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「感想/書評」【Think CIVILITY 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である】無礼は損しかない

 

 

 

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著者・書籍情報

 

 著者:クリスティーン・ポラス

 ジョージタウン大学マクドノー・スクール・オブ・ビジネス准教授。

 活気のある職場を作ることを目的として、Google、ピクサー、国際連合、世界銀行、国際通貨基金などで、講演やコンサルティング活動を行う。

 

 書籍:【Think CIVILITY 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である】

 発売日2019/7/11

 自身が調査したデータや各種実験を取り上げて、無礼な人がいかに会社や周囲の人達を巻き込んでいるのかを話しいてる。

 

 

どんな人にお勧めか?

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 「最近上司に酷いことを言われた」

 「ついつい他の人に横柄な態度をとってしまう」

 と考える人にオススメだ。

 自分の礼節がどのくらいあるかも、本書の中でチェックシートがあるのでやってみるといいかもしれない。

 

無礼な人が得することはない

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 いきなり結論的な話をするが、無礼な人は損しかしない。

 この書籍のタイトルに「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略と書いてあるが、その裏返しで、「無礼さ」は最悪の自滅的選択である。

 例えば、職場の「ストレスはハーバード公衆衛生大学院」がある女性集団を10年間追跡したところ、2012年に喫煙や肥満に匹敵するくらい体に害悪だと述べている。

 職場でのストレスとは主に、上司によって仕事を過小評価されたり、公然と大声で酷いことを永遠と吐き続けられたり、相手が嫌な気分になるような発言を平然と言ったりと多岐にわたる。

 それらに共通するのは、自分の精神に大きなダメージを与えるモノである。

 そういったことが原因で、会社を早々に辞めてしまったり鬱病になってしまう人が出てくる。

 これが、喫煙や肥満に匹敵するかそれ以上の害悪であることは疑いようがない。

 

無礼で起こるデメリット

 

 例えば、あるクレジット会社の社員に扮した実験者を、二つのグループに分けた被験者の元へと送った。

 片方のグループでは、クレジットカードを紹介する間に小さなミスをして、それを同僚が酷く責めたグループ。

 もう片方のグループは、小さなミスをするけど責めたりしないグループ。

 社員の話が終わった後に、どのくらい紹介されたクレジットカード会社を利用したいか?と聞かれたところ、前者のグループでは僅か20%で後者のグループでは80%にも上った。

 ここから分かるのは、無礼な態度を目撃しただけでも人の持つ印象は大きく変わってしまう。

 他にも、無礼な態度を目撃した人はアナグラムテストの成績が20%も低下し、その後のブレインストーミングでも創造性が30%も低下した。

 さらに、文字などで無礼な言葉を見た人はそうでない人よりも、5倍ほど認知能力が低下していた。

 また、複数の無礼な人間の存在はアメリカ経済で言えば、約5000億ドルほど会社に損失をだしている計算になる。

 普通にやべぇって話ですよね。

 

礼節正しさのメリット

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 礼儀だの礼節だのと言う言葉を聞くと、偉い人にへりくだった話し方をしなければいけないように思う人もいるかもない。

 ところが、何か特定の作法と言うよりも、考え方が全般なのでその辺は心配しなくてもいい。

 メリットについてだが、主に三つあり「仕事を得やすい、人脈がある、出世しやすい」だ。

 著者が会社員1万人を調査した結果、仕事を得やすいは、公平で協力的な人間だったようだ。

 仕事を得やすいは、つまるところ「ただ能力が高いだけの人」よりも「能力はそこそこだけど、思いやりや協調性がある人」の方が良いよねって話だ。

 「仕事を得やすい」と言うよりも「仕事を頼みやすい」と言い換えればいいだろう。

 皆さんも、「横柄な態度だけど能力が高い人」と「能力は平均だが、協力的で他人に優しい人」のどちらに仕事を頼みたいだろうか?

 もちろん、より専門的な職業であれば能力の高さは性格より優先されることもあるが、そうでない時にはどうだろうか。

 次は、人脈があるだ。

 これも特別説明する必要はない。

 失礼な奴と一緒に仕事をしたいと考える人は少数のはずだ。落ち着いていて、相手に対してちゃんと礼儀をわきまえる人間の方がいいだろう。

 相手がスティーブ・ジョブズでもなければ、人脈で性格より能力を優先決するのは難がある。

 最後に仕事を得やすいだ。

 社員7万5000人+世界の社員2万人の調査で明らかになったのは、リーダーとしてふさわしい人は「協力的かつ他人に親切で、公平に評価する人」だったそうだ。

 簡単な話、上記のような特徴を持っていれば自ずと三つのメリットがついてくるという事だ。

 口では「能力が良い…うんぬんかんぬん」と言っているが、実際は礼節のある人に私達はなびく。

 

相手の感情を見極める方法

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 今の現代人に礼節が欠けてきているのは、なにも本人ばかりのせいではない。

 例えば、今は家で仕事をすることは可能だし、さらに言えば極力人と会わなくても金は稼げる。

 すると、人とのコミュニケーションが減っていき相手の表情から感情を読み取る力が衰えてしまう。

 いわゆる、共感能力の低下だ。

 それを防ぐには、もっとも簡単なもので映画を見る、小説を読む、人と運動や軽いカードゲームなどで遊ぶと言った方法がある。

 さらに、カルフォルニア大学サンフランシスコ校名誉教授のポール・エクマンは、相手の感情を読みたいなら表情を観察したほうがいいと言っている。

 映画好きな人なら、漠然と映画を見るのではなく人物の感情や表情に注意して見るようにすればいい。

 本好きなら、小説を読んでキャラクターの感情を読み取る練習をすればいい。

 ゲーム好きなら、オンラインではなくオフラインで友達や家族とカードゲームや人生ゲームなどで体験を共有してみていかがだろうか?

 そうする事で、再び共感力も上がるだろう。

 

本を読んだ感想

 

 本書を読んで最初に思ったのは、意外にも事前にちゃんと調査をした上で本の執筆をしていることに驚いたという事だ。てっきり、著者の主観がダラダラとした内容かと思ったが違ったようだ。

 まぁ本の後半になると少し怪しくなるが、前半に関しては見ていて面白く、また礼儀というものが堅苦しいものだと感じてた気持ちをいくらか晴らしてくれた。

 現代はむしろ礼儀に気を使わない人が多い印象があるので、逆に礼節を持つ人間が重宝されるのではないだろうか。

 そしてこの本が2019年に出たのは、果たして単に偶然なのだろうか。

 

終わりに

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「感想/書評」【美人の正体 外見的魅力をめぐる心理学】美しさと優秀さは比例するのか

 

 

 

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書籍・著者情報

 

 著者:越智啓太(おち けいた)

 法政大学文学部心理学教授

 横浜市生まれで、学習院大学大学院人文科学研究科心理学専攻修了。警察庁科学捜査研究所研究員などを経て臨床心理士になる。

 その他の著書に、「犯罪捜査の心理学」「つくられる偽りの記憶」「法律と心理学の時点」など多数存在する。

 

 書籍:【美人の正体 外見的魅力をめぐる心理学】

 発売日2013/9/10

 主に各国のデータや研究等を挙げて、美人またはハンサムといった外見的な魅力度が高い人達は、幸福度やIQなども同様に高いのかを考察している。

 

 

どんな人とにお勧めか?

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 「たまに言われる美人は頭が悪いは本当なのか?」

 「外的魅力が高くても、状況によって有利不利が変わるか?」

 と考える人にはオススメとなっている。

 本書の中では美人、つまり外見的な魅力が高い人は周りかどのように見られているのかを、研究とグラフやデータ付きで解説してくれる。

 

モテる性格はあるのか?

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 結論から言えばNoである。

 1966年にミネソタ大学で行われた男女のデートについての実験を参考にすると、性格が内気だとか男らしさとか、または社会的な繋がりを持っているといった要素は異性に対するモテ度にはほとんど関係が無かった。

 では、一番モテ度に貢献したのはなんだろうか?

 そう外見的な魅力だった。

 相関で言えば、男性はr=0.36で女性はr=0.44と統計的に有意な数値であった。

 データから分かるのは、一般的に「私(俺)は相手の顔より性格が重要だと思っているから」と言っている人が、どやら違うようだ。

 もちろん、100%みんながみんな顔だけで判断しているというわけではないだろうが、大よその人は相手の外的魅力で交際相手を見つけている可能性がある。

 

美人・イケメンは頭が良いのか?

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 この疑問を解くには、2011年のロンドン大学の金沢による研究を参考に出来る。

 アメリカ人1万7000人とイギリス人2万人を調査した結果、外見的魅力と知能に正の相関があった事が分かった。

 また、外見的な魅力が高い人は運動能力や音楽的な才能も高いという研究もあり、総じて美人は頭及び能力全般に優れている。

 さらに、クリフォードとウォルスターの1973年の実験では、小学5年生担当の教師に協力してもらい、生徒についての顔写真付きの資料を読んで生徒の特性を判断すという課題を行ってもらった。

 結果は外見的な魅力が高い子どもは、教師から知能指数、社会的な潜在能力などが高い人物だと判断された。

 中々衝撃的な結果だが、私達も普段何気なくと美男子や美女を見ると「頭が良さそうだな」とか「運動とか得意そう」と勝手に考えているのではないのか?

 もちろん、「魅力が低い人が馬鹿だ」と言っているのでない。

 魅力が高くなくても、世界で活躍している人はいるし、その点で現代は顔を晒さなくても稼げる仕事が多いとも言える。

 

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なぜ、アニメのキャラは魅力的なのか?

 

 本書を読んでいて、多分一番気になった章だ。

 言うまでもなく、昨今のアニメは美人でスタイルも良いし、身体的魅力が高いキャラクターが多い。

 では、なぜそのようなキャラクターが依然と作られ続けているのか。

 それについては色々と研究を使って解説しているが、その中から一つ挙げるなら「幼型化」だ。

 幼型化とは、通常人間は生まれてから成人になる段階で顔の下半分が大きくなる。しかし、これとは逆に顔の上半分が大きくなり下が小さくなるのが「幼型化」の特徴だ。

 アニメでも、顔の下半分がやたら小さくて鼻が殆ど見えず、逆に目の大きさが非現実的なくらいに大きくなっているキャラクターをご存じないだろうか?

 もっと実験的な話をするならば、2009年にイタリアで行われたスフォルツァらの実験がある。

 18歳から30歳の24人の魅力的な女性(美人)の顔面に50個の測定点を設置し、その間の距離などを測った。

 結果、額や顔の上部機構が大きいこと、下あごが小さいこと、顔全体が円形であることが、口ブルが大きいなが検出され、これらの特徴を多くも幼型化を示していた。

 

マッチョはモテるか?

