立ち読み本屋

毎週火曜日と木曜日に書評や雑記の記事を投稿するブログ

成功したリーダーは「思いやり」「誠実」「信頼」が無い!?

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 私が講義に招いたある「メディア企業の役員」は、講義に参加した学生達にこんな乱暴な助言をした「今日家に帰ったら、持っているリーダーシップ本は捨ててしまえ。もっといいのは、ライバルにそいつを贈呈することだ」

byジェフリー・フェファー


 

 

 

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熱心にリーダー研修は受けた人ほど危険である

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 リーダーシップ神話は「きっとあなたもなれる」というメッセージを発して聞き手を感動させ、鼓舞し、根拠のない確信を植え付けようとする

 そこには意外な落とし穴があることに注意しなければならない。

 社会心理学者のベノワ・モナンとデール・ミラーが「モラル・ライセンシング」という興味深い現象を発表した。

 これは、一回でも良い事をすると、それどころか良い事をしようと思っただけでも、「自分は良い事をしたのだから、次はちょっとぐらい悪い事をしてもいいだろう」と言う気持ちになる事を指す。

 いわば倫理的正当化やメンタル・アカントの帳尻合わせをするわけだ。いったん倫理的に立派な人物であるとを示せば、その後は改めてそれを立証する必要はあるまいというわけで、倫理規範の縛りを逃れて本音を出してしまうのである。

 こうした心理的傾向は、多くの実証研究で裏付けられている。

 例えば、最初の機会に自分が差別をしない公平な人間であることを示した人は、次の機会には差別的な意見を表明しがちだという

 またある実験では、被験者を二つのグループに分け、一方には自分の長所を書き出し、他方には短所を書き出してもらった。

 その後ある慈善団体への寄付を募ったところ、前者の寄付は後者の1/5だった。

 モラル・ライセンシングの行為い関する、多くの研究を総括したある論文では「過去の善行は、倫理に悖る行為や不動徳な行動をしてもよいという気持ちにさせる。

 もし善行をしていなければ、世間に非難され人格を疑われることを恐れて、そのような行動を慎んだはずだ」と指摘されている。

 

 リーダーシップ教育産業の間違い

 

 モラル・ライセンシングがリーダーシップ教育産業にとって意味するものは明白である。たくさんの講演を聴き、研修を受けるうちに、自分のリーダーシップを褒められるなどして、成果が上がったと感じるだろう。

 そして自分は多くを学んだ、よきリーダーに近づいたと信じ込むと、その後のリーダーとしての自分の振る舞いに十分な注意を払わなくてはならない。

 逆の道を進む可能性が十分にあるからだ。

 自分が優れたリーダーだと感じていること自体が言行不一致を招くことを示している。

 となれば、カリスマ経営者と評判が高くリーダーシップについての講演やの多い人物ほど、言葉と行動が一致しないのも驚くに当たるまい。

 彼らはもはや 評判を気にして慎重に振るまう必要を感じていないのである。(有名経営者の会社の離職率を見れば一目両全だろう)

 そして崇拝され、聖人に祭り上げられたリーダーには、別の問題もある。自分のリーダーシップ能力に自信過剰になり、自分が口にしたことを、自分はすでに実行したと思い込むことだ。

 これとよく似た現象に、ロバート・サットンとの共同研究で取り上げられた「ミッション・ステートメント」問題がある。

(ミッション・ステートメントとは、会社の社訓や経営理念などを指す)

 多くの企業を調査したところ、ミッション・ステートメントを決定し、オフィスの壁に貼り出したり、カードに印刷して配ったりすると、もうそれが実行されているように思いこんでしまうことが判明した

 もちろんそんなはずはない。何かを言うことを、それを実行することは別物である。リーダーシップ教育産業で著名な講師やコンサルタントたちも同じ錯覚に落ちっている。

 リーダーシップにを研究し、講演し、指導しているうちに、自分が話していることをやったつもりになっている。

 

