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進化心理学から、進化とジェンダーで見る正しい男女の結婚とは!?

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 子供の玩具の好みが主にジェンダーの社会化で形成され、親が男の子と女の子にジェンダーにふさわしい玩具を与えるのであるなら、ベルベットモンキーが人間と同じ好みを示すのはどういうわけか。

byアラン・S・ミラー/サトシ・カナザワ


 

 

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なぜ男と女はこんなに違うのか

 

 先に述べておくが、進化の歴史では「良い」とか「悪い」という価値判断ない。倫理的とか社会的とかの判断もない。ただ淘汰されない為に、生き残ってきただけだ。

 

 標準社会科学モデルの立場では、「ジェンダーの社会化」というキーワードで男女の違いが論じられる。

 ジェンダーの社会化とは、特定の文化または社会の中で、男は男らしく、女は女らしく育てられるから、思考や行動に男女差が生じるという概念である。

 生まれ落ちた時は同じでも、その後男女は違った扱いを受け、男の子あるいは女の子として社会化していく。

 男の子はトラックや銃のおもちゃを与えられて、攻撃的で暴力的になるように育てられ女の子は人形やままごとを与えれて、優しく母性的に育てられると言うのである。

 標準社会科学モデルの立場で言えば、ジェンダーの社会化は、文化のあらゆる側面に浸透している。

「親」と「社会」がジェンダーに囚われない振る舞いをすれば、行動、認知、価値観、好みの男女差はなくなるらしい。

 

新生児にみられる性差

 

 ケンブリッジ大学の心理学者サイモン・バロン=コーエンらが、生後一日の新生児を対象に実験を行った。新生児102人(男児44人、女児58人)に女性の顔と機械仕掛けのモービルの写真を同時に見せ、新生児の表情をビデオで撮影し、どちらに注意を向けるかを調べる。

 この実験では、男児はモビールをみたがり、平均してモビールをみている時間が長く、女児は人間の顔に興味を示し、顔写真をみつめる時間が長かった。

 男の子と男性が機械や機械仕掛けのものに興味をもち、女の子と女性が社交的で、他者との関係に強く興味を示すことは誰でも知っている。

 標準社会科学モデルが主張するように、こうした性差がおおむね生涯にわたる、男らしさ女らしさの教育によるものなら、生まれてから24時間の赤ん坊に、なぜそのような性差が認められるのか。

 どんなに熱心な標準社会科学モデルの信奉者でも、わずか24時間でジェンダーの社会化が形成されとは言わないだろう。

 

競争の費用対策効果

 

 行動、認知、価値観、好みの性差は、生涯にわたるジェンダーの社会化の産物ではなく、生まれついての男女の本性からくるものである

 ジェンダーの社会化は、男女の生まれつきの違いを際立たせ、固定化し、恒久化し、強化するが、違いを生み出すわけではない。

 男女は違う育て方をされるから違ってくるのではなく、違っているから、違う育て方をされるということだ

 男が女よりもはるかに攻撃的、競争的、暴力的なのは、ジェンダーの社会化のせいではなく、生涯にわたって一人も子供を持てない男の方が、一人も子供を産まない女よりはるかに多く、繁殖成功による勝者や敗者にわけられるからだ。

 男は、他の男と競争することで、繁殖ゲームではるかに多くの点数を稼げる。それに比べて、女性は競争をしてもそれほど繁殖成功度を高められない。

 男は競争に勝って、多くの女性と配偶関係を結ぶ特権を得れば子孫をたくさん残せるが、女性は多くの男と配偶関係を結べた所で多産にならない限り、生涯で産むことの出来る数はせいぜい20~25人だ。

 子供は一人か二人になるかもしれないが、ゼロではない。競争で得られる潜在的な利益は、競争の潜在的なコストに見合う程大きくない。だから女性は全体として男ほど攻撃的、競争的、暴力的ではないのだ。

 男性が、相も変わらず不倫を起こすのは「ただの馬鹿野郎」だけではない。社会的・倫理的にはアウトだが、進化の歴史的は子孫を多く残そうとする生物的な行動にすぎないと理解できる。(もちろん、まったくもって推奨しているわけではない)