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 マッチョはモテるか?の疑問を検討したのは、2009年にゲゲンが行った実験だ。

 マッチョの代表例として消防士を挙げて、その恰好をさせた人を街中やバーに向かわせて、すれ違う女性に笑顔を見せてどの程度笑顔で返してくれるのかを観察した。

 実験の結果は、街中でもバーでも消防士の格好をしている男性の方が笑顔を返されることが分かった。

 逆に2005年に行われたフレデリックらのグループは、女性読者の多い雑誌の表紙を飾る男性は筋肉量が多いのかどうかを調査した。

 結果は、雑誌ごとの平均筋肉量は男性雑誌が高く、女性雑誌は最も筋肉量が低く、そこから女性はそこまでマッチョを求めていないのではないかと述べた。

 確かに漫画でもアニメでも、余りにゴリゴリのキャラは多くないですし、割と細マッチョぐらいの人物が多い気がする。

 アイドルもボディビルのような人はあまり見かけない事からも、絶対的に筋肉がモテに左右するものではないようにも思える。

 この他にもマッチョがどんなタイミングで有利になるのかなどを書いてあるから、是非本書を手に取って続きを読んでもらいたい。

 

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本を読んだ感想

 

 私が好きな著者の一人で、色々な海外の実験を挙げると共にグラフや図を多数すかって目に見える形で表しているのは好感が持てる。

 さらに、各章の終わりには用語についての解説や相関係数と言った見た人が分からないものを解説しているので、それが理解出来てからもう一度グラフを見るとさらに理解が進む。

 著者の別の本で、男女の告白とか恋愛のタイプと言ったところで、研究を結果を交えて述べている回があるが、そちらもオススメとなっている。

 

終わりに

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「感想/書評」【ルシファーエフェクト ふつうの人が悪魔に変わるとき】彼らは、なぜ余りにも普通なのか

 

 

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著者・書籍情報

 

 著者:フィリップ・ジンバルドー

 スタンフォード大学心理学者名誉教授。エール大学、ニューヨーク大学、コロンビア大学でも教鞭をとる。

 米国心理学学会会長、スタンフォード対テロリズム総合政策教育研究センター所長を歴任。

 他の著書に【シャイネス】や「迷いの晴れる時間術】などがある

 

 書籍:【ルシファーエフェクト ふつうの人が悪魔に変わるとき】

 スタンフォード大学で行われた歴史上稀に見る、人間の残虐性と環境がいかようにして凡庸な人を、次世代の独裁者に仕立て上げてしまうのかを克明に記している。

 

どんな人にお勧めか?

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 「虐待や人を平気で殺せる奴は、元からサディストだったんだ!」

 「悪さをするのは、ごく一部の限られた異常者だけだ」

 と考える人にお勧めとなっている。

 本書の中には、少々キツイ表現もあるかもしれないが、どうしたら人を物のように扱うような人間が現れるのかを知ることが出来る。

 

性格は状況で変わる

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 海外や日本でも、人が犯罪を犯すとその人間の生まれ持った性格や遺伝子を問題視する声が多い。いわゆる個人主義だ。

 しかし、人間という者は生まれ持った性格だけでなく、その「場」の状況によっても簡単に性格を変えられるのだ。

 例えば、代表的なのはインターネットだろう。

 匿名で好きな事を相手に伝えたり書き込めるSNSなどは、自分の名前を明かす事無く意志を伝える事を可能にした。

 日本では特にTwitterが人気で、いたるところでオンラインの会話が行われている。

 しかし、匿名という仮面は、その人の個性を没個性化させる。

 人は没個性状態になると、容易く反社会的で利己的な行動を取りやすくなる。犯罪と言わないまでも、他人に侮辱的な言葉を使ったり、差別的な発言をを平気で言い合うようになる。

 では、没個性化した人は普段から素行が悪く社会に害を及ぼす存在なのか?

 答えはNOだ。

 つまり、普段は礼儀正しく振舞って適切な友人関係を構築しているはずの人でも、インターネットと言う没個性の温床へ足を踏み入れたが為に、他者に対して暴言を平気で吐けるようになる。

 親だろう親友だろうと関係はない。

 よく炎上に関わる人たちを、暇人の集まりと揶揄する人がいるが、ところがどっこいその張本人が貴方の隣に座っている親しい友人かもしれない。

 

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スタンフォード大学で行われた伝説の実験

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 本書の著者であるフィリップ・ジンバルドーは、自身の研究の一環として行ったスタンフォード大学監獄実験を内容として載せいている。

 内容に関する具体的な話は省くが、集められた大学は監守役と囚人役にランダムで振り分けられて実験がスタートする。

 最初は両者とも、気軽な気分で実験が進んでいくが、一日を過ぎたあたりで看守の態度や囚人の態度に急変化が訪れる。

 実験は14日間を予定していたが、わずか6日で終了した。

 これは、看守役の生徒による虐待や囚人の精神不安が限界に達し、さらにジンバルドー自身も実験に飲み込まれてしまったことからの判断だった。

  この実験で発生した出来事は、事前に心理学者達が学生に性格分析を行い異常が無いことを確かめたはずなのに、看守役の生徒が暴走して性的な罰を与えたりするようになった。

 ここからジンバルドーは、「状況の力」の存在を見つけ出すことに成功する。

 そしてそれは、かつてナチスドイツの善良な人々が、平然とユダヤ人を惨たらしい拷問の末に殺せるようになったのかを考えるのに役立った。

 

「普通の人」から「虐殺者」になる

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 大抵、ナチスドイツを筆頭にベトナム戦争のアメリカ軍兵士による現地住民の虐殺、ルワンダのフツ族によるツチ族の大虐殺に至るまで、まるで他人事のように私達は見ている。

 「そう言う頭のおかしい奴らがいたんだんなぁ」と対岸の火事の如く静観してだけだ。

 ところが、スタンフォードの監獄実験を通して見ると、虐殺をした人々は恐ろしく普通の人だ。

 ナチス親衛隊員の精神分析でも、どこにも異常がなくむしろ素晴らしい性格の持ち主であることが分かった。

 ではなぜ彼らはそのような残虐極まりない行動を取ったのだろうか?

 これは一つに、人は信念と行動に認知的不協和が訪れると、辻褄を合わせる為に理由付けすることが原因と考えられる

 例えば、本来は虐待をしてはいけないが、組織から「拷問をしろ!」と圧力を掛けられた場合どうなるだろうか?

 自分の中では、「拷問」は酷く非難されるべきものだが、逆らう事が出来ない状況になると理由を付け始める。

 例えば「こいつは人間じゃない、だから拷問しても問題ない」とか「上からの命令に従っただけだ」と考えて不和を合わせようとする。

 結果として、虐殺に手を染めている間の自分の精神を保たせているのだ。

 

自己奉仕バイアスに取りつかれている

 

 今の話を聞いても残念ながら大抵の人は、「自分はそうならない」と考えているに違いない。

 あるいは「俺だったら、反抗する」と考える人もいるだろう。

 しかし、実際には私達は集団の圧力によって心をがんじがらめにされてしまう。

 例えば、ある属性の集団に所属していたとして、その集団が貴方に「アイツをいじめろ」と言ったとしよう。

 大抵は「嫌だ」と答えるのが適切だが、本当に言えるか?

 みんなが言っている事に対して自分だけ頑固としてNoと発言できるか?

 多分無理だろう。

 これは集団が持つ圧力と自分の内側にある自己圧力によって板挟みによるものだ。

 駄目だと分かっているが、仲間外れにされたくない。その為には、やるしかない。

 集団に同調して、認知的不和をなくすために責任を集団に帰属する。

 何かあっても「私は命令されただけだ」と言って責任逃れをしようとする。

 そして、自分もいじめに加担してしまうのだ。

 

見てみぬふりをする集団

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 さらに本書の中では、人が虐殺やイジメの被害にあっていることを黙って静観しているだけの人たちについても話している。

 アメリカで起こった痛まし事件を背景に、なぜ人は困っている人を無視してしまうのかを環境の要因が原因の一つとして挙げている。

 例えば「傍観者効果」、これはある事柄に対して自分以外の人が複数人いる場合に、助けたりすることが出来なくなってしまう効果の事を指す。

 多分、身に覚えがある人は沢山いるはずだ。

 街中で困っている人が居ても、「誰かが助けるだろう」と思って通り過ぎてしまう。または、「私には関係ない」と考えるかもしれない。

 しかし、その困っている人と貴方が道で二人だけしかいなかったら、無視して通り過ぎることが出来るだろうか?

 大方の人は足を止めて、「どうしましか?」とぐらいは声を掛ける可能性が高い

 でもそれが、大衆の中の一人になってしまうと、途端に無視を決め込んでしまう。

 過去に行われた大量虐殺の中にも、駄目だと分かっていながら虐殺を止めさせることをせずに、ただ見ているだけの人間は沢山いた。

 これはある意味「集団」が一つの没個性の場として機能している事が分かる例だと考えられる。

 普段は気弱なのに集団の中にいると、挑発的になったりする人を見かけたら正にこの環境の力働いていると考えるのも重要だ。

 

本を読んだ感想

 

 本書の多くは著者自身が行ったスタンフォード大学監獄実験をメインに話を進めている。

 実験の内容を詳細に記してあり、そこに登場する人たちの人格変化や個々の持つ隠れた性格がたった6日程度で明らかになり始める。

 あまりにも内容が濃いので、6日間の話が倍に感じる程に目まぐるしく実験が変化を遂げる。

 さらに後半では、実験から得られた考えを元に世界で行われた虐殺を取り上げて、そこで起こったであろう環境や人の変化を考察する。

 最後では、その解決方法も考察すると共に、アメリカではフィリップ・ジンバルドーの実験を元に刑務所の改善を行ったことや各国の英雄を、その英雄たるゆえんを定義しようとする話を展開している。

 この本自体は辞書よりも大きいが、辞書ほど重くはない。

 文字も大きく見やすいので、小っちゃい文字がびっしりと書き込まれている訳ではない。

 もし、人がどのようにして変わっていってしまうのかを明確に知りたいのなら、この本はその答えの一部を見せてくれるだろう。

 

終わりに

 

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「感想/書評」【幸せになる勇気――自己啓発の源流「アドラー」の教えII】他者と生きる為に必要なこと

 

 

 

 

著者・書籍情報

 

著者:岸見一郎(きしみ・いちろう)

 哲学者。1956年京都生まれ、京都在住。高校生の頃から哲学を志し、大学進学後は先生の自宅にたびたび押しかけて議論をふっかける。

 京都大学大学院文化研究科博士課程満期退学。専門の哲学と並行して、1989年からアドラー心理学を研究。

 他の著書として【嫌われる勇気】がある

 

 書籍:【幸せになる勇気――自己啓発の源流「アドラー」の教えII】

 発売日2016/2/25

 あの「嫌われる勇気」で世界に新たな風を巻き起こしたアドラー心理学が再び舞い戻ってきた。

 今度はより実践的に話を展開し、教育の現場から対人関係まで話が広がる。

 

 

どんな人にお勧めか?

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 「対人関係で不安を抱えている」

 「子どもにはちゃんと成長して欲しい」

 と考える人にはオススメとなっている。

 アドラー心理学における人との関わり方は、少々読者の考えを肯定するような凡庸な言葉で話してはくれないだろうが、一見の価値は確かにある。

 

尊敬が無いのになぜ従うと思う

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 教育でも家族関係でもそうだが、他者に対して尊敬というものがない。

 教師であれば子どもを独裁者の如く威圧的に扱い、両親になれば自分の理想を照らし合わせて引き算ばかりを好む。

 こんな環境で生活していたは、子どもが先生や親に尊敬を持つことはありえないし正しく育つかも怪しい。

 「嫌われる勇気」でも話されていたが、自分から与えられないのに他人から与えられると考えるのは傲慢だ。

 アドラー心理学における尊敬とは、「他者」に迎合・依存する従来の尊敬ではなく、「その一個人をありのまま受け入れる」ことを尊敬と言うのだ。

 つまり、相手が乱暴であろうとも卑屈な人間であろうとも、それを含めて尊敬する。

 「そんなのは尊敬じゃない!」と考える人もいるでしょうが、しかしおよそ大半の人間は聖人君主にはなれない不完全体である。

 個人が持つ様々な欠点に目をつぶって、いい所だけを抽出した尊敬を持ってしまうとどうなるだろう?

