンライスの畑を踏み荒らした人がいた。

 それはゴールデンライスの安全性と有効性を検証するための実験農場であったのは悲しいことだ。

 そのような破壊行為によって穀物だけでなく、反対派の安全性に対する不安に根拠があるかの検証をする役に立つはずだった科学的データも失われだった。

スポンサーリンク

 

 

科学に対する国民の理解の低さ

 

f:id:dokusyono:20190922194022j:plain
 

 遺伝子科学者の、ウォルター・ボドマーは、イギリスのオックスフォード大学の教授で1985年は世界最古の科学協会であるロンドン王立協会から、イギリス国民の科学技術に対する意識を評価するチームの責任者に選ばれた。

 王立協会は国民の反科学主義的ムードを、社会の繁栄に対するリスクと見て懸念していた。

 チームの評価結果と推奨事項をまとめた独創的な「ボドマー・レポート」が作られた。

 これが後に名を馳せるようになるのだ。

 ボドマー・レポートは、世界中の科学者が科学に対する国民の理解度を熱心に調べるきっかけになり、アメリカでは科学委員会(NSB)がその先頭に立ち、二年ごとに「科学技術指標」レポートとして発表するよになった。

 科学に対する国民の理解を測るのは、かなり難しく、科学の分野が広いことが原因である。

 単純なテストではおよそ測りきれない。NSBが注目する要素の一つが、基本的事実(地球は太陽の周りを回っている等)に関する質問群に対する正解率である。

 2010年の調査では科学の質問に正解した質問群の割合を見てみると、両者の冒頭に「天文学者によると」あるいは「進化論によると」を追加すると、問題の正解率が約70%まで上昇した。

 当て推量でも、正解率は50%になるような問題だ。しかしアメリカ人だけでなく、中国、ロシア、インド、日本、韓国での調査も同様または少し悪かった。

 調査ではこうした知識に関する質問に加えて、科学技術に対する意識を尋ねる事が多く、大抵問題の正解率が高い人の方が多少科学技術に対して友好的である

 2013年に実施された調査では、科学リテラシーを測る質問に続いて、遺伝子組み換え食品、幹細胞移植、ワクチン接種、ナノテクノロジー、原子力、食品照射など様々なテクノロジーに対して意識を尋ねた。

 すると正解率が高い人ほど各テクノロジーは容認でき、リスクは低い、社会に対して大きな恩恵があると考える割合が高かった。

 

正しい知識を教えても逆効果 

f:id:dokusyono:20190922195736j:plain

 ワクチン接種反対派の存在は、教育が意識を変えるのに役に立たなかった一例である。

 ダートマス大学の政治学者、ブレイデン・ニーハンが率いる研究チームは子供を持つ親を対象に、情報を提供することがMMR(麻疹、おたふくかぜ、)ワクチンの受容を促す効果があるか調査してみた。

 

実験1 

 

 まず被験者にさまざまな形で具体的な情報を与えて、それからワクチン摂取とその重大な副作用とみられていた自閉症の関係性について意見を尋ね、さらに子供にワクチン接種を受けさせる意志があるか尋ねた。

 ある被験者群が与えられた情報には、ワクチンを受けさせないことによって起こりうるマイナスの影響が色々含まれていた。

 二番目の被験者群は、おたふくかぜ、麻疹にかかった子供の写真を見せられた。

 三番目の被験者群はアメリカ疾病対策センター(CDC)が出した、ワクチンと自閉症の関係を否定する情報を見せられた。

 

結果

 

 結果は唖然とするものだった。どの情報を見た被験者群でも、ワクチン接種をすると答える人は増えなかったのだ。

 むしろ情報が逆効果になったケースもある。病気の子供の写真を見せられた被験者群は、ワクチンと自閉症に関係があるという確信を深めていた

 また痛ましい物語を呼んだ被験者は ワクチンには重大な副作用があるという確信をさらに深めていた。

 ここ数年、科学に対する一般市民の理解に関する学術論文では、この問題が活発に議論されてきた。

 最近の主流となっている見解は、説明や実験には問題が無かったと言う見解だ。

 つまり、客観的情報を提供しても意識は変わらない。科学に対する意識を決定づけるのは、むしろ様々な社会的、文化的要因であり、だからこそ変化しにくいのだと。

 

スポンサーリンク

 

 

因果モデルと科学への理解

 

 科学リテラシーの研究における大きな制約の一つは、科学的事実を知っているかどうかについて知識量を評価しがちであるという事だ。

 人々の科学に対する意識を決定づける情報は得られない。深く理解していない事柄について、事実を記憶するのは難しい。

 そして科学的トピックを深く理解している人は少ない。

 そもそも脳は詳細を記憶するようにはできておらず、物事の仕組みに対する私達の理解度は浅いのだ。

 科学的知識に関する質問から、「抗生物質は細菌とウィルスの両方に効果があるのか」という質問に対して、不正解だった50%のアメリカ人を教育し直せば、残る50%のアメリカ人のように出来るかと考えがちだ。

 しかし、これは重要な点を見落としている。

 結果に対する別の視点では、正解した人々は本当に理解しているのかという疑問がある。

 実際には、抗生物質は細菌にしか効果が無い事を知っている人も、大抵はそれ以上の詳しい事は分からない。

 細菌とウィルスの具体的な違い、抗生物質の働き、などを説明出来る人がどれだけいるだろうか

 

なぜ遺伝子組み換えが悪いのか

 

