立ち読み本屋

毎週火曜日と木曜日に書評や雑記の記事を投稿するブログ

人はお金を見ただけでも「不誠実」で「利己的」になれる

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  ベニート・ムッソリーニほど、権力と信頼の刺激的な関係を上手く捉えた者は、殆どいまい。彼はこう述べている「人を信頼することは良いことだが、信頼しないのは遥かに良い事だ」

by デビット・デステノ


 

 

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道を開けろ

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 普段は考えもしないが、道を渡るという単純な行為にも信頼がいくらか必要になる。交差点に足を踏み入れると、往々にして車に轢かれる危険性に身をさらすことになるからだ。

 したがって、道を安全に渡り切りたいならば、近づく車がスピードを落とすことに信頼をおく必要がある。

 カリフォルニア大学バークレー校のポール・ピフ達の実験で、交通量の多いサンフランシスコの交差点に車が接近してくると、研究者がわざと渡り始めた。

 そして、ドライバーに気が付かれないように別の研究者が、車種、ドライバーの見た目と年齢と性別の記録も取る。

 予め車種によってドライバーの社会階層を分けておく。すると、最下層に分類された車種のドライバーは、一人残らず車を止めてくれた。

 しかし中間層では30%で、最上位(スポーツカー)では50%のドライバーが法律を無視してスピードを上げて行った。

(そもそも実験が行われた場所は、一時停止の標識が立っている場所だ)

 更にピフたちは、社会階級の高い人々は信頼度が低いのではないかと見当をつけ、多面的な実験を始めた。

 

社会階級が高いと信頼度は低い

 

 交渉術の調査という名目で実験が行われ、地位の高い・低い参加者に雇用者の役を演じてもらった。

 「雇用者」は、その仕事に関する様々な情報を前もって知らされたが、仕事を応募してきた人たちは2年以上の雇用期間がなければ、仕事に就くことはないと言っていた。しかし、その仕事は6か月で終わる仕事だった。

 雇用者は求職者に説明する為に台本を書いたが、社会階級が高い人ほど、その仕事が短期で終わることを隠す人が多かった。

 また、求職者に直接雇用期間を聞かれた場合、素直に答えるかと尋ねたところ、やはり社会階級が高い人ほど嘘をつくと回答した人が多かった。

 また別の実験では、コンピューター画面でギャンブルをしてもらった。それはサイコロを5回振るだけのゲームで、出た目が大きいほど多くの賞金が貰える。

 ところが、これでも社会階級が高い人ほど、出たサイコロの目を水増しし、多くの賞金を研究者から受け取ろうとした。

 実験の結果からは、どうやら社会階級が高い人は、わざと不誠実に振舞うと言うだけでなく、それをはっきり自覚して自分もそういう風に振舞う可能性を示唆した。

 

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権力は人を堕落させる

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 権力は人を堕落させるとい考えは、新しいものでもない。しかし、本当に階級や権力の影響を受けるのは、目下の相対的な差、つまり周囲と比べた時の自分の位置のようだ。

 例えば、年収所得が400万の人でも、ビル・ゲイツやウォーレン・バフェットの前では貧乏に見るかもしれない。

 ところが、年収が200万の人がホームレスの前では、この世の王のように感じられるかもしれない。

 自分の階級や権力への感じ方が固定しているように錯覚するのは、日常生活で接する人々が、日によって大きく変わることはあまりないからだ。

 しかし、実際には自分の位置づけをはじき出すプロセスはつねに動いている。

 

相手と比較しただけでも不誠実になる

 

 ポール・ピフらの実験では、幼い子供からキャンディーをくすねる行動を調べた。いや、厳密に言えば、実際にキャンディーをくすねるわけではない。

 実験で参加者に、いくつかの質問表を記入してもらった。財産や教育、職業的名声等々が書かれていた。

 そして参加者の相対的な社会的地位を操作して、中間層の参加者が富裕層を見た時には、普段より自分が小さく見えたが、別の参加者が最下層の情報を見た時には、自分は立派に思えたそうだ。