 その欠点が露わになった瞬間に、その人物を激しく攻撃するのだ。

 よくアイドルのファンが、逆にアンチになってしまうケースがあるが、正に狭い尊敬の例に使えるだろう。

 本書では、他者はあなたの為に生きているわけではないし、あなたは他者の為に生きているわけではない事を再三教えてくれる。

 自分の理想を他者に投影するのもおこがましいし、他人に自分の考えを押し付けるのもおこがましい。

 

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交友関係は対等でなければならない

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 教師によくあるパターンかもしれないが、例えば子どもが教室で漫画やスマホをいじっていたとしたら多分怒られるだろう。

 怒りという安直なコミュニケーションで、子どもたちを屈服させて従わせようと考えるに違いない。

 そして、そんなやり方に効果があると思えない。

 「でも他の教師もしょっちゅう怒ってるよ」と考えただろう。

 そもそも、考えてみて欲しい。四六時中怒っているなら、それは子どもたちに効果が無いことの表れだと。

 本当に子どもが大人しく従っているなら、何度も怒る必要はないはずだ。

 しかし、現実は全くの逆を行っている。

 まぁ、それもそのはずである。

 教師は子どもに尊敬を持たず、交友関係を育むことはない。

 交友関係を作る事に不安を覚える人が多いのだろう。

 そんな事をしたら「舐められる」と。

 アドラー心理学における交友関係とは、心の上での対等である。

 別にお友達になって一緒にゲームをする必要はない。

 一人の子どもに対して、上から浅い人生経験を雄弁に語るのでなく同じ目線になって相手の考えに自分も思考を巡らせる。

 それこそ、相手に興味を持っても接してやるのがいいだろう。

 例えば、好きなアニメ・ゲームについて話したりしてもいい。

 重要なのは、教師と言う者があたかも教室の独裁者であり、子どもはそれに抵抗するレジスタンスであるという関係を崩さなければいけないのだ。

 

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人と話せば結局は同じ内容になる

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 本書の中でも特に好きな話があり、それは「悪いあの人」「可哀そうなわたし」を話していることろだ。

 つまるところ人は、どんな話をしていていも結局「○○が悪い」「○○で私は被害を受けた」といった「悪いあの人」「可哀そうなわたし」にしかならない。

 確かにそうだ、疑う余地はない。私自身も実感があるのだからな。

 そう言う話は聞き流すのが一番であると本の中で語られている。

 それはなぜか?

 例え、その話を聞いたところで本質的に解決はしないからだ。

 そもそも解決しようとすら考えているのか怪しくなる。

 悲劇に酔った自分を周りにアピールしたいだけでしかない。

 重要なのはこれから「どうするか?」が重要であって、その人の編集された過去をいくら見せられようとも現在は何も変わらない。

 「今、この瞬間にどうしたいのか」を話すことで、初めて物事が動き出す。

 忘れてはいけない、自分から動かないのに他者が動いてくれると考えるのは傲慢だと。

 

本を読んだ感想

 

 嫌われる勇気を読んだことある人なら復習になるような内容だった。

 同じような事が改めた述べられていたが、今回は少々実用的にも感じる。

 本書に登場する青年が教師としての立場に悩まされながら哲人の元を訪れるのは、前回と違った意味を持つ。

 個人という枠組みから、他者という枠組みへ上手く切り替えることの出来ない、青年の悩みはまさに現代に生きる人が思う心の代弁と言える。

 そして意外にも、嫌われる勇気の方が売れているようだが、明らかに本書とセットで一つの物語としても完結する。

 一つの心理学としても面白いし、二人の人間の語り合いもあたかも世間とアドラーが共存するための試行錯誤を見ているようで、終始飽きることのないまさに名著だった。

 

終わりに

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「感想/書評」【ニコニコ哲学 川上量生の胸のうち】なぜニコニコなのか

 

 

 

 

著者・書籍情報

 

著者:川上量生(かわかみ・のぶお)

 1968年生まれ。京都大学工学部卒業後、コンピューターの知識を生かしてソフトウェアの専門商社に入社。

 同社倒産の97年、PC通信用の対戦ゲームを開発する会社としてドワンゴを設立。

 2006年には、子会社のニワンゴで「ニコニコ動画」を開始。その後も「ニコニコ超会議」や「ブロマガ」など、数々のイベントやサービスを生み出した。

 

 書籍:【ニコニコ哲学 川上量生の胸のうち】

 発売日2014/11/18

 ピースオブケイク代表取締役の加藤貞顕と川上量生のインタビュー形式で話が展開して行き、ニコニコについて川上量生の価値観などを語っている。

 

 

どんな人にお勧めか?

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 「ニコニコは動画を投稿しずらくてしょうがねぇな」

 「ニコニコってなんで使いずらいことがあるんだろう」

 と考えている人にオススメとなっている。

 川上量生から語られるニコニコの裏側事情は、見て初めて理解できるのかもしれないと考える。

 

与えられたものは何か?

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 2014年当時の川上量生は、KADOKAWA・DWANGO統合に対して「KADOKAWA・DWANGOという配牌は面白いと思った」と語る。

 その理由に、何を作れば良いか一見よく分からないからと答えて、逆にそうい状況は他社も同じでありそこにまだ見ぬ成功があるのではないかと話す。

 確かに賛同できる意見で、他とは違う成功を出すにはまだ誰も手を付けていない分野に手を出したりするのは非常に有効だ。

 また、例え同じ分野であっても角度を変えて見る機会を持つことが出来れば、新たな抜け道が見つかるかもしれない。

 まさに、現状で配られたカードをどう使うかが非常に重要となる。

 

ニコニコは許される

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 書籍の中で川上量生は、勝手にアカントの情報を使ってしまうことがあるが、それを「ニコ動ならしょうがない」という風に落ちつかせる戦略を取ってきた。

 そう言う態度の裏には、一般企業がクレーマーなどに文句を付けれられて萎縮してしまうことに対するアンチテーゼ的な役割を果たす。

 また一度対応してしてしまうと、次回も対応せざる負えない事態を避ける目的も持ち合わせている。

 会社や学校にも、あの人なら許せるという人間がいただろう。

 そう言う人間になれれば、行動範囲も広がりやりたいことが出来る。

 逆に、いちいち他人からの文句を真に受けていたら、やりたいことは出来ない。

 ニコニコ動画のように多少の事なら許してもらえる、そんな環境を持つことが成功の一手になるのではないか。

 

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ニコニコは自由である

 

 ニコニコは思想を持たない事を第一として、政見放送や通常国会の様子を中継している。

 ネット上のあらゆる言説は歪んでいると言いつつ、近年のネットでの政治的な思想に対しいて「現代社会に対して恨みを持っている人たちが多い」と回答する。

 その理由には、限られた情報で判断してしまう人がネットには多いのではないかと考えている。

 だから、あえてニコニコでは議論が一方に触れないように、冷静に議論をするいわゆる「愚痴を吐く場所」のような立ち位置として存在していると語った。

 私もニコニコを利用する機会があるが表面的な機能以外に目を向ければ、確かに本書をこの部分を読むと上手く考えられているな、と納得させられてしまった。

 他に言論が飛び火しない為に、その受け皿として存在する。

 今までにない視点でニコニコを見ることが出来るようになった。

 

人気になるとつまらない

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 「多様性」という言葉は、現代では耳に胼胝ができるくらい聞きなれた単語だろう。

 しかし、クリエイティブな分野で見れば多様性は逆に発展を抑制してしまう結果になると言える。

 その理由には、例えばある一つのゲームやいわゆる流行りの遊びなどが出てくると、急上昇はそれ一色に染まってしまう。

 つまり、他に面白い動画やイノベーション的なアイディアを展開しても、一時期の流行りの負けて埋もれてしまうのだ。

 また川上量生は、「小説家になろう」を挙げて同様に「異世界もの」の上位に食い込む小説は大体設定が同じであることを指摘し、これがある意味多様性の限界であると語る。

 確かに、小説家になろうだけでなく様々なジャンルで言える事だが、真新しさというものが無くなる傾向がある。

 川上量生は対策として、ある程度制限を設けるべきだと回答してる。

 ニコニコ動画では、あえて動画投稿を煩わしいくする事で、無駄に流行りだけに乗った動画を投稿させないという細工をしているようだ。

 つまり、ニコニコ動画が使いずらいのはある意味戦略の一部であると考える事ができる。

 まぁ、本当に使いずらいのは事実だが。

 

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本を読んだ感想

 

 全体を通しての感想は、後半にかけて共感できる部分は個人的に少なくなった。

 発言に根拠が無いことや一つの事柄を複数に当てはめて考えるやり方は好きではない。

 しかし前半部分は非常に納得のできる部分であるし、これが本当にニコニコの取っている戦略なら、ある意味計算されていたという事実が衝撃的だった。

 川上量生の価値観や考え方に賛同するかどうかは、凡庸な言葉で「人それぞれ」と言わせてもらうが、今まで彼の取ってきたやり方は興味深く、読んでよかったと思わされる一冊だった。

 

終わりに

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「感想/書評」【嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え 】アドラーは何を教えたのか

 

 

 

 

著者・書籍情報

 

著者:岸見一郎(きしみ・いちろう)

 哲学者。1956年京都生まれ、京都在住。高校生の頃から哲学を志し、大学進学後は先生の自宅にたびたび押しかけて議論をふっかける。

 京都大学大学院文化研究科博士課程満期退学。専門の哲学と並行して、1989年からアドラー心理学を研究。

 他の著書に【幸せになる勇気】がある

 

 書籍:【嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え】

 発売日2013/12/12

 アドラーはフロイトやユングに次ぐ三大巨頭としてありながらも、その独自の考え方から時代を大きく先行し、当時の人間に理解されることなく過ぎて行った。

 そんなアドラーの考え方や世界の見方が今再び息を吹き返し、現代社会に旋風を巻き起こした。

 

 

どんな人にお勧めか?

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 「私は誰にも好かれない」

 「俺は成功しないのは過去に両親がちゃんと育てなかったからだ」

 と言うような考えを持っている人には是非とも読んでいただきたい。アドラーがその考えのことごとくを粉砕してくれるに違いない。

 

変わらいないのは自分の決定による

 

 よく「私の人生は一生変わらない」と考える人がいるが、ある意味変わらなことに安心感を覚えているようにも感じる、

 変わることはかなりの恐怖を体感する事になる。

 いつもと違う道を歩くのが「近所」なら問題ないだろうが、「異国の地」で地形も知らずに違う道を行くのは恐ろしい。

 これは意識も当てはまり、人は変わりたいと思っているのにも関わらず、無意識に変わることへの恐怖を抱いている。

 だから「あれこれ」と理由を付けては、その変化を永遠に訪れない存在に昇華させてしまうのだ。

 アドラーの心理学は、「勇気の心理学」とも呼ばれ、過去のいつ如何なる経験や体験も現在に影響を与えない。

 つまり、変わるのは常に「今」であり、その一歩を踏み出す勇気があればいいだけだ。

 

人は私の為に生きていない 

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 当然かもしれないが、意外と理解をしている人が少ない。

 本書の中では「他人はあなたの為に生きていないし、あなたは他人の為に生きていない」という考えがある意味もっとも重要な部分に感じた。

 自分の思い通りに人が動かない事に直ぐに腹を立てたり、他者の視線を気にして迎合することしかできない。

 アドラーの考え方からすれば間違っている。

 「お前の顔を見ているのは、お前だけだ」本の中に登場するセリフで印象に残っているモノの一つだ。

 本来重要なのは、他者から嫌わることを恐れず、自分らしく生きるというもの。

 他者がどう感じるかは本人の問題であり、自分の問題ではない。

 「課題の分離」これも重要事項だろう。

 自分の発言で相手がどう反応するかが気になるから、人前で手を挙げることが出来ない。

 自分の考えを友達に話して嫌われてしまうと、思うから周りに合わせて貴重な時間を浪費していく。

 これらは全て課題の分離が出来ていないのが原因だ。

 自分の為に他人がいるわけではないのと同じく、他人がどう考えるかは自分ではどうにもできない部分、つまり相手の問題である。

 

何が与えられたかではない

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 アドラーの言葉で「大切なのはなにを与えられているかではなく、与えられたものをどう使うかである」Cと言っている。

 実はほとんど似たような発言をしているキャラクターが居ることをご存じだろうか?