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大抵のリーダーは嘘をつく

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 真実の追求が大前提とされる学問の世界でさえ、嘘は珍しくない。ほんの一例を挙げるなら、リーダーシップ研究を専門とするフロリダ国際大学のフレッド・ワランブワ教授の五本の論文は、学問上の不正が疑われているリーダーシップ・クォーター誌が撤回した。

 うち二本がオーセンティック・リーダーシップ研究、一本がリーダーの倫理に関する論文だとかいうから、笑えない。

 リーダーがたびたび嘘をつくのは滅多に罰せられないからである。なるほど、学歴などの経歴詐称でクビになったCEOやサッカーの監督はいる。

 だが多くの場合、とりわけ文句のつけようがない実績を挙げていたり、人々が信じたがっているような嘘だったりすれば、リーダーの地位が危うくなるような事態には、めったにない。

 アップルのあの卓越したリーダー、スティーブ・ジョブズにしても例外ではない。彼のはCEOに復帰したとたんにアップルを地上で最も価値のある企業に変えて見せたが、そのジョブズについて「現実歪曲空間」という言葉があるのをご存じだろうか。

 この言葉は、ジョブズがそのカリスマ的な魅力と説得力を発揮して、アップルやその製品に関して彼流の「真実」を作り上げたことを意味している。

 ちなみにジョブズの死後、大統領がジョブズの評議員に任命する際に行われた身元調査では、「ジョブズ氏は目的を達成するために現実や真実を曲げる傾向があるとして、同氏の正直さに疑問を持つ者がいたという。

 (もっともそのことは障害とならず、彼は無事に評議員に任命されている)

 

 

嘘をついて損をする事をは滅多にない

 

 嘘はなぜ役に立つのか、どのような効果があるのか。第一に、嘘には人間関係を円滑にし、気まずい場面を乗り切る効果がある。少なくとも巧みな嘘は、その目的を十分に果たせるようである。

 第二に、多くの人は、自分の嘘はよき意図からだと考えている。しかもある興味深い調査によると、大方の人は他人の嘘を手酷く非難する一方で、自分の嘘には寛大だという。

 人事コンサルティングのタンレント・ストラテジー・グループは、2014年初めに200社以上を対象にして人材マネジメントについて調査を行った。

 その結果「企業の73%が、昇進の可能性について社員に嘘をつくのは正しい選択だと考えていることが判明した」と社長のマーク・エフロンは話す

 本当の事を話せば社員はやる気をなくすだろうし、転職に活路を求める社員が増えるだろう。

 だから、会社側は優秀な社員を留める為に、昇進・昇格の可能性を意図的に脚色するというのである。

 そうすれば、少なくとも社員との関係を良好に維持できるはずだ。なぜなら、大方の人は自分の事を平均以上だと信じているし、だいたいにおいて自分に都合のよい希望的観測をするからだ。

 第三に、人間は嘘をついて他人をダマすと、感情が昂ぶり、高揚感を味わうという効果がある。

 専門家はこの現象をランナーズ・ハイならぬ「チーターズ・ハイ」と呼ぶ。一連の実験の結果、嘘をついた人が高揚感や幸福感を覚えるのは、「多くの人は、嘘をつけば嫌な気持ちになると想像するが、実際にはそうではない。嘘をまんまとつき通すことで得られる快感に浸る」のだという。

 

信頼を踏みにじっても、リーダーは罰されない

 

 リーダーが信頼を勝ち得ることができれば、それに越したことはない。だが現実問題といて、信頼されてなくてもやっていける。しかも、信頼を裏切ったとしてもさしたる報いを受けることはない

 裏切った側が富と権力を手にするのでは、制裁どころの話ではない。たいていの人には、他人の栄光をおこぼれに与りたいとか、地位の高い人と仲良くして自分も引き上げてもらいたいという下心がある。