 遺伝子組み換え食品は大きな議論を呼んだテーマだが、米国科学振興協会によると、科学的にははっきりとした結論が出ている。

 「現代のバイオテクノロジーの分子技術による品種改良は安全である」と。

 EUでは遺伝子組み換え作物に対する反対はさらに強固だ。しかし欧州委員会はハッキリこう言っている。

 「過去25年にわたる、500以上の独立した団体の調査結果を含む130件以上の調査から導き出される主な結論は、遺伝子組み換え作物を中心とするバイオテクノロジーそのものは、従来の植物交配技術などと比べて危険性は高くないといものだ」。

 遺伝子組み換えへの抵抗は様々な理由があるが、あなた自身が遺伝子組み換え技術についてどれだけ理解しているか、しばし考えてみよう。

 多分大抵はよく知らないだろう。

 

知識があれば間違った疑問を抱かない?

 

 遺伝子組み換え作物については、多くの人がかなりハッキリとした不安を抱いている。

 よくある不安の一つは汚染だ。

 遺伝子組み換え作物が人間のDNAに入り込むと言う説を信じない人でさえ、汚染に関する不安を抱いているようだ。

 もちろん、実際には正しくないが、正しいと思っている人には恐ろしい話だろう。

 他にも、遺伝子組み換えられる生物と、組み換えに使われる遺伝子を提供する生物の類似性だ。

 フロリダ産のオレンジの収穫量に影響を与えるカンキツグリーニング病の解決を目指す取り組みを見よう。

 カンキツグリーニング病は細菌が原因となって柑橘類の木が枯れる病気で、極めて感染力が高い。

 そこで抵抗力を高めるたんぱく質を生成する、豚の遺伝子をオレンジに移植することで、問題を解決に導こうとした。

 しかし、生産者はこの解決策を採用しなかった。豚の遺伝子を含む果実など、消費者が絶対に買わないだろうと考えたためだ。

 それは、オレンジが豚の特徴を引き継いで、少し豚肉ぽっい臭いなると想像したのではないかと思われる。

 もちろんそんな事はないが。

 

知らなから憶測する

 

 遺伝子組み換え技術がどのようなものか、少しでも知識があれば、懸念は抱かないはずだ。

 直感的には正しそうだが、大抵の人は遺伝子組み換え技術がどのようなモノか知らないから、知識の空白を他の分野で学習した因果モデルによって埋めようとする。

 他にも、食物に高エネルギー放射線を照射して殺菌する食品照射がある。

 これは食物由来の病気を減らすのに有効であり、保存期間を伸ばすのに役立つことが証明されている。

 しかし、放射と放射能を混同する人がおり、抵抗感を高める原因となっている。

 そこで研究者のヤンメイ・チェン、ジョー・アルバ、リサ・ボルトンは、この不安を和らげる為に、比較的効果のあった、名前を放射能を想起しないもに変えることだ。

 例えば「低温殺菌」などにすると、大幅に受け入れやすくなったそうだ。 

 

ワクチンと自閉症の関連

 

 仕組み対する誤った理解が抵抗に繋がっている可能性がある、もう一つの事例がワクチンだ。

 ワクチン接種に反対する理由として最もよく挙がるのが、ワクチン接種と自閉症に関連があるいとう説だ。

 この説が間違っていることは証明されているが、懸念は依然として残っている。

 反対派が槍玉に挙げるのは、一部のワクチンの材料として使われている水銀を含む化合物「メチロサール」だ。

 確かに一理ある。水銀は極めて有害であるからだ。しかし、そもそもワクチンに使われる水銀の量は、有害な影響を引き起こすものではない。

 反対派からはもう一つ主張をされるものがある。

 それは 生活習慣によって免疫力を高められるからワクチンが必要ないというものだ。

 事実ではあるが、ただその効果がどのような性質のもので、どれだけ強力なのかを理解していない。

 生活習慣がワクチン接種の代わりになると言う考えは、免疫システムの仕組みを余りにも単純化しすぎている。

 免疫システムは、汎用的な防護メカニズムと、特定の染色体を標的とする様々な抗体の両方によって成り立っている。

 ワクチンは特定の染色体に対する免疫を付与するものであり、特定の生活習慣を選ぶ事でそうした効果が得られるエビデンスはない。

 

終わりに

 

 意外と知っている名前のモノばかりが出てきました。普段は危ないとか恐ろしいと言っていても、「説明してくれ」と言われたらなぜかできないのか。

(今回は画像を少し多めに入れて見ました)

 

 この他にも人間が陥る思考の錯覚について情報があります。続きを見たい方は下記のAmazonリンクから「知っているつもりの無知の科学」をクリックして購入してみてください。それでは!!

 

 この文は「知っているつもりの無知の科学」から大部分を引用と参考にして制作されています

 

   

 

 

↓今後も皆さんの為になる本を紹介していくので、是非読者になって頂けると嬉しいです!

↓ランキングに参加しています。クリックして頂けると、さらに多くの方に見ていただける機会が増えます!

 

にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村

 

 

併せて読みたい記事はこちら!

www.ryousyototatiyomi.com

 

 

www.ryousyototatiyomi.com

 

 

↓使用画像製作者

unsplash-logo Fred Kearney

 ↓使用画像製作者

unsplash-logo Trust "Tru" Katsande

 ↓使用画像製作者

unsplash-logo Andre Hunter

 

いつも、はてなスターを押して下さり本当にありがとうございます。 お陰様でモチベーションを維持することが出来ています。これからも皆様の為になる本の紹介していきたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。