 それは、スヌーピーだ。

 彼はYou play with the cards you’re dealt.(配られたカードで勝負するしかないのさ)と言っている。

 まさにアドラーの言葉を代表するかのような名言だ。

 「背が小さい、学力が低い、家が貧乏」人は叩けばいくらでも不平不満があふれ出てくる。

 スヌーピーとアドラーの唯一の違いは、変えようのないモノばかりではないという事。

 配られたカードはいつでもトレードできる。

 例えば、背が小さい事を悩んでいたとしても伸びることはないだろう。だった医学を学んで研究者となり自分で背を伸ばす薬を作ればいい。

 出来るか出来ないではなく、やってみることが重要である。

 もしかしたら、最終的に薬は出来ないかもしれない、でもその代わりにもっと画期的な新薬が偶然誕生する可能性もある。

 いつまでも他人の責任にしたり頼りにしていては、何も変わらない。

 他人が与えてくれるのは、あくまでも自分が与えた時だけだ。

 自分が変わらない奴に他人を変える力はない。

 

本を読んだ感想

 

 多分私が読んだ心理学の中では一番科学的根拠というものがない。

 しかし、私が読んだなかで一番人を変える力を秘めていると思える。

 読んでいて思ったことは、これを実践するのはかなり難しいということだ。それこそ人間が空を飛ぶ為に訓練を積んでいるような気分だろう。

 だから、出来る範囲から始めてみようかと考えた。

 例えば、相手がどう思うとそれは相手の課題である。

 私の発言や文書の内容に、聞いたり見たりした人が何を考えようと究極的にそれは他人事でしかなく、自分ではどうにもならない範囲外にある。

 そして他人は自分の為に生きている訳でもない、これは重要な考え方だ。

 SNSなどで、いいね!やハートを貰うことを熱心になっている人はこの考え方を持たないだろう。

 例えば自分のツイートにいいね!が1つも無かったとしても、フォロワーに激怒するのは間違っているのだ。

 自分の思い通りに人が反応しないのは当たり前である。

 しかし、世の中はしばしばそれを忘れてしまっている。

 私達は今一度、再確認する必要があるように感じた。

 

終わりに

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「感想/書評」【FACTFURUNESS ファクトフルネス】遅れいている先進国の人々

 

 

 

 

著者・書籍情報

 

 著者:ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロランド

 ハンス・ロスリングは、医師、グローバルヘルスの教授、そして教育者としても著名である。

 世界保健機構やユニセフのアドバイザーを務め、スウェーデンで国境なき医師団を立ち上げる。

 オーラはハンスの息子で、アンナはその妻。ギャップマインダー財団の共同創設者。

 オーラはギャップマインダー財団で2005年から2007年、2010年から現在までディレクターを務めている。

 

 書籍:【FACTFURUNESS ファクトフルネス】

 発売日2019/1/15

 今地球で起こる様々な、環境問題、紛争、貧困、教育、テロなどについて、いかに現代人の知識が時代遅れなのかを国連やその他の組織から得たデータを使い分析と解説をしている。

 

 

どんな人にお勧めか? 

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 「未だ発展途上国は多く、貧困は広がりを見せている」

 「世界人口は留まる事を知らず、青天井に伸びて行く」

 と考える人にはオススメとなっている。

 著者は先進国の人間が間違った知識を持っている事を残念そうに述べている所がある。

 政治家や専門家であっても例外なしに間違っている事がたびたび表などを使って丁寧に書かれている。

 

人間が持っている様々な本能

 

 本書では、人間が本来的に持っている本能が誤った知識の流通を止められていない原因としている。

 そしてそれらについて、著者の実際の体験から如何に勉強を積んだ人間でも避けられないモノであるかを多分に話している。

 少々間抜けな体験だもあるのだが、時には間接的に人の命が関わってくるようなモノあり、他人ごとのように遠目で見ることはしない方が賢明であろう。

 と言うのも、立場や権威があると人間が特定の思考によって判断を下してしまうと、人が死んでしまうこともあるからだ。

 あえて苦い体験を語る事で、環境やその他の影響で人は簡単に動かされてしまう事を教えてくれているのだ。

 

分断本能

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 分断本能とは、例えば世界が貧困層と富裕層の二つに分かれていると考えてしまうことだ。

 つまり二極化して物事を考えてしまっている。

 実際のところ、富裕層と貧困層は真っ二つに分かれているのか?

 答えはNoだ。

 国単位で考えるなら、低所得国つまり発展途上国などと呼ばれるような国は、2017年の時点で、全人口の6%である13か国程度しかいない。

 なんと人類の85%以上は先進国に分類されている。

 さらに現在、世界の人口の75%は中所得の国に進んでいて、裕福でもないが頭の中で想像したような貧困の世界は広がっていないようだ。

 初めて呼んだ時、中々衝撃的だったことを覚えている。

 私も著者の言うところの、分断本能を持っていたことが分かったからだ。

 これについては、メディアが引切り無しに「世界の貧富の格差」について語っているのが原因一つとして考えれている。

 そして、そんな分断本能については「平均の比較」などなどを解決策を提示している。

 因みに「平均の比較」とは、あるグラフなどのデータを見た際に、それがスタートが数値が0から始まっているのか、またはグラフを年次でまとめたりといった、小さな変更で見方が大きく変わってくることを注意することを指している。

 詳しくは本書を見て欲しい。

 

ネガティブ本能

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 普段、意味もなく世界はどんどん悪くなっていると感じてはいないか?

 それはとんでもない間違いである。

 環境問題、紛争などなどニュースで流れてくるモノを見ていれば、とても世界が平和だと思わないだろう。

 しかし例えば、1997年のインドと中国では人口の42%が極度の貧困だったが、2017年には12%となっている。

 20年で2億7000万人が貧困から抜け出したそうだ。

 さらに1800年ころの世界の平均寿命を挙げて、約30歳だったのが現在では世界の平均寿命が72歳を超えた事を語っている。

 このように、世界は大きな変化こそ無いが長い年月をかけて良い方向に向かっているのが見て取れるだろう。

 ところが、メディアがそんなプラスの話を流さないのは、人間が物事をネガティブな側面で捉えるところが起因していると指摘。

 ネガティブなニュースの方が注目も集まるし、視聴率も良い。

 もちろん、すべて良い事ばかり流しているメディアも偏っていると言える。

 しかし「飛行機、羽田空港に無事着陸」などとニュースで流せば、その人間は仕事をクビになるだろう。

 ネガティブ本能を避ける手段の一つとして、悪いニュースの方が広まりやすい、という事を覚えて置くことが大切だと話している。

 

宿命本能

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 宿命本能とは、すべてはあらかじめ決まっているという思い込みである。

 例えば、発展途上国に生まれて苦しい日々を送る人間が、先進国の比較的恵まれた家に生まれて何不自由なく育って教育を受けた人間に勝てないと考えてしまうことなどに当てはまる。

 例えば、著者が若い頃、50年ほど前は中国やインド、韓国はいまのサハラ以南の国々よりずっと遅れていた。

 当時のアジアを見れば、現在アメリカと貿易で相手どれるように成長するとは誰も思わなかっただろう。

 私達日本人も、戦後のボロボロ状態から急成長を遂げて一時期GDPでアメリカに次ぐ世界の第2位の国に躍り出ると想像できただろうか?

 この宿命本能は、過去の事例を無視してあたかも今まで裕福であったかのように錯覚させるが、世界はゆっくりとだが変化している事を認めなければいけない。

 そこに宿命本能を抑えるヒントがあると考える。

 

本を読んだ感想

 

 本書は、その国の小さな問題というよりも世界という広い範囲で話を展開している。

 だから、個々ではそんな変化が無いかもしれないが大きく見れば進化しているという事がわかる。

 また、国連のデータやグラフ等々を多分に使用して話を進めて行くのは、数字を通して初めて自分の考えを改めるよい機会になる。

 私は本を読みながら、世界とはこんなにも変わっているのかとしみじみ感じた。

 最近見た世界の問題について語った本の中では、良書に間違いなく分類されるし、これから世界に出て行く人は間違いなく一読をしておいた方がいいと感じる。

 

終わりに

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「感想/書評」【SPRINT 最速仕事術】一週間で作り出す

 

 いまより楽しく仕事が出来るとしたら、それを試さない理由はない。

byジェイク・ナップ


 

 

 

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著者・書籍情報

 

 著者:ジェイク・ナップ

 GVのデザイナーパートナーで「スプリント」の生みの親であり、世界で最も背の高いデザイナーの一人である。

 著者:ジョン・ゼラツキー

 GVのデザインパートナーとして、モバイルアプリから検査報告書、日刊紙までの様々なモノをデザインしている。

 著者:ブレイデン・コウィッツ

 2009年にGVのデザインチームを立ち上げ、ベンチャーキャピタル企業に初めて「デザインパートナー」の役職を導入する

 

 書籍【SPRINT 最速仕事術】

 発売日2017/4/12

 スプリントと呼ばれる方法で、チームを困難かつ時間がない状況でも素早くアイディアを想像して一週間でプロトタイプ作成まで持ち込む仕事術が、書かれている。

 

 

 

どんな人にお勧めか?

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 「チームで仕事をしているけど中々作業が進まない」

 「仕事の問題が難し過ぎてどうすればいいか分からない」

 という人にオススメとなっている。

 本書の中には、適宜分かりやすく画像を差し込んであるので、実践したい時にはそれらを参考にして見ることも出来る。

 

チームの重要性

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 チーム単位での話が主に展開するが、そこではどんな人間をチームに引き込んだ方がいいのかを存分に語っている。

 例えば、決定者。

 この場合は、CEOなどの最終的にそのアイディアを決定して行動に移す許可をする人物を指す。

 なぜそういった決定者が必要なのか?

 彼らもこのプロジェクトの一人という感覚を持ってもらうことで、積極的に意見交換やアイディアを提供してくれる。

 そして何より、プロジェクトが通りやすくなる。

 それもそのはずで、一緒に考えて出来上がったものを選ばない人はいないだろう。

 本書では、それ以外の点についても決定者がいることで起きるメリットを話している。

 

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目標は5日間で短期集中

 

 スプリントは、月曜日に始まり金曜日にプロトタイプの作成まで漕ぎつけるように展開されていく。

 なぜ週を跨がないのか?

 土日が入ってしまえば、先延ばしに支配されてしまうからだ。

 「明日やろう」が良く無いことと同じくらいに、プロジェクトにおいて「来週やろう」は悪い事なのだ。

 その代わりに、5日間は無駄に出来ないのでテキパキ物事が展開して行く。

 例えば、スプリントクエスチョンをホワイトボードに書き出し、このスプリントで課題のどんな質問に答えたいのか?

 長期目標が達成するには、どんな前提が満たされなくてはならないのか?