 信頼を踏みにじったリーダーが滅多に制裁を受けないものなぜだろうか。ロデリック・クラマーによれば、理由が沢山あるそうだ。

 一つは、人間が生き残る必要上、他人を信じるように出来ていることだ。だから、信頼を裏切ったリーダーを目の当たりにしても、これは一度限りの事だと考えて大見る。

 あるいは、少なくとも自分は騙されないと考える。なぜかって?自分には見抜く能力が平均以上に備わっていると信じているからだ。

 そのうえ、多くの人は「公平世界仮説」にとらわれている。これが嵩じると、「世界は公平に出来ているから、酷い目に遭う人はそれなりの原因があるのだ」とか、夜道で襲われた人を見ると「そもそも夜道を歩くの悪い」というように被害者を非難するのだ。

 

信頼しすぎると損をする

 

 人を信用するには過去に注目するべきだ。その人の将来の行動を最もよく表しているのは、過去の行動である。

 契約違反を犯した人、知的財産を侵害した人、パートナーを訴えたり会社から追放したりした人、約束を破った人、あっさり転職したことのある人は、またやる可能性が高い。

 裏切られた人たちを間抜けだと非難すべきではない。もちろん、自分は賢いから、経験豊富だから、地位が高いから、絶対にだまされないなどと考えてはいけない。

 もしそんなふに考えているなら、ますます相手の過去の行動に注意することだ。

 相手の現在の成功や地位や富にも、喧伝されるサクセス・ストーリーにも惑わされていはいけない

 自分の未来にとって重要な意味をもつ事柄で誰かを信用する場合には、慎重かつ組織的にその人の経歴を調査することである。

 

なぜ上司は部下を思いやってくれないのか

 

 社会心理学のある研究によると、人間は似た人を助ける傾向がある。この「似ている」というのは全く重要でない些細なことや偶然の一致で構わない。

 例えば、誕生日が同じだとか、手相が似ているとか、イニシャルが同じというのでもよい。それだけで、依頼を快く受けてくれたり、面接に応じたりする。

 このことは、リーダーの信頼と深い関係がある。多くの組織では、リーダーと部下の間で共有するものが極めて少ない。あるいは全然ない

 昨今のCEOを含めエグゼクティブを外部から登用する例が増えている。経営陣や部長が変わった時に、上司と貴方に共有できるモノがなければ大切にはされないだろう。

 場合によっては、CEOを他業種から引き抜いてくることもある。この場合にはまったくの「異邦人」であり、社員とは歴史も経験も共有できないし、そもそも自分を指名した取締役会の以外は顔も知らないだろう

 このように、社員と共有するものがほとんどなく、日常的に接触もないリーダーが、社員を第一に、考えるだろうか。心理学の理論でも実証研究でも、答えはノーだ。

 

自分の身は自分で守る

 

 自分は大いに会社に貢献した、だから会社は自分に感謝してしかるべきだと思う人は、考えを改めた方がよい

 企業が、いや企業だけでなく政府機関も非営利組織も、生き残りと将来の繁栄が懸かっているからだ。つまり組織は自分の身を守り自己の利益を追求している。

 価値や利益が上がらなければ簡単に切り捨てるのは、もはや当たり前の事である。それはスポーツ選手でも例外ではない。

 ある大手出版社から編集長が、過去に何百万ドルの儲けを会社にもたらしたにもかかわらず予告なくクビになるのは、こうした理由からである。

 

終わりに

 私達がリーダー像に求めるモノは実際には幻想であることや、そもそも理想のリーダーなどいなくても上手くやっていけることが分かりました。もちろん「思いやり」「誠実」「信頼」を持つのは素晴らしいことです。しかし、それに固執しなくても成功はできます。

 試しに偉人の成功までの道のりを調べてみるといいでしょう。きっと驚くはずです。

 

この他にも、実際の企業について事例を交えた紹介や有名人を使ったリーダーのギャップについて紹介しています。

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 この文は「悪いヤツほど出世する」から大部分を引用と参考にして制作されています。

 

   

 

 

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