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「感想/書評」【PIXAR 世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話】倒産寸前のピクサーとスティーブ・ジョブズを救ったのは誰だ?

 

 

 

 

著者・書籍情報

 

 著者:ローレンス・レビー

 ロンドン生まれ。インディアナ大学卒、ハーバード・ロールスクール修了。シリコンバレーの弁護士から会社経営に転じたあと、1994年にスティーブ・ジョブズ自身から声を掛けられて、ピクサー・アニメーション・スタジオの最高財務責任者(CFO)兼社長室メンバーに転進。

 

 書籍:「PIXAR 世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話」

 発売日:2019/3/19

 あの「トイストーリー」や「モンスターズインク」「アナと雪の女王」等々、数々の大ヒット作を生み出しディズニーと対等の立場に居る、ピクサーだがその過去は波乱に見ており、二人の男とピクサーの社員による奮闘を作中では見ることが出来る。

 

どんな人にお勧めか?

 

 「最初から大成功を収めてたんでしょ?」

 「スティーブ・ジョブズが成長させたんでしょ?」

 と考える方は是非とも本書を手に取ってみることをオススメする。従来のピクサーに関する書籍の様に組織体制や仕事のやり方とは違って、クローズドしたお金に関わる重要な部分に視点を合わせている。

 

作品の主人公は元弁護士

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 この話の主人公は何と言っても、著者自身であるローレンス・レビー氏だ。

 ある日、スティーブ・ジョブズから電話を貰い、ピクサーへ見学した時に見た、試作段階の「トイストーリー」に痛く感動した。

 しかし、ピクサーがどこを目指しているのかが明確に掴めない中での転職は非常にリスクであり、作中で悩んでいるシーンが伺えた。

 だが、意を決して転身してみれば、そこに待っていたのは赤字続きでいつ倒産してもおかしくない企業経営の惨状だった。

 スティーブ・ジョブズがわざわざ小切手を責任者に渡さなければ、ピクサーは社員に給料すら払えていない事実。

 そして、既にそんな状態が10年以上も続いてたという現実。

 さらに、公開する予定の「トイストーリー」が大ヒットしたとしても、ディズニーと結んだ契約により、売り上げの10%しか収益を得られず、会社を存続させるには「トイストーリー2」「バグズ・ライフ」を連続で超大ヒットさせなければならない試練が待ち受けていた。

 それだけでなく、スティーブ・ジョブズとピクサー社員の不和やジョブズ自身から早く企業を上場させたいという、とてもじゃないが不可能な要求を抱え込んで、様々な人間と協力し、時には期待外れな結果を出してしまうなど紆余曲折を経て、ついに世界で最初のアニメーション映画「トイストーリー」を公開させた。

 スティーブ・ジョブズの史上では、あっさりと語られていたピクサーの大成功だが、ローレンス無くしてアップルに再度CEOとして就任できなかったのは事実。

 今まで語られずにいた、有名企業の影の立役者たちにフォーカスした作品であった。

 社員の理想と現実のギャップを埋める、ローレンスはこの困難をどのようにして乗り越えたのかは、是非とも自分の目で確かめて欲しい。

 

陰りがある頃のスティーブ・ジョブズ

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 この本の中に登場する二人目の主人公はスティーブ・ジョブズである。

 しかし、私達が認識してるような傲慢で大胆で率直でカリスマ性がある彼を想像すると、少し意外な側面を見れるかもしれない。

 というのも、時代はまだスティーブ・ジョブズがアップルに復帰する前の時期で、アップルコンピュータで成功したものの、取締役会で辞めさせられた過去をまだ背負っているいわば「陰りのジョブズ」だ。

 iPhoneやiPadと言った歴史を変える製品を生み出す前であるから、余計に不思議な感覚を持つだろう。

 作中でスティーブ・ジョブズが噂通りに激昂したり社員に悪態をつく事は殆どない。むしろローレンスと共に二人考え、実行し時には譲れない部分を強調するなど、他のジョブズ作品ではお目に掛かれない。