 などなど言葉を書いて、それにあわせて答えを考える。

 これは、前提や障害をより明確にする働きがあるのだ。

 

マップを作って分かりやすくする

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 マップを作るのは全体の流れを理解するために非常に有効だ。

 まずは「役者」、つまりこのプロジェクトが狙いっている対象の人物。

 それは一般人なのか営業チームなのかは様々だが、ホワイトボードの左端に書く。

 次に、最終的にどうなって欲しいのか?を右端の終わりに書く

 例えば、顧客に商品を買って欲しいなら最終的には「購入」が目標となるだろう。

 マップは一言フレーズと矢印で表現し、無駄に絵を書いたりしないため、絵心などは関係ない。

 そして最後は、チームと逐一マップが正しいのかを確認して修正を加えて行く。

 これをしっかりやれば、長期的な目標に向けたチームの原動力となる。

 

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専門家に聞きまくる

 

 スプリントクエスチョンやマップを元に、専門家に意見をもらう。

 その際には、全員でメモを取り「どすれば」という言葉を軸にして話を聞いて書いて行く。

 その後は、書いたメモを集めてボードに貼って似たような意見をカテゴリーに分けておく。

 そしてよさげなアイディアをその中から決定者を含めた模擬投票して選びだす。

 ただし時間をかけるわけには行かないので、15分程度で決めて行く。

 選ばれたアイディアを改めてマップに追加して再度検討していくという流れになる。

 

幻想を作る

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 話が飛ぶようだが、プロトタイプの制作まで漕ぎつけたとして、そこからが重要となる。

 何を使って製作するのか?掛けられる時間はせいぜい一日に程度だ。

 著者たちは、キーノートと呼ばれるアプリで制作していた。Windowsで言うところのPowerPointに当たるものだ。

 スライドに画像や文字を入れるだけでなく、必要とあらばリンクから飛んでいける。何かのウェブサイトを一から設計するより時間も手間もかかる事がない。

 しかし、だからと言って手を抜くわけではなく、言葉を借りるなら「9割方リアル」「ちょうどいいできばえ」を目指して制作する。

 あくまでプロトタイプだから完璧は無く、失敗はあって当然でそれを改善する為に参加者を招いて実験するのだから。

 しかし、余りにもお粗末な出来のプロトタイプを作れば、参加者はすぐに偽のサイトを見ているという感覚に陥ってしまうのだ。

 だから「9割方リアル」なものを作らなけらば行けない。

 

本を読んだ感想

 

 本は面白いことに、月曜日から金曜日という単位で章が区切られていて、その日ごとにやる事を他の企業の事例を最初に持ってきてから話をするめるという展開方法だ。

 アイディアの想像から形にして実験するまでの手中を事細かに説明されている。

 この様な仕事術の本を見ると、他国の文化、特に日本などで再現性があるのか?という疑問にさらされる事がある。

 何とも言えないところだろうが、確かにこの本に書いてあることを現実でも出来ればスムーズにチームプロジェクトが進むだろう。

 それに何と言っても、何かを決めるのに時間を掛けないところが凄いと感じる。

 特に重要なプロジェクトでは、じっくり考えて進行していくと考えているが、著者たちは3分で発表したり、15分で決めたりと時間を掛けない手法を取っている。

 もちろん、根底にはプロトタイプを作るまでに持って行くという前提があるからできる技で、5日間で優れたモノを作るというわけではない。

 悪までも長期的な目標の一歩を踏み出す為の、一週間と捉えた方が良いだろう。

 だから私が将来チームで何かを行うときは、いくらかの知識は拝借したいと思える内容だった。

 

終わりに

 

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「感想/書評」【平気で嘘をつく人たち】彼らはなぜ邪悪なのか

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「この世になぜ善はあるのか」という質問を発した人はこれまでにいない。

  byM・スコット・ペック


 

 

 

 

著者・書籍情報

 

 著者:M・スコット・ペック

 ハーバード大学で社会関係学修士号、ケース・ウェスタン・リザーブ大学で医学博士号を取得。

 ベトナム戦争当時の米軍に精神科医として9年間勤務後、1978年に世界的ベストセラー「愛と心理療法」を発表。

 著書に「愛と心理療法」、「死後の世界へ」などがある。

 

 書籍【平気で嘘をつく人たち】

 発売日2011/8/5

 著者が実際に出会った邪悪な人たちを例に挙げて、嘘をつく人たちの特徴とは何かを話している。

 

 

どんな人にお勧めか? 

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 「邪悪とは何たるかを知りたい」

 「彼らはどこに居て、何をしているのか気になる」

 と言う人にオススメとなっている。

 著者が対面する様々な事情を持った人間達が起こす問題を本書の中である程度の長さを取って語られている。

 是非見てみるといいだろう。

 

悪とは何なのか?

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 本を読めば頻りに悪について考えさせられる場面がある、悪を語るのはある意味は簡単だろう。

 何をしたら悪いのか、それを証明できれば悪の実態を掴むことが出来る。

 例えば「赤信号を渡ってはいけない」というのが一般社会のルールである。悪はこれに違反するモノを見つければいい。

 更に小さく言えば、ちょっとズルする人間も悪だろう。

 この様に悪とはありふれていて珍しさを感じない。

 むしろ善を定義することの方が一層難しいのだ。

 読んでいて、気になる言葉があるとすれば「善を語らずして悪は語られない」という部分がある。

 善というものが語られた時にそれ以外のモノが必然的に悪となる、と考えることが出来るのではないか。

 では、善とはなんだ?

 

邪悪な人間達

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 「邪悪性」は内容に深くかかわるキーワードであるが、嘘をつく人間達はみんな自分を偽っている。

 何とも悲しい話だが、彼は自分たちが正常で社会的に何らおかしい所がないように見せいているのだ。

 しかし、中を見てみれば自分の異常性から目を背けているだけだ。

 ところが、そこに目を向ける事が出来ず、自己を省みない為なら自分の息子だろうと犠牲にして隠そうとする。

 邪悪性は、罪の意思から生まれるのではなく罪の意思から逃げようとする気持ちから生まれている。

 そしてそんな人たちは映画の中に出てくるような大悪党の人間ではない。

 今朝家の前を通り過ぎたサラリーマンだったり、病院で人の面倒を見てくれる笑顔の素敵な看護師だったりと、ごくありふれた普通の人間なのだ。

 その羊の皮を脱ぐまでは。

 

悪が与える影響

 

 本の中に登場する人たちで、多々子どもの登場する場面がある。

 ひどく精神的に参っていて、生気が感じられない。

 そして子どもの経緯を聞いていくと、悲惨な毎日を送っていることも少なくない。

 しかし、必然かあるいは偶然か別の問題が発覚することがある。

 邪悪な影響について。

 そう、カウンセリングを始めると分かることがあるのだ。

 一見その子どもに問題があると思われる事が、段々と他の家族や学校・社会に原因があることに。

 これを「見なし患者」という。

 子どもより親の方が矯正を必要とするケースを指している。

 では、矯正が必要な親とはどんな親だろうか?

 そうだ、邪悪性が高い親たちだ。

 彼らの持つ悪は、肉体的・精神的に作用して指一本も触れずに相手を殺すことも可能である。

 

邪悪と隠微性 

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 邪悪な人間は自分の失態を酷く恐れる。自分の恐怖を隠そうとする。

 そして邪悪な人間による一番の被害者は子どもなのだ。

 彼らには逆らう力がなく、例えば親がそう決めたらそれに影響されるしかない。

 そして悪い人間は自分の欠点を他者に責任転換する為に、まず他者を支配しなければいけない。

 だから子どもの親なら、何の迷いもなく子どもにその矛先を向けるだろう。

 そして彼らに良心がないわけではない、しかし本能と罪の意識がぶつかり合った時に、本能が勝ってしまうのだ。

 しかも隠微性、つまり表向きではそれをかくしている。

 子どもがカウンセリングを受けていくと内部に問題点を見つけるのは、このためだ。

 著者も話すが、精神治療でもっとも効果があるのは正常な人間だ。

 正常とは、健全で正直で他者によって思考パターンが歪められていない人間を指す。

 邪悪な人間は、いくらその性格の問題を指摘しても取り合うことはない。

 なぜなら、自分は完璧と思い込む悪性のナルシズムを持ち、愛想を身にまとっている人間にとって自分を見つめるとは、すなわち欠点と向き合うことになる。

 そんな事は是が非でも阻止たい。

 だから、本の中で出てくる邪悪性を秘めた人間で治療を完璧に終えられた人間は居ない。

 表向きは従っているように思わせて、体面を確保したらすぐにその隠しきれない正体を露わにし口八丁手八丁の技術で逃げようとする。

 そして元々そんな人間は、まともに治療を受けたとしても完治する事はない。

 

本を読んだ感想

 

 悪とは、邪悪とはなにか?それを実際の体験で得た出来事と照らし合わせて考察して話しているのは、実に面白かった。

 また、体験談も登場人物の些細な、ほんの些細な違和感から導き出される異常性を垣間見ることが出来るので読んでいて飽きることはない

 しかし、やはり難しい話も少々出てくると思うので万人受けの本ではないだろう。

 それでも、邪悪な人間の特徴やその精神的な部分にまで考えを持って行くのは、非常に興味が深まる内容である。

 ここでは書いていないが、ベトナム戦争の話を持ち出して集団の悪についても考えを及ぼすページがある。

 こちらも、なぜ集団が悪に染まってしまうのかを解説しているので面白い。

 

終わりに

 

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「感想/書評」【運のいい人の法則】小説の様に読むべきだ

 

 運について語るとき、未来はあなたが握っている

byリチャード・ワイズマン


 

 

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著者・書籍情報

 

 著者:リチャード・ワイズマン

 図書館で見つけた本に惹かれ、10歳でマジックに目覚め、20代前半には世界を舞台に活躍するようになる。

 その後、マジックの裏にある人の心理に強い監視を持ち、ロンドン大学で心理学を専攻、エンジンバラ大学で博士号を取得、ハートフォードシャー大学で研究室を持つまでになる。

 著書に「その科学が成功を決める」「その科学があなたを変える」などがある。

 

 書籍:「運のいい人の法則」

 発売日2011/10/25

 マジックショーで偶然であった、運のいい人と悪い人達。その違いは何なのか?そして、運のいい人達に共通する特徴は何なのかを語っている。

 

 

どんな人にお勧めか?

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 「自分はずっと運の悪い人生を送ってきた」

 「人の運というものは、才能と同じで固定的だ」

 と考える人にオススメだ。

 本書に何人か登場する、多くの運のいい人と悪い人、話を見れば著者が盛ったじゃないかと疑いたくなるような様々な体験談を見ることが出来る。

 自分より運が悪いと思っている人たちよりも、運の悪い人に出会えるはずだ。

 

運のいい人は積極的に行動する

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 ある運のよい男性の言葉は、なかなか印象が深かった。

 と言うのも、ビンゴや宝くじに何回も当たるのは「それだけ応募しているから」という発言をしていた。

 不運な人は頻りに「どうせ当たりっこない」「やるだけ無駄」と言った言葉や感情を抱いていると思える。

 幸運な人は逆で「応募しなければ0%でしかない」「行動して見なきゃわからない」といった感情や意識を思ってる。

 確かに一理ある考えだ。

 応募しなければそもそもスタートラインにすら立っていないのに、当たるだのハズレるだの言っていていても仕方がない。

 誤解していたのは、運の良い人は一回応募しただけで大金を手に入れたりしているのだろうと考えていた事だ。

 しかし、蓋を開ければ何回かハズレる事もあるし全く当たらないこともある。

 当たったことだけに意識が行きって、どれだけ応募したかを気にしない人が多いのだ。

 つまり、そこにある小さな努力を無視して相手を「幸運な人」と呼んでしまうのだ。

 

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運のよい人は不運を変える

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 これもまた勘違いをしていた部分であろう。

 生きていれば当然人生は山あり谷ありで、それはいくら「運のよい人」だからといっても例外ではない。

 しかし、彼らはその困難を乗り越える為に物事の良かった面に視点を置いている。

 例えば、「車の運転中に車道に子どもが飛び出してきたので、ハンドルを切ってガードレールに突っ込んだ」としよう。

 ここで運の悪い人は「最悪の状況だ」と嘆くかもしれないが、幸運な人は「子どもを引かなくてよかった。運が良かったな」と考える。

 起きた事実は同じだが、捉え方は全く違う。

 もちろん楽観的になって再発防止の為に何の対策も立てない訳じゃないが、既に起きてしまった事をマイナスとするかプラスとするかは、本人の意思によるところだ。

 さっきのは極端な例かもしれが、勉強したのあまり良い点数を取れなかった時も、「俺は才能がないんだ…」と思うか「次はどこを改善すればいいか分かったら、ラッキーだ」と考えるかで分かれるのだ。

 詰まるところ、運のいい人は物事を明るく見ているし、運の悪い人は物事を暗く見ているとい事だ。

 

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運の良い人は健康である

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 本書の中にあったフィンランドで行われた実験では、2000人の男性を三つのグループに分けた。

 未来は暗いと思っている後ろ向きのグループと、明るく未来を想像する前向きなグループだ。

 そしてどちらともない中間のグループを良いして、6年間観察する。

 すると後ろ向きのグループは中間のグループに比べて、ガンや心臓疾患、事故による死亡率がかなり高かった。

 逆に前向きなグループは死亡率が他のグループよりはるかに低かったのだ。

 この実験から分かる通り、物事の未来について暗いことしか想像できない人は健康面でも適切な対策をしようと思わなくなる。

 「どうせ病気になるか、健康なんて意識するだけ無駄」と考えてしまうのだ。

 