 さて、ここまで読めた人は、進化心理学が嫌われる理由が分かったかもしれない。さらに次の話では、我々の人生にとって重大なイベントの一つである、結婚について見て行きたいと思う。

 

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結婚について

 

 進化心理学、進化生物学の二大発見とも言うべき、二つの驚くべき発見は、一夫多妻に関するものだろう。

 一つは、この1000年ほどの西洋文明の歴史からすれば、受け入れがたいだろうが、自然の状態では人間の婚姻形態は一夫一妻制ではなく一夫多妻であること。当然、アメリカも含めて全ての人間社会は程度の差はあれど一夫多妻である。

 二つ目は、これまた意外に思われるかもしれないが、一夫多妻は女性にとって都合がよく、男性にとって一夫一婦のほうがメリットがあることだ。

 それはなぜか?

 続きを説明しよう

 

一妻多夫は事実上存在しない

 

 世界中の伝統的な社会の大規模な調査によると、83.39%の伝統社会は一夫多妻で、一夫一婦は16.14%、一妻多夫制をとる少ない伝統社会のほぼすべてが、「フラタナル・ポリアンドリー」、すなわち兄弟で一人の妻を共有する形態をとっている

 兄弟関係にない男達が一人の妻を共有する婚姻形態は、人間社会には事実上存在しないといって良い。なぜ一妻多夫制は例外的なのか。

 少なくとも、女性が「建前上は」ただ一人の男性と配偶関係を結ぶ一夫一妻制では、寝取られ男の確率は推定で、アメリカでは13~20%、メキシコでは10~14%、ドイツで9~17%である。

 (これを少ないと感じるか多いと感じるかは別だが)

 一妻多夫では複数の男たちが一人の女性と正式に結婚している場合、どの男も、妻が産んだ子供のが自分の子供かどうか確信がもてない為、子どもにあまり投資をする気になれない。

 父親から支援を受けられなければ、子どもが生き延びて生殖年齢に達し、次世代に遺伝子を伝える可能性が低くなる。

 つまり、夫たちが兄弟関係にない「一妻多夫制」社会は、消滅のネタをはらんだ社会なのだ。

 仮に夫たちが兄弟であれば、妻の産んだ子供が少なからず誰かの血を継いでいる可能性が高いので、世話をする気になるだろう。

 これは、一夫多妻でも言えることで、妻たちが姉妹なら協力関係を結べるが、知らない女性なら軋轢が産まれてしまう事がある。

 

貞淑は必ずしも自然の姿ではない

 

 人間の社会には一妻多夫はほとんどないといっても、既婚女性が常に夫に貞節を尽くし、夫以外とは性的行為を行わないとは限らない。

 それどころか、進化の歴史を通じて、女性は常に浮気性だった(もちろんこれには、理由がある)。貞節が美徳であるとしても、それが人間の自然の本性とは限らないし、人々が常に貞節であるとも限らない。

 浮気性が道徳的に良いか悪いかは意見の分かれるところだが、(進化で形成されてきた自然な本性であるということは、道徳的な善悪の議論とはなんの関係もない)

 

なぜ女性が浮気性と言われるのか

 

 まず、現代でも多くの社会で、間抜な寝取られ男率はかなり高い。ということは、婚外の性的行為は、(ヒトを含む動物の)雌の繁殖戦略として進化してきたと考えて良い。

 第二に、雄の精巣の大きさは、雌の貞操度を測るかなりの正確な指標である。雌が浮気性であればあるほど、雄は相対的に大きな精巣をもつ。

 雌が短期的に多くの雄と交尾する動物では、複数の精子が卵子に達するために競争を繰り広げることになる。他の雄の精子を押しのける手っ取りばやい方法は、数で圧倒することだ。

 ゴリラの集団では、背中に銀色の毛をもつことからシルバーバックと呼ばれる成熟した雄ゴリラがハーレムを持って、雌の行動に目を光らせいるので交尾する確率は低い。その為ゴリラの精巣は小さく、一回の射精で出す精子数も少ない(5000万個)。