 さらに、曖昧な返答をしたり交渉すべきかを悩んだりと、比較的「我々と変わらない」人間的な側面を見れるのは魅力的だ。

 著者曰く、「テクノロジーでは優秀でも、彼は映画の知識が無い」と回答してる。

 また、「素晴らしい考えやアイデアがある反面、全く的外れな考えを持っている」と言わしめる程に発言には落差がある。

 この点も、我々が知るスティーブ・ジョブズ像から離れている部分かもしれない。

 スティーブ・ジョブズとローレンス・レビーは、アップル社で言うところのスティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアックの様な立ち位置だった。

 いわば、アニメーション版アップルを作っている、そんな風にも感じられる。

 ローレンスの家の近くにスティーブの家があり、ローレンスが骨折した際には会社まで送り届けた。

 またジョブズが療養中、ローレンスは勝手口から家に入る事を許可された数少ない人物であり、その信頼度の高さが伺えるだろう。

 

本を読んだ感想

 

 多くの成功者や企業は、まるで最初からこうなる事を予測していたような口ぶりで話すことが常だ。

 ピクサーもそれの例に溺れず、スティーブ・ジョブズが居たから成功したという印象を持つかもしれない。

 しかし、本書を見ればどのようにしてあの大成功を成したのかは一目瞭然。

 我々は天才を過大評価しすぎている。そこに居る影の英雄達の多大なる助けがなければ何一つとして成功は出来ないのだ。

 それは仮に車を作る才能があっても、それを操縦する人間やガソリンがなければスポーツカーですらお飾りの置物に過ぎない。

 本書を読んで、全体として株の知識やアメリカ流の契約事情なども話されて、ある種の勉強になった。

 また、ストーリー形式で語られるので著者の心情などにも共感でき、感動した場面はいくつもある。

 ピクサーの才能あふれるメンバーが行う、全く収益の上がらない事業などを見ていると、必ずしも一つの才能に秀でているからと言って、他でも優れている訳ではないという事が分かった。

 久々に企業の裏話的な本を買ったが非常に良かったと思う。

 

終わりに

 

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「感想/書評」【Think Smart 間違った思い込みを避けて、賢く生き抜くための思考法】我々の犯す間違いはここにある

 

 

 

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著者・書籍情報

 

 著者:ロルフ・ドベリ

 作家、実業家でスイスのザンクトガレン大学で経営学と哲学を学び、博士号を取得。スイス航空会社の複数の子会社で最高財務責任者、最高経営責任者を歴任後、ビジネス書の要約を提供する世界最大規模のオンライン・ライブラリーを設立。

 その他の著書に「Think clearly」がある。

 

 書籍:【Think Smart】

 発売日2020/1/25

 人々がそれぞれの職業や階級の垣根を越えて陥ってしまう、心理的な思考を52にも分けて紹介している。

 

 

どんな人にお勧めか?

 

 「人はどんな心理に影響を受けているのだろう?」

 「間違やミスを犯すのは何が原因なのか」

 と考えている人にはオススメとなっている。読めば、そうなんだと納得する様な数々の思考の誤りを教えてくれるだろう。

 

自分のアイディアに夢中になる理由

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 この章では、著者の実体験なのか魚のソースについて自分の妻とアレコレやり取りする会話が書かれている。

 ザックリ言えば、NIH症候群と呼ばれるものに著者は引っかかってしまったという話だ。

 「NIH症候群」とは何とも恐ろしい響きだが、不治の病でも感染症でもない。

 「自分の知らない所で作られたもの、つまりここで発明されていないものについて、我々はネガティブな評価を下してしまう」と言いのが、NIH症候群である。

 これは私達が「自ら考えだしたアイディア」に夢中になる原因として紹介されていた。ある分野の解決策やビジネスのアイディアなどにも適用される。

 自分のアイディアは高く評価し、相手のアイディアは否定する。そんな経験を一度でもした事のある人は、むしろNIH症候群に一杯食わされたと考えてもいいだろう。

 

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労力をかけると大事に思える

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 努力して手に入れた物や、作り出した物は「努力の正当化」によって実際以上に価値があるように見えてしまう。