本を読んだ感想

 

 著者の本は他のを含めてよく読むが、本書に関しては少しいつもと違う印象をもった。

 特に、「運」と言うのがメインであるため、それについて実験を行うにも明確さを出さなければならず、根拠的が不足するのではないかと思う。

 また、運の悪い人が良くなる為の方法がたくさん書かれていたが、正直に言えばやろうとは思わなかった。

 運のいい人は外向的だとする部分が見受けられたが、本当にそうなのか?とも思う。

 と言うのも、今や外向的な性格が優位になっているという考えは古いが、それでも幸運になるには外向的にならなければいけないのなら、私は幸運になる必要性は全くないと考える。

 もちろん、人間というものは多少性格を偽って生活してるもので、内向型でも必要とあらば外向的になることがあるが。

 そんな考えを持ったまま最後まで読んだ時にふと思うところがあった。

 別に「外向型」になる必要性はなく、自分にとって必要な人間関係を構築するのに「外向的」な方が早く達成できるのではないかと。

 だった本書に書いてあるテクニックを学んでみてもよいかもしれない、とも思った。

 そして私の最終的な考えとして、全体的に本を1つの物語的に見ると非常に面白い。

 著者の考えだけでなく、豊富な体験談は読んでいて興味深いからだ。

 

終わりに

 

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併せて読みたい記事こちら!

www.ryousyototatiyomi.com

 

 

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【感想/書評】【学び効率が最大化するインプット大全】インプット(input)が無ければアウトプットはない

 

 今インプット革新をできる人だけが、AI時代情報化社会の勝者となれるのです。

by樺沢紫苑


 

 

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著者・書籍情報

 

著者:樺沢紫苑(かばさわし しおん)

精神科医、作家

1965年、札幌生まれ。1991年、札幌医科大学医学部卒。

2004年からシカゴのイリノイ大学に3年間留学。帰国後、樺沢心理学研究所を設立。

「情報発信を通してメンタル疾患、自殺を予防する」をビジョンとし、累計40万人以上に精神医学や心理学、脳科学の知識・情報をわかりやすく伝える、「日本一アウトプットする精神科医」として活動している。

 著書は30冊。

 「読んだら忘れない読書術」「学びを結果に変えるアウトプット大全」は40万のベストセラーとなっている。

 

書籍「学び効率化が最大化するインプット大全」

 

 科学的な根拠を元にしたり、筆者が普段行っていることや注意していることなどインプットに必要な考え方や手段として分かりやすく解説している。

 

 

 

どんな人にお勧めか?

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 「本を読んだけど忘れてしまう!」

 「効率のよいインプット方法はないか?」

 と考えている人にオススメだ。

 この本はまさに読んで字のごとく、インプット(input)について著者が広く方法を述べているので、インプットに悩みのある人はぜひとも見て頂きたい。

 

アウトプットを前提に書く

 

 アウトプットを前提に書く、これは筆者が頻りに本の中で登場させているくらい重要なものだ。

 例えば、今読んでいる小説でも知識本でもいいが、それを読んだだけで終わらせてしまえば何も残らない。

 ところが、ブログに書いたりSNSに投稿したり、知人に本の感想を伝えようとすると途端に内容をちゃんと記憶しようと考える。

 これは、プレッシャーにようるノルアドレナリンが分泌されることで集中力が上がる事に起因する。

 本の全体を通してもアウトプットが前提という部分は多く、他のテクニックや方法があったとしても、誰かに伝えたり書いたりという緊張が無いと意味が無いことを示していた。

 

目的を持ち、感想を書くつもりで本を読む

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 「アウトプットを前提」と少し似ているが、むしろ先にこちらが登場するべきだろう。

 例えば、今目の前にある本からどんな知識を手に入れたいのか目的を知り、それを呼んだあと5分程度議論できるくらいまでに理解する必要がある。

 それには、本の感想を書くのが一番手っ取り早い方法だ。重要だと思った点をノートなどに書いて記憶の整理をする。

 この過程をしっかり行えば、記憶の定着すなわちインプットが出来るようになるのだ。

 私もこうしてブログに本の紹介をする時には、ノートに要点をまとめるようにはしている。

 

小説を読むと創造力と共感力が上がる

 

 本書を読んで少し注目したのは、小説を読んで創造力と共感力が上がる点だ。

 注目したと言っても、真新しい知識ではなく忘れていた記憶を呼び覚ましてくれるような感覚である。

 ところがワーキングメモリーも小説を読むことで上がるとは知らなかった

 ワーキングメモリーとは、簡単に言えば覚えた事を短期的に保存しておく能力だ。

 これがしっかりと鍛えられていれば、電話番号を覚えたり、はたまた英語の単語を覚えたり多岐にわたって使える能力となる。

 小説にそのような力があるとは思いもよらず、最近は専ら知識本を読みまくっていたので、小説を読んでみようかと改めて考えさせられた。

 

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メモは集中力を上げる

 

 本の中では、ときどき著者の講演や仕事を例にしたような説明があるが、メモについてはある新聞者に聞いた例をとり、記者は「書いたメモの内容は見返さず、集中力を上げる為にやっている」と語っていた。

 ノートやメモに関してもインプットとアウトプットの比率は7:3であり、これはアウトプット大全の逆となる。

 これについては、「インプットの最中はインプットに集中すべきです」と答えている。

 さらにノートやメモどちらとも言えるが、必要な所つまり重要なポイントだけに絞って書くことが重要である。

 「あれもこれも」と書いていては、時間ばかりが掛かってしまい講演ならば講演者の話を聞くことが出来ない。

 だから要点だけを軽くメモをして後で見返せるようにするのだ。

 

傾聴や共感を持って相手の話を聞く

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 共感や傾聴という言葉は聞いたことあるかも知れない。

 自分の考えや感情を含めるのは「同情」であり、ただ相手の考えや感情を素直に受け止めるのが「共感」だ。

 簡単なようで難しい、本書の中では簡潔に語られているが実際にはそう簡単にできるものでもない

 少し内容の粗さが出てきたように感じる。

 また傾聴は、性別に合わせた対応が重要になる。

 例えば、男性はアドバイスを求め女性は共感を求めるから異性が相談に乗ってきた場合には、共感を持つ必要がある。

 

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美術鑑賞はストレスを和らげる

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 特に本書の中で気に入っている部分はイタリアのボローニャ大学の実験を挙げた点だ。

 この実験では2時間程の美術鑑賞でもストレスが60%も減ったそうだ。

 普段あまり美術というものに触れていないが、こう言う研究があるならば行ってみたいと思えた。

 初心者は、有名な絵画や彫刻から入るのが良いと語られている通りに、行き成り地元の美術館を訪れても何が何だかサッパリだろう。

 だから少し費用を出しても有名な画家の絵や彫刻を見るべきだと語られている。

 

本書を読んだ感想

 

 上記で挙げたのは、全部ではないが多くもない。

 それはつまり、本の中に「これは」と思う部分が少ない事が原因だ。

 「インプット大全」も「アウトプット大全」も読んだが、どちらとも似たような印象だ。

 特に著者についてなにか思うところがあるわけでもないが、ハッキリ言って知っている事が多く出てきた。

 そのため、読み飛ばしても問題がない場合が多かった。

 2時間弱で読み終えたところからも、いかに自分に必要な内容が少ないかを物語っている。

 別に内容が悪いわけでない、もちろん多少主観的な部分があったりして「根拠はあるのか?」考えさせれらたが、酷くはない。

 だけど、参考文献が殆ど図書である点やどこの本からその知識を引用をしたかが分からない点がある。

 もう少し論文を載せたり、引用を分かりやすくしてほしい。でなければ確認のしようがないからだ。

 以上のように、お粗末な点も多々見られることや必要な情報が意外と少なかった点があるが中々良い本であった。

 

終わりに

 

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「感想/書評」【MINDSETマインドセット「やればできる!」の研究】努力が報われるかではなく、地道に挑む力こそ成功である。

 

 先頭を切って走り出した者が必ずしも最終的な勝者になるとは限らないのである。

by キャロル・S・ドゥエック


 

 

 

 

【著者・書籍情報】

 

 著者:キャロル・S・ドゥエック

 スタンフォード大学心理学教授。パーソナリティ、社会心理学、発達心理学における世界的な権威。

 イエール大学で心理学博士号(Ph.D)を取得後、コロンビア大学、ハーバード大学で教鞭を執り、現在に至る。

 人間の思考様式への関心は30年来で、モチベーション、人間関係、メンタルヘルスに関する研究で大きな業績をあげてきた。

 

 書籍【MINDSETマインドセット「やればできる!」の研究】

 発売日2016/1/15

 

 困難に挑み成功に向けて地道に努力して行ける子どもと、能力はあるが努力をしない子どもがなぜ将来に渡って人生成功に左右してしまうのかを、本の中で馴染みのある各界の有名な人たちを例に使い紹介している。

 

 

どんな人にお勧めか?

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「人の生まれついた能力は変わらないんだ!」

 「出来ない事を挑戦や努力するなんて無駄だ」

 と考えている人にオススメだ。

 本書の中に登場する人たちは、どれもこれも才能に溢れている。

 しかし、その多くは困難に挑戦しようとするまえに諦めてしまう人が多い。

 逆に何年も下積み時代を送りながら最後には成功した話を何人も聞くことができるので、一度見てみるのも良いだろう。

 

しなやかマインドか硬直マインドか?

 

 人間の思考を大きく分ければ、「しなやかマインドセット」か「硬直マインドセット」に大別できる。

 しなやかマインドセットとは、才能は変化するモノだから努力を重ねれば、自分にとって良い方向へ進化させることが可能だと考えている思考を指す。

 硬直マインドセットは、才能は生まれてから固定的なモノで努力や挑戦で変わる事はない、と考えている思考を指す。

 思うに、多くの人は後者の硬直マインドセットの思考を持っているだろう。

 学校でも会社でも、出来る奴を見て「あいつは天才だからな」と考えて、自分は特に何かするわけでもない。

 そんな経験は無いだろうか?

 これがしなやかマインドセットの人ならば、「あいつは凄いな、俺も頑張らないと!」と考えて、行動に移す。

 実際に能力が向上するかは分からないが、少なくとも0ではないことが理解できる。

 

 

硬直マインドセットの問題

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 硬直マインドセットの多くは自分の能力を褒められたがる。他者の目にどれだけ「カッコイイ」や「賢い」自分が映るのかを気にする。

 だからと言って、そうなるように努力する訳ではない。

 彼らは努力を無駄だと考えている。

 努力は才能の無い奴が必死こいて頑張る為にあるのだからと。

 「そんな風に考えたことない」と思っているようだが、なら今何かに向かって努力しているか?

 と聞かれれば大抵「うーん」言わざる負えない。

 大した努力が必要のないレベルでは完璧かつ迅速に問題を対処するが、大きな困難を目の前にすると途端にやる気をなくす

 これはあらゆるジャンルで言えて、例えばゲームでも見られる事だ。

 低レベル帯では天下無双の強者であるが、一段レベルが上がれば足軽兵に急転落する。

 それが嫌だから今のレベルを維持して、自分が成長するより現状維持に力を入れるのだ。

 成長で無く成功を、失敗で無く敗北を恐れる。

 

しなやかマインドセットは成功する

 

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 しなやかマインドセットの人は、あらゆる困難い果敢に挑戦する。

 しかし、単に挑戦するだけに留まらず現状の能力を把握する力に長ける。

 それはなぜか?