 それとは対照的に、雌がとんでもなく浮気性で、一頭の雄では決して満足しないチンパンジーの場合、雄の精巣は相対的に大きく、精子の量も(6億個)だ。

 人間はゴリラとチンパンジーの中間だが、どちらかと言えばゴリラに近い。人間の男性の精子は二億5000万だ。

 つまり、人間の女性は進化の歴史で、ゴリラの雌より浮気性だが、チンパンジーの雌より貞淑だったことが分かる。

 

一夫多妻は女性に、一夫一婦は男性にメリットがある

 

 男たちの間で資源格差があれば(人間社会では常にある)、大半の女性がたちは一夫多妻のほうが望ましい。一夫多妻なら、複数の女たちが裕福な男を共有できるからだ。

 一夫一婦では、貧しい男と結婚しなければならない。格差が十分に大きければ、裕福な男の資源の一部の方が、貧しい男の資源すべてより大きく、裕福な男を他の女性と共有するほうがお得だ。

 唯一の例外は、非常に魅力的な女性の場合である。彼女は、どんな状況下でも非常に裕福な男と結婚できる。一夫一妻なら、裕福な夫の富を独占できるが、一夫多妻なら、自分より魅力の劣る女性たちと夫の富を分かち合わなければならない。

 したがって、非常に魅力的な女性には、一夫一婦が望ましいが、他のほとんどの女性たちにとっては一夫多妻のほうがメリットがある。

 男にとっては、まさにその逆である。大半の男にとっては一夫一妻のほうがいい。どんな男も妻を一人確保できるからだ。

 確かに、もてる資源の少ない男は、繁殖価値の低い女性としか結婚できないだろう。この場合も、非常に裕福で権力がある男は例外である。

 彼らは一夫多妻なら多くの妻をもてるが、一夫一妻なら一人しか持てない。つまり、持てる男には一夫多妻のほうが都合がいいが、その他の大勢の男にとってはのほうが救いがあるという事だ。

 一夫多妻制では、それより望ましい女性はすべて、より望ましい男の妻になっているからだ。そう、大抵の男たちにとって、一夫多妻は決して望ましい制度ではないのである。

 

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ハンサムな男が夫に向かないのか

 

 美しい人たちは、遺伝子的にも、発達過程でも、より健康だった人たちだ。それならハンサムな男のほうが結婚相手にとして望ましいのではないか。

 より健康的な男は夫に向かないというのはおかしな話だ。

 進化心理学の分野をリードする二人の気鋭の学者、スティーブン・W・ガンゲスタッドとジェフリー・A・シンプソンが1つの答えを提案している。

 それによると、男は繁殖成功度を最大源に高めるためには二つの戦略の内一つを使うらしい。

 長期的な関係を結び、配偶相手のもとにとどまり、子どもに投資する(父親戦略)か、多くの相手と短期的な配偶関係を結び、その結果生まれた子供に投資しない(女たらし戦略)である。

 男は女性の選択肢に左右される。だれと性行為をするかは、女性が決めるのである。ハンサムな男は優良な遺伝子をもっているため、女性との短期的な関係は成立するが、魅力的な男性は女性と短期的な関係を多く結ぶので、産んだ子供に投資するような長期的な関係を維持できない。

 1つ言えるのは、実証的なデータから、ハンサムな男は婚外の性的行為をするので、結婚を大切にしない傾向がある。

 ハンサムな男は、恋人としては良いかもしれないが、夫には向かなのであるということだ。

 

終わりに

 

 まぁ、個人的にかなりブラックな話題だと思いますけど、これが進化心理学です。

 

 この他にも男女に関する様々な情報があります。続きが気になる方は、下記のAmazonリンクから「進化心理学から考えるホモサピエンス」をクリックして購入して見てください。それでは!!

 

 この文は「進化心理学から考えるホモサピエンス」から大部分を引用と参考にして制作されています

 

  

 

 

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