 ここでキャンディーが出てくる。研究者は質問表を回収したうえで、個包装のキャンディーボールが入ったボウルを預けた。

 「これは隣の部屋にいる子供たちにあげる物で、私が戻ってくるまで食べたければ一つ取ってもいい」と告げて一旦、部屋から退出する。

 これは、参加者にキャンディーを見張ってくれると信頼したのだ。少なくとも、参加者にはそのように受け取った。

 結果は、質問表で自分の権力が上だと感じた参加者、社会階級の低い人と比べた参加者は反対の層の人よりも、ボウルからかなりのキャンディーを持って行った

 同じ階級に属していても、自分が相手より上だと感じた人は、より利己的に動いた。

 

お金は全てを変える

 

 ハーバード・ビジネススクールの行動経済学者であるフランチェスカ・ジーノの研究では、人はお金がそばにあるだけで、人をダマす傾向が高まり、信頼度が低下するのはでないかと言う考えの元で行われた。

 

実験

 

 「言葉の流暢さに関する実験」とい名目で参加者を募り、用意された部屋にはアナグラムの問題用紙とお金が乗った机が置かれていた。

 最初に机に置かれたお金から、24ドルを一人づつ用意して、参加者には問題を正解するたびに3ドルもらえると教える。

 それから研究者は、部屋から退出して参加者だけを残す。

 20分後に部屋に戻ってくると、参加者達に自分で問題を採点し、机に乗っている24ドルから適切な額を持って退出するように伝えた。

 わかりやすい実験に見えるが、じつは、参加者のグループには大きな違い1つあった。

 一部のグループでは、部屋に入った時に見えた机のお金が7000ドルほど積んであった。これは参加者に24ドルずづ分けても有り余るほどだ。

 

結果

 

 結果は、お金が余分にあっただけでアナグラムの採点を誤魔化す人が大幅に増えた。研究者は答案用紙と点数表を比較して、参加者から報告された点数と実際の点数を照合した。

 お金が多いほど、自分の得点を誤魔化して、本来よりも多くのお金をもらえるようにした人が多かった。

 

富裕だからだけではない

 

 ミネソタ大学のカールソン経営大学院のキャスリーン・ヴォースは、一連の実験を通じて、お金が実際にあったり、お金のことを思い出させただけでも、人々が自己中心になり、仲間との社会的な交流より自己充足を重視することを示している。

 たとえば、お金があるという考えを実験参加者に強調すると、対人行動に劇的な違いが出ることにヴォ―スは気づいた。

 お金を目立たせると、人々は助けを求められても積極的に支援しなくなる。さらに自分が困難にぶつかった時に、他人の助けを求めるのをためらうようにもなった

 言い換えれば、お金があるというシグナルは、自力本願の気持ちを強めて、助けを求める他者や協力の意向を示す他者の拒絶に繋がるのだ。

 

ミダス王のようになっては行けない

 

 ギリシャ神話によれば、ミダスは黄金が好きな余り、神から望みをかなえてやろうと言われて、自分が触れたモノが黄金に変わるように頼んだ。

 結果、家族に触れることも抱くことも出来なくなってしまった。

 お金を思い出させるモノやお金への願望も、メカニズムは違っても同じような作用を及ぼす。

 私達の関心は社会的な意味での報酬、いつもそばにいてくれる家族や友人たちから逸れてしまう。

 お金が手に入ると、自分の帰りを待つ家族を無視したり、トランプ用のテーブルにお金が置かれていると、旧友をダマそうかと考えたりする。

 しかし、それは我々に道徳が欠けているからではない。人間の当たり前の心情だと心得るべきだ

 そして、この事実を知っていれば、お金の気配がするときに立ち止まって、自分の直感的な反応を考え直して覆すことも可能である。

 

終わりに

 どうですかね、実験のオンパレードでしたけど、人が権力やお金を持つと腐敗してしまうのは、果たして生まれ持った性格かそれともお金の力か。

 この他にもお金又は信頼に関する実験などがあります。続きを知りたい方は、下記のAmazonリンクから「信頼はなぜ裏切られるのか。無意識の科学が明かす真実」をクリックして購入してみてください。それでは!!

 

 この文は「信頼はなぜ裏切られるのか。無意識の科学が明かす真実」から大部分を引用と参考にして制作されています。

 

  

 

 

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