 自己の成長を知るには現在の力を知らずして判断することは出来ない。

 「何となく成長したな」ではなく、確実にフィードバックが手に入る方法を探す。

 学校ならばテストだろうし、ゲームなら対戦成績やスコアだろう。

 どんなに悪い結果でもそれ受け入れて、改善と努力の道を探す。

 ハッキリ言って、努力をすれば必ず報われる何というものはない。

 マインドセットとは単なる思考であって、人生必勝法ではない。

 どんなに努力しても、身分や貧富の格差があればチャンスを逃す事だってザラにあるだろう。

 だから「努力しない」とないらないのが彼らだ。

 一度テストで失敗した程度や会社の就職面接に落ちた程度ではヘコタレない。

 常に努力を続けて、自分のチャンスを見逃さないようにしている。

 しかし硬直マインドセットの人は、全力を嫌う。

 失敗した時に言い訳が出来ないからだ。誰のせいにもできない状況を嫌う。

 しなやかマインドセットの人は、失敗しようとしまいと関係ない。

 自分が前より成長したなら成功なのだ。

 

 

二つのマインドセットを持つ

 

 私達の多くは、どちらか一つのマインドセットを持っている訳ではない。

 例えば、英語は得意で進んで難しい問題にも挑戦するが、数学は逆に簡単な問題ばかり解いてそれ以上深めようとしない。

 分野によっても、しなやかだったり硬直だったりする。

 これは誰にでも当てはまるし、100%しなやかマインドセットを持つのは不可能だと考えられる。

 だが、常にしなやかマインドセットを持てるように心がけて置くのは非常に大切なことだ。

 

スポーツの成功者に必要なモノ

 

 スポーツにおいて最も必要なのは、地道な努力とここぞと言う時に普段の何倍もの成果を出せる精神力を持ち合わせる人間だ。

 大抵ニュースや新聞で一面を飾るような人は、単純な才能だけで成果を出している訳でない。

 今もどこかしらで必死にトレーニングを積んでいるだろう。

 出なければ、どんなに幼い時から始めようと「ちょっと他の人よりうまい人」で終わってしまう。

 そしてスポーツ業界には何年も下積みを余儀なくされた人は多い、だがそこで才能がないと諦めずに努力して成功した人も多い。

 本書の中では、そこまで有名で無いが全くの無名だったことに比べて、チャンスをつかんで成功した人たちをいくつも挙げていた。

 そして何より重要な事だが、自分一人で何かを成し遂げるスポーツは存在しないと言う事。

 どこかしらで誰かに助けてもらっている。

 硬直マインドセットの人は、チームスポーツでも一個人として考えているがしなやかマインドセットの人はチームの一人として考えている。

 

親や教師が硬直マインドセットだと弊害しかない

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 硬直マインドセットの人は自分を褒めて欲しい、つまり自己顕示欲が強い。

 それが親となれば、意識は自分から子どもに移る。

 つまり、良い大学や良い仕事に就くことで自分達の有能さを周囲に知らしめたいという欲求に駆られる。

 だから、子どもには特別手をかける。これ自体は問題ない。

 しかし、人生成功だけの人間はいない。必ず失敗するし挫折することも多々ある。

 例えば、東大に子どもが必死の勉強をした末に落ちたとしよう。

 硬直マインドセットの親は、その時点で子どもに興味を無くす。

 彼らが愛しているのは「東大に入学した子」であって「努力した子」ではない。

 さらに言えば、大学入学後に何を学ぶか、どう成長するかは毛ほども興味が無い。

 全ては自分達の評価を上げてくれる子ども、それだけなのだ。

 こんな親の元で育つ子どもまた、硬直マインドセットに囚われてしまう。

 両親の興味を損なわないように、難しいことではなく簡単なことをこなして有能さをアピールする。

 それだけに10代を費やした人は多いとは言わないが少なくないだろう。

 硬直マインドセットの子どもが辿る道が楽な道であっても成功できる道ではない事は、疑いようのないことだ。

 そしてさらに言えば、教師も硬直マインドセットとしなやかマインドセットの人に分かれる。

 硬直マインドセットの教師は、才能のない子どもに教えるのは浪費と考えて簡単なことばかりやらせて成長さようとしない。

 しなやかマインドセットの教師は、人は努力や困難を通して才能を伸ばせると考えている為、難しい問題にも挑戦させるし、間違えたらフィードバックも返す。

 そして、常に人は努力で変わる事を示し続ける。

 そんな教師の元で学べば、例えて他の子どもと知能で遅れをとっていようとも挽回のチャンスはいくら転がってくる。

 本書では、あるしなやかマインドセットの教師を挙げてどのように他より劣った子どもが、何倍も成長して行ったのかが書いてある。

 

書籍を読んだ感想

 

 本書を読んでいると、今まで自分がどれだけ硬直マインドセットの人間だったのかを痛感させられる。

 様々な人物の例を通して、しなやかマインドセットがいかに人生において重要な思考であるかを教えてくれた。

 もちろん再度言うが、しなやかマインドセットをもったから成功する訳ではない。

 しかし、何かに取り組んで例え失敗しても、次は成功すると考えて改善と努力に動けるのは必要なことだろう。

 本の中でも語られていたが、マインドセットを変えるのは容易な事ではない。

 根底から変える必要があるし、一度しなやかマインドセットになったからと言って気を緩めれば、すぐに硬直マインドセットのに逆戻りしてしまう。

 マインドセットを変える方法もいくつかは教えてくれた。

 しなやかマインドセットに転換する、難しいが変わるだけの価値があると思う。

 

終わりに

 

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【書評/感想】【アウトプット大全】知ってつもりで忘れていたアウトプット(output)方法

 

 

 

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著者・書籍情報

 

著者:樺沢紫苑(かばさわし しおん)

精神科医、作家

1965年、札幌生まれ。1991年、札幌医科大学医学部卒。

2004年からシカゴのイリノイ大学に3年間留学。帰国後、樺沢心理学研究所を設立。

「情報発信を通してメンタル疾患、自殺を予防する」をビジョンとし、累計40万人以上に精神医学や心理学、脳科学の知識・情報をわかりやすく伝える、「日本一アウトプットする精神科医」として活動している。

 著書に「読んだ忘れない読書術」「インプット大全」などがある。

 

 書籍【アウトプット大全】

 発売日2018/8/3

 

 アウトプットとはどのような事なのかを述べながら、いくつかの章に分かれアウトプットに関する実践的なアプローチをしている。

 

 

どんな人にお勧めか?

 

 「せっかく覚えたのに全然記憶に残らない!」

 「アウトプットが大事と言っても具体的どうすればいいの?」

 と考えている人にはオススメだ。

 本書は、アウトプットに関してかなり幅広い手段と方法を提示してくれるので、自分に合うアウトプットのやり方を見つけられる可能性は十分にある。

 

2週間に3回の復習

 

 本の中で紹介される如何なる方法も、2週間に3回の復習を通して初めて脳に定着を促すことが出来るのだ。

 いわば、書籍の根幹と言える部分であろう。

 だからかなり早い段階で、復習についての話が登場する。

 私は、分散学習を中心的に行うので2週間に3回と言うわけではない。

 しかし、定期的に学んだ事を振り返るという点で考えた方が同じであるため、少し日々の学習に取り入れようと考えた。

 そしてここを蔑ろにしてしまえば、ハッキリ言ってどんなアウトプットも意味がないと考えてもらいたい。

 アウトプットの方法は違えど、復習が大切なのは学問における当たり前の部分だ。

 

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書き出す 

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 当然と言えば当然だが、人が一番覚えているのはインプットした直後。

 つまり、読書なら読み終わってすぐのことだ。

 ここから、人は時間を追うごとに忘れて行く。ならば、それをノートに記録してしまえばいいではないか。

 書くという動作は、単に脳に存在する「意味記憶」を「運動性記憶」に昇華してくれる。

 ここいら辺は、本の中で具体的な説明が述べられていた。

 私は本を読み終わった直後に、よくノートに思い出せる範囲で書き出して寝る生活を送っている。

 ノートを書くのは非常に有効だ。

 しかも読書に限った話ではなく、映画でも良いし芸術鑑賞でもよい。

 なんならミュージカルを見た後でもいい。その時の記憶を紙に書いて保存しておくことで、忘れた頃に再度見直すことが可能になる。

 これは先に述べた、2週間に3回の話と関わってくる。

 定期的に自分が書いたノートを読みかえして、知識を定着させていくのだ。

 そして全体を通して見れば、インプット(読書)→アウトプット(ノートを書く)→読み返す(復習)の一連の動作であることが分かる。

 

メモを取る

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 メモを取る、べつに新しい事ではない。

 しかし、本を読んでいて共感できた大きなポイントでもある。

 と言うのも、日々生活をしてくなかで何の気なしに良いアイディアが閃く瞬間がある。

 しかし、それを放置すれば、いざ必要な瞬間になった時に何処へともなく消えてしまう。

 そんな経験はした事ないだろうか?

 多分大勢の人にあるのではないか。

 メモに書くということは、自分が思いついたアイディアをそのまま保存して置けるという事だ。

 このくらいなら誰でも思いつきそうだが、存外やっている人は少ない。

 なんなら私は微塵もやろうとすら思わなかった。

 しかし、試しに「これはよさげだな」と思った事を書いておくと、これがまた便利で仕方がない。

 無駄に覚えておく必要が無いし、使いたい時にはメモを見れば良いのでその分他の事に脳力を使える。

 これは是非とも有効活用していきたいものだ。

 ちなみに、スマホでメモをするよりも紙書い方がよいが、その理由は本のなかで語られている。

 

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30%のモノを完璧に仕上げる

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 多くの人は何かしらの制作・製作活動に携わった経験がないだろうか?

 それは、ブログでも良いし小説でも良い。現代で言えば、動画制作や映像編集でもよい。

 作る側としては、よいモノを作りたいと考えるのは至極当然のことだ。

 しかし、実際に作り始めると手が進まない進まない。

 それは、良いモノを作りたいという信念から来るプレッシャーのせいだ

 例えば小説程度と思って書いてみても、200文字くらいしか書けない経験をしたことないだろうか。

 誰にでも響く素晴らしい文章を書こうとして、全く物語が進まない。

 では、そんな状況をどう解決したらよいだろうか?

 まずは30%のモノを作る。

 もう少し砕いてい言えば、とりあえず初めから終わりまで作り、そのあと修正を掛ける。

 そこから誤字脱字はもちろんのこと、修正加筆を加えて文書のボリューム感を出していく。

 こうする事によって、全体としても出来のよいモノが作られる。

 なので、筆や作業が進まないのであればまずは一気に書き上げて見て、不要な部分をそぎ落とし追加していく方が早いだろう。

 重要なのは、最初から完璧なモノは作れないし、無駄に時間をかけたところで完成もしないという事を理解することだ。

 

ボーとする方が疲れる

 

 意外かもしれないが、ボーとしている状態はかなり脳が活発になっている。

 本書では、ワシントン大学の研究を挙げてボーとしている状態の人は脳が15倍も活発に活動していると話ていた。

 著名な作家たちも、シャワーを浴びたりトイレの中で重要なアイディアを閃くことが多い。

 それは、脳が特にする事がなくゆったりと落ち着いてボーとしている状態になっているからこそ成立するものだ。

 だから本来なら、意図的にボーとしている状態を作り出すのが最適だろう。

 しかし、世の中そう上手くは出来ていない。

 人間というのは元来退屈な状況が嫌いなのだ。

 インフルエンザで学校を休んで「ラッキー!」と思っていても、段々と家にいる生活に飽きがきて、学校に行きたいと懇願した。

 そんな経験はないだろうか。

 しかし、事実はボーしていた方が素晴らしいアイディアを思いつくと言っている。

 だから私達は出来るだけスマホを見ないでボーとする時間を作るべきなのだ。

 散歩でもいいだろう、何もせずに椅子に座っているいるのもの良いだろう。

 

本書を読んだ感想

 

 もちろん端から端まで全部素晴らしい訳ではない。

 主観的な部分があったり、その判断は大丈夫なのかと考える点もあった。

 そして、何より元から知っていることが、多い印象があった。

 だからと言って「俺は知識があるぜ」と言いたいわけではない。

 知っていたが忘れていたモノばかりで、新しい知識としては新鮮味が無かったと言えよう。

 逆に言えば、自分にとって有効になりそうな方法を再度提示してもらえたのは幸運と考えるべきか

 この著者の「インプット大全」も読んだが、あちらの方が色々と書いた気がした。

 こちらは、やはり売れている本というだけあって、読んで得した気分にはさせてくれるだろう。

 

終わりに

 

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【書評/感想】【私たちは子どもに何ができるのか 非認知能力を育み、格差に挑む】子どものとどう接するのか?