 「努力の正当化」は、「認知的不協和」の特殊な例である。

 認知的不協和とは、自分の中で矛盾するふたつの事実を抱えた時に、人が感じる「不快感」のことだ。

 自分が作った物に何の価値が無くても、そのバランスの悪さを調整するように、その物の価値を過大評価して神聖な物にしてしまう。

 つまり、努力したり時間をかけたりしたモノには、特に注意しよう。

 ゲームでもテストでも、何でもそうだが傍から見たら無価値に見えるモノも、「努力の正当化」によって神格化されているだけの可能性があるからだ。

 

なぜ他の人も同じ考えだと思うのか

 

 他の人も自分と同じように考えているだろうと感じて、ついそう思い込んでしまうの「偽の合意効果」と呼ばれている。

 この傾向は、スタンフォード大学の心理学者リー・ロスによって、1977年に見出された。

 

 ロスは「ジョーのレストランで食事しよう」という宣伝文句の書かれた看板をつくり、無作為に選んだ学生たちに「サンドイッチマンのようにこの看板を身につけてキャンパスを30分歩いてほしい」と頼んだ。

 同時に、「どれくらいの学生がこの頼みを承諾すると思うか」とも尋ねた。

 結果は、承諾した学生の大半が(62%)が他の学生も自分と同じように承諾するだろうと答えた。

 それに対して頼みを断った学生は、自分と同じように(67%)サンドイッチマンの格好をするのは馬鹿馬鹿しいと考えるだろうと答えた。

 

 つまりは、頼みを承諾した学生も断った学生も、「自分の意見が多数派」だと思い込んでいたのだ。

 

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稼いだ金と拾った金で扱いが変わる

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 例えば道端に1万円が落ちていたとしよう。それを無条件で自分の物になる場合に、どう使うだろうか?

 自分があくせく苦戦して稼いだお金は、貯金したり投資したりして増やそうと考えるかもしれない。

 ところが、思いがけず拾った1万円を手に入れた場合に、貯金しようと考えるだろうか?

 アメリカの経済学者リチャード・セイラーはこの現象を「ハウスマネー効果」と呼んでいる。私達は、「予想外の利益を手にすると、リスクに無頓着になる傾向」があると言いうのだ。

 つまり、好きな物を買ったり不必要な出費を増やしてしまう可能性があると。

 当たり前だが、予防策として「思いがけずお金が手に入った」時は、より注意しておくことが重要だ。

 

自分自身の感情に操られているわけ

 

 もっともよく用いられるヒューリスティックの一つに「感情のヒューリスティック」がある。

 私達は「とっさに沸き起こった感情」によって、好きか嫌いかの判断を下す。

 例えば対象が原子力であろと、有機野菜であろうと、私立の学校であろうと、バイクの運転であっても、あなたがそれらの「リスク」と「利益」をどのように評価するのかは、あなたの感情に委ねられている。

 何であれ対象を「好き」だと感じれば、「リスクが少なく、利益は大きい」と感じるかもしれない。

 このように一見、論理的に物事を判断しているようで実はその時々の感情によって物事を判断していることは多々あるのだ。

 

何もところに法則を見つける理由

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 あなたにも、雲が人の顔に見えたり、岩が動物の形に見えたりした経験は無いだろうか?

 私達の脳は「パターンや法則を探す」という特性を持ってる。

 ランダムに起きる現象を脳が認めたがらず、何らかのパターンや法則を見出そうとするこうした現象は「クラスター錯覚」と呼ばれている。

 一見すると無害に思えるだろうが、必ずしもそうとは限らない。

 例えば、株式投資をしていた時に、あるXが発生すると毎回Zという株が上がった。だからXが発生したらZを買った方がいい、と思い込んでしまうかもしれない。

 しかし、実際のところは単なる偶然に過ぎない事の方が多い。

 つまり法則の無い所に無理やり法則を見出してしまうのだ。

 それが積もりに積もれば、やがて大損を出してしまう可能性もある。私たちは、まず単なる偶然から物事を判断しなければいけない。

 偶然にしては出来過ぎていると感じたら、数学の得意な人を探して、データを統計的に調べてもらうといい。

 