 

研究者がしてきたように、もっと上手くできるはずだと、まずはしっかり認識することだ。

byポール・タフ


 

 

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著者・書籍情報

 

 著者:ポール・タフ

 「ハーパーズ・マガジン」「ニューヨークタイムズ・マガジン」編集記者を経て、フリーのジャーナリストなる。

 子供の貧困と教育政策を専門に多数の執筆・講演活動を行う。

 その他の著書に「成功する子 失敗する子」(英治出版)がある。

 

 【私たちは子どもに何ができるのか 非認知能力を育み、格差に挑む】

 発売日2017/9/6

 

 主に貧困の子どもたちを中心に、アメリカで起こる貧富の有無でどれくらい学力面でも精神面でも差が生まれてしまうのかを話している。

 そして23の見出しでどのようにして広がった差を縮めるのか、特徴的な制度や授業を行う学校や各施設、制度を取り上げて解説している。

 

 

どんな人にお勧めか?

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 「もうすぐ子どもが生まれてくるけど、ちゃんと育てられるか心配だ」

 「うちの子は、言うことを聞かないので手こずっている」

 などと考えている人は、是非見ることをオススメする。

 子どもが生まれてから、どのように接して、どんなことが幼い幼児に悪影響を与えてしまうのかを、本書に登場する貧困層の子どもから学べる。

 多少、普段本を読まない人では難しいと感じてしまう事もあるかもしれないが、子の親なら必ず見て損はない。

 

子育てに必要な知識を得る

 

 子どもが生まれた場合、その瞬間から勝負である

 本書では「非認知能力」すなわち、やり抜く力、自制心、楽観的な物の見方などをどのようにして手にれていくのかを話している。

 非認知能力は、教えれば身に就くものではなく「環境」によって生まれる

 特に、23の見出しの中で注目されるのは「親」の存在と思える。

 と言うのも、子どもが最初に接する人間関係は、自分の親だ。

 その環境が上手く整っていなければ子どもは、不安を抱えて成長することとなる。

 それは、必ず弊害をもたらす。

 落ち着きがなかったり、暴力的で他者と協力をして何かを行うなど考えられない。 

 印象に残っている文章は、口論をよく頻繁にする家の子どもとそうでない子どもでは、脳が「外の世界を安全」と考えているか「外の世界を危険だ変化に備えろ!」としているかで大きく変わっていたことだ。

 また、逆境の話では親が捕まったり虐待を受けたり、離婚したりすることが「子供時代の逆境」の数を増やし、それらはガンの発生リスクや心臓病のリスクを増やす要因なりことが挙げられている。

 

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教師も見るべき

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 この書籍のタイトルにある、「私たち」とは何も親だけではない。

 子どもを指導する側である教師たちも、対象となっている。

 「いっさい許容しない」を掲げている校則の厳しい学校は本当に安全や効率を守れているのだうか?

 この点も、本の中で話されていて非常に面白いところだった。

 また、授業のやり方もただ教えて勉強をさせるのではなく、チームを組ませたり話をの場を設けた方が成績も上がる。

 なぜなら、自分達で難しい課題を考えて協力して対処するからだ。

 社会で生きて行くには、どれも必要な要素だ。

 先生が答えを教えるのでなく、考えた末にでた答えにフィードバックを送ってく。

 それが、子どもたちを成長させる。

 しかし、その効果が証明されてもなお、教育に取り入れるアメリカの学校が少ないことに不満を覚えた。

 子どもたちに対する評価の仕方や接し方は、親と同じくらいに気を使わなければいけない部分だ。

 教師の中には認知能力を鍛えられる人がいて、そう言う人間は大抵良い評価をされてボーナスを多くもらえる。

 逆に非認知能力を鍛えられ人がいて、彼らの存在があることで子どもの出席率や留年率、停学率を押さえることが出来る。

 しかし、こうした人たちにボーナスはない。

 こうなると、せっかく子どもたちの非認知能力を鍛えれる才能があるのに、やり方を変えてしまうかもしれない。

 学校全体が、一度制度や校則を見直さなければいけない必要があると考えさせられた。

 

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子どもと接すること

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 これから、流速がさらに加速する現代で生き残るには認知能力的な要素では、物足りない。

 非認知能力といった、やり抜く力、自制心、楽観的な物の見方が必要になって来る。

 もう単純にいい大学を出ていれば成功する時代でない。

 創造的なアイディアを思いつき、実行し、継続することが大事だ。

 本書の中では、後半にかけて考察しながらどのようにして貧困層の子どもたちを、平均レベルまで持ち上げるのかを考えていた。

 その中でもいくつか解決に繋がりそうなアイディアも出ている。

 しかし、本書を通して言えることは、親が子どもに正面から向き合って対応する事である。

 特に興味深いのはロシアの孤児院のストーリーで、子どもたちに対するスタッフの態度や接し方を変えただけで、身長や体重、胸囲が増加したというものだ

 親しみを込めて軽い会話をするようになっただけで、こうも大きな変化が訪れる事を考えれば、いかに子どもたちに愛情をもって接するのが大切か分かる。

 たとえそれが、幼児期の赤ちゃんではなく小学生くらいの子どもでも同じだ

 効果は大きくないかもしれないが、子どもが信頼し安心できる人間関係を持つことは非常に重要なのだ。

 

終わりに

 

 これから子育てをする方は是非本書を手に取っていただきたい。

 ここまで、見てくださり本当に有難うございます。

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【書評】「僕らはそれに抵抗できない 「依存症ビジネス」のつくられかた」で見る、スマホ・ゲーム依存の問題と改善とは?

 

 「ピクルスになった脳は、二度とキュウリには戻れません」

byヒラリー・キャッシュ


 

 

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書籍・著者情報

 

著者:アダム・オルター

 ニューヨーク大学のスターン・スクール・オブ・ビジネスのマーケティング学科准教授。

 専門は行動心理学、マーケティング、判断と意思決定の心理学。

「ニューヨークタイムズ」「ニューヨーカー」「WIRED」「ハフポスト」など、多数の出版物やウェブサイトで精力的に活動する。

 他にも、カンヌ国際映画祭やTEDにも登壇。

 2013年の著書「心理学が教える人生のヒント」(林田陽子訳)、日経BP社、2013年はニューヨークタイムズのベストセラーとなり、マルコム・グラッドウェルやダン・アリエリーから絶賛されている。

 

【僕らはそれに抵抗できない 「依存症ビジネス」のつくられかた

 発売日2019/7/10

 

 「依存症ビジネス」がどのようにして人々の心理にマッチし、依存からの脱却を不可能にしているのかを語っている。

 内容は主に行動依存や薬物依存の似ている点や、ゲーム中毒がどうして起きるのかを人々の心理的な面から、各データを使って話している。

 

  

どんな人向けなのか?

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 「勉強しなきゃ行けないのにスマホを離せない」

 「企画を終わらせないと間に合わないのに、動画の続きが気になる……」

 日々そう考える人にオススメだ。

 本書は、近年のスマホ依存・ゲーム依存を中心に、その他の買い物依存などを述べた書籍の中では、非常にわかりやすく紹介している本である。

 専門的な用語も多くなく、身近なアプリまたはゲームなどを挙げているので理解が追い付かない事もない。

 なぜ自分がいつになってもスマホ依存・ゲーム依存症からの脱却が出来ないのかを少なくとも納得できる形に持っていけると思える。

 また本書に出てくる、臨床心理士ヒラリー・キャッシュの

「ピクルスになった脳は、二度とキュウリには戻れません」

 一言が依存に対する考えを変えてくるだろう。

 

 

人は比べたがる

 

 この書籍におけるもっとも本論的部分は、人々の心に響くテクニックの部分である

 なぜTwitterやFacebookでいいね!やコメントを押したり返したりするのかを、分かりやすく紹介している。

 誰しも、自分が投稿した写真や文章に何かしらのフィードバックがあるのは嬉しい物だ。

 しかし、それが四六時中スマホ画面を見続ける原因となる。

 かのスティーブ・ジョブズは子どもにiPadを触らせなかったが、本の中でもそれについて書かれていた。

 自分のフォロワーと誰かのフォロワーの数を比較したり、「いいね!」の数を見る比べる。

 ここからは分かるは、人は自分がどんな評価をされているのか気になる生き物だという事。

 そんな事ないと考える人もいるだろうが、実際はそうだ。

 だからこそ、YouTubeやTwitter、Facebook、Instagramはビジネスとして成り立つ。

 ハッキリ言って似たようなシステムのアプリは五万と存在する。

 しかし、それらを押さえて現在の地位を築けたのは、それを使う消費者の比較したりフィードバックが欲しい気持ちを知っているからだ。

 あの可愛らしい「ハート」も「いいね」も「グッドボタン」も意味がある。

 それは私達が考えるほど単純じゃない意味が。

 

動画依存にハマるわけ 

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 SNSにおける依存は正直何となく理解していた部分もあった。

 だから改めて本書を読んで、理解を深めたと考えるが適切であろう。

 しかし、動画依存はそうではない。

 本に書かれたテクニックの内、いくつかは主にゲームや動画に関係している印象を受けた。

 任天堂の「マリオ」の生みの親である宮本茂を筆頭にテトリスなど、時代を制した大御所的なゲームを名前に挙げて、その成功の裏にある心理的な部分を中心に話を広げて行く。

 しかし私が特に気に入っているのは、クリフトハンガー効果だ

 クリフトハンガー効果は、簡単に言えば「先が気になると言う欲求」である。

 映画やアニメなどで使われる手法の一つで、個人的な話では「ジョジョの奇妙な冒険」が、毎回クリフハンガー効果を使っていると考えるくらい、次回への誘導が上手いと思っている。

 そしてクリフハンガー効果を最大限に利用したのがネットフリックス。

 彼らは自動再生という名の拘束具で視聴者を、画面の前から話さない。

 例えば、気になるアニメがあったとして「次回が気になる!」と思うだろう。

 そこに自動再生が囁きかける「いま次の回を再生中だよ」とな。

 気が付けばアニメを1クールどころか2クール見て、日の出と共に就寝するのだ

 

 

いかに回避するか

 

 大抵の人がいろいろ面倒くさい方法でスマホやゲームを無くそうとしている

 だが、いくら対策を立てようともキッカケや環境が変わらない限り意味はない。

 しかし、逆を言えばキッカケがさえ変えてしまえばいいのだ。

 以前、ハマっていたゲームをやめる為にゲームを売ってセーブデータを完全に削除したことがある。

 (おかげで今は、ゲームそのものを余りやらなくなったが)

 スマホでは、滞在時間が長いと分かるアプリは画面ロックを解いてすぐのホーム画面には置かないようにした。

 後は設定でバーナーやバッチを非表示にしたりもした。

 (今はそれなりに効果があると考えている。)

 重要なのは、そのアプリに辿り着くまでが長いことだ。

 アプリをいじらないようにする設定が長くても意味はない

 いっその事、ファイルの奥底にYouTubeアプリを入れて眠らせてもいい。

 大抵、辿り着くまでにやる気が無くなるか自分の過ちを自覚するからだ。

 「いや、俺はどんなところに入れようと絶対に辿り着くぞ」と考えているだろう。

 取り敢えず試してみて、本当にそうなったらこの記事を閉じて、早急に医療施設に行くことをオススメする。

 

終わりに

 

 ここまで、見てくださり本当に有難うございます。

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