本を読んだ感想

 

 前著の「Think clearly」を一度読んでいるのだが、個人的には本書である【Think Smart】の方が有益な情報を載せている印象だ。

 もちろん参考文献もあるし、人が陥りる思考の罠をいくつも紹介していているが割とページ数がないので、サクサク読めるようになっている。

 私の同じ著者の本で薦めるなら【Think Smart】だろうと思う。

 

終わりに

 

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「感想/書評」【ロスの精神科医が教える 科学的に正しい 疲労回復 最強の教科書】日々の悩みを解決したい時に使うべき

 

 

 

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著者・書籍情報

 

 著者:久賀谷亮

 イェール大学医学部精神神経科卒業。アメリカ神経科医学会認定医。日本で臨床および新契約の研究に取り組んだあと、イェール大学で先端脳科学研究に携わり、同大学で臨床医としてアメリカ屈指の精神医療の現場に8年従事する

 その他の著書に【最高の休憩】がある。

 

 書籍:【ロスの精神科医が教える 科学的に正しい 疲労回復 最強の教科書】

 発売日2019/8/15

 逐一論文を参照しながら、日々の生活で行き詰った時の対処法をいくつかの章に分けて幅広く述べている。

 

 

 

どんな人にお勧めか?

 

 「仕事の事で頭がいっぱいだ!」

 「ストレスから逃げられない」

 と言った考えを持っている方にはオススメとなっている。内容がスラスラと読めるので普段は本を読まない人でも最後まで通して読める、そんな一冊だ。

 

脳を空白にする

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 人は一日に5万個にも及ぶ考えの8割はネガティブだと言われています。

 しかし、私達は将来を厳しく見積もる事で慎重になり生存のチャンスを上げてきました。

 例えば、カーネギーメロン大学のシーフらは、HIVテストを受ける50人の被験者に、もし結果が陽性だったらどれぐらい辛いかを予測させる実験を行いました。また実際に結果が「陽性」だった人は、結果から5週間後、辛さのレベルを予測値と比較させる試みを行いました。その結果、検査前の平均予測値は94.7だったが、陽性が判明したのちには77.6であることが分かりました。

 つまり、我々は実際の辛さを2~3割程厳しめに見積もっている事が分かります。

 しかし、現代における悲観的な見積もりは必要以上に不安を煽る事になります。脳から空白のスペースを奪い疲弊させます。だからなるべく楽観性を高めて予防するのが得策です。

 事実、ストレスに強い人は性質について研究すると楽観性がとても高いのです。ベトナム戦争における2000人以上のアメリカ人捕虜を37年間に渡って追跡した研究でも確認されています。

 

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「まいっか」を口癖に 

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 「まいっか」や「しょうがない」と言った言葉は一見敗北宣言のように聞こえますが、この積極的な受け入れ、つまり自分ではどうにもできない「完璧」とのズレを修正する言葉です。

 私達は常に「完全」とか「完璧」など不可能であると理解していも、過度に追及してしまいます。この時の脳では帯状状皮質という奥深い構造物が関係していると分かっています。そして完全を求めすぎると脳が全力稼働し、バーストします。

 完璧主義の人が理想と現実にギャップを感じると、うつになったり自尊心の低下が起きたりするということも分かっています。だから「まいっか」を口癖にしてある程度の事は受けれられうようにしましょう。

 

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仕事と自分を切り離す

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 サードプレイスとい言葉をご存じでしょうか?

 スターバックスがそれを目指しているのですが、家と仕事場以外の心を許せる場所の事です。これは1980年代にアメリカ人レイ・オルデンバーグが提唱したとされています。

 サードプレイスは、仕事とも家とも違う人間関係があるところがおすすめです。そこでのソーシャルコネクションは長寿やメンタルヘルス、幸せに作用するともいわれています。

 450人以上の救命救急医についてのドイツの研究では、女性医師はストレス下で「逃げる」という方法を男性医師より多く行うとともに、ストレスを発散する為に必要な時は逃げて他人に助けを求める傾向がありました。

 

  北コロラド大学のソーカップは、「チャットルーム」などのオンライン、あるいはバーチャルのサードプレイスの心身への効果を唱えています。

 

一日のスケジュールの2割は空白にする

 

 仕事で押しつぶされている人の大半は、睡眠が十分に摂れていません。仕事が忙しくて睡眠を削る。ストレスに押しつぶされて、脳が忙しく眠れなくなる。

 イギリスの労働者のデータでは、仕事後にも仕事の事を考えてしまう人が8割という高いレベルでした。

 大分大学などの500万人以上のデータによるメタ解析によると、6時間未満の睡眠は死亡率上と関係する事も分かっています。

 仕事が忙しい人は、睡眠から逆算して一日をスケジューリングして見てください。さらに一日の中で必ず「空白」の時間を設けましょう。

 スマニア大学のバートレットらが、職場でのマインドフルネスの効果を検討したメタ解析によれば、ストレス、不安、睡眠など、健康全体の改善が認められました。

 

通りすがりの人の幸福を望む

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東北大学院大学の大竹らは2006年、70人以上の女子大学生を調査した結果、一週間の親切な行動が幸福度を上げることを報告しました。

 さらには27の研究、4000人以上の対象者に基づくメタ解析でも、親切は軽度から中程度の幸せを上昇させる効果があることが確認されています。

 

 ボランティア活動は人の幸福度を上げます。その効果は特に、30代を過ぎてから顕著になり、サウサンプトン大学のタバサムらのデータから分かっています。

 ブリティッシュコロンビア大学の調査によると、人は自分にお金を使うより、他人にお金を使った方が幸せになれることが分かっています。

 もちろん自分をケアせずに他人に与えてばかりいるのも問題ですが、他人に期待したり見返りを望んでばかりいるのではないく、本当は他人にあたえることで人は幸せになるということです。

 実はほんの1、2分だけ見知らぬ人とすれ違う時にその人の幸せを望むと、その間に幸福度が上昇したという研究結果があります。

 些細な事でも相手を思いやると幸福度は上がるようです。

 

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本を読んだ感想

 

 著者の本を読んだのは「最高の休憩」と併せて二冊目になるが、今回もかなりライトで分かりやすく、さらに論文を使いながらも日常にフォーカスした内容であった。ちょっと何かに困った時は役に立つ相棒になるのではないだろか。

 しかし、ライトな内容だけに読んだら即解決するとまでは言い切れないので、その時はより専門的な本を読んだ方が良い。

 ケースバイケースで上手く使い分けて行くのが、最善だと思われる一冊だった。

 

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終わりに

 

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「感想/書評」【最高の休憩】瞑想しない理由がない

 

 

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著者・書籍情報

 

 著者:久賀谷 亮

 イェール大学医学部精神神経科卒業。アメリカ神経科医学会認定医。日本で臨床および新契約の研究に取り組んだあと、イェール大学で先端脳科学研究に携わり、同大学で臨床医としてアメリカ屈指の精神医療の現場に8年従事する。

 

 書籍:【最高の休憩】

 発売日2016/7/28

 各論文を参考に、一つの物語形式で話が進むので非常に分かりやすくまたスラスラ読める本となっている。

 

 

どんな人にお勧めか?

 

 「短気な性格をどうにかしたい」

 「いつも時間に追われている」

 そんな考えを持つ人にオススメとなっている。

 全部は話せないが、本書に出てくる主人公が正にそのような悩みを抱えていて、それをどう解決するのか見てみるといいだろう。

 

瞑想で疲れない脳を作る

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 瞑想と聞くと東洋の神秘的な要素を思い出す人も居るだろう。つまり、眉唾物ではないかと。

 ところが、本書で紹介されているマインドフルネス瞑想は科学的な根拠的ちゃんと出てきているのだ。

 例えば、2009年にニューヨークのマイケル・クラスナーが発表した報告では、70人の医師にマインドフルネスプログラムを実施したところ、燃え尽き症候群などが20%も改善したという。

 さらにジャドソン・ブリューアーが2011年に発表した論文では、10年以上の瞑想経験がある人に、マインドフルネス・セッションを行った時に脳の活動を測定したら、内側前頭前野と後帯状皮質の活動が低下してた。

 それはつまり、DMN(デフォルト・モード・ネットワーク)を司る部分で、ぼーとしている時でも常時働いてる箇所だ。

 しかし、DMNは脳の全エネルギー60~80%を占めているとも言われ、このDMNを抑えなければ勝手に脳は疲れていく。

 ぼーとしている時に浮かんでくる雑念が、脳疲労の原因であるという事。

 瞑想することでそれらの活動を抑える効果があることも研究で見られている。

 

瞑想は習慣が第一

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 まずは瞑想を一日5分でも良いから続けることが重要だ。マインドフルネスの短期介入では5日間の瞑想で効果があったとう報告もある。

 さらに10年以上も瞑想を続けている人は、DMNの変化も大きい。

 そして何よりも、脳の集中力を妨げるのはマルチタスクだ。

 近年でもマルチタスクの弊害を綴った本はあるが、本書もその一つである。

 現代は悲しくもながら作業をもてはやされる時代だっと言ってもいい。

 しかし、マルチタスクは人の集中力をすり減らしていく要因になる。

 その点マインドフルネスでは、ある人事課スタッフたちを対象にスケジュール管理に追われているスタッフの内、マインドフルネスを週2時間、5週にわたり行うと、仕事に対する集中力が高まった結果がある。

 

 さらにマインドフルネス瞑想はフローと関連しているとも言われている。瞑想を行うことで、後帯状皮質の活動を低下させて自己意識を隅に追いやることこそフローであると。

 また、集中力・注意力に関してはADHDにもマインドフルネスが有効だという研究結果もある。つまり、落ち着きのない、集中力に欠ける人々も、マインドフルネス瞑想で注意力を高めるようだ。

 

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扁桃体を抑えてはいけない

 

 簡単な話、前頭葉が人間の理性で扁桃体は感情的な部分だ。

 そしてこれらのバランスがちゃんと取れていないと、パニック発作のようなモノを発症しやすくなる。

 しかし、マインドフルネを行うと不安感を鎮める作用の他に、脳画像研究の解析結果では、前頭葉と扁桃体の関係も改善する効果が認められた。

 さらにストレスの捉え方も多分に変化が訪れる。

 あるグループが2010年に報告されたところでは、マインドフルネス・ストレス低減法により、右側の扁桃体で灰白質の密度が減り、扁桃体の活動が弱まったことがわかった

 

  そして何より、疲労感と言うのは脳が感じる現象でマインドフルネスや認知行動療法を行うことで、重度の疲労感を持つ慢性疲労症候群の患者に運動指導と同じくらいのカウンセリング効果があった。

 その他に多発性硬化症などは2014年のメタ分析では、マインドフルネスを行う事で患者の疲労感を改善した事例が紹介されている。

 

 

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怒りと疲れの関連

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 怒りは脳の扁桃体が影響している。扁桃体は外部からの過度の刺激を受けると、脳全体に影響して扁桃体のハイジャックなどとも呼ばれる現象が起きる。

 これはアドレナリンが分泌されて脳の思考活動が抑制されるので、前後の見境が無くなったりする。

 さらに目的意識がある人ほど、怒りやすくなる。

 タスク・オリエンティッドは、目的意識が強すぎるとゆとりがなくなり、怒りやすくなることを刺している。

 牧師を志望する学生を対象に二つのグループに分けて、片方には「OO時までに次のクラスへ行きなさい」と伝える。もう片方には場所を教えても時間は指定しなかった。そしてどちらの学生にも、道中で助けを求める人が現れる。しかし、あらかじめ時間をしてされた生徒は困っている人を助ける割合が低かった。

  このように、牧師を目指す人ですら本来の目的(人を助ける)を忘れて、目の前の時間だけに追われてしまうという皮肉な結果になった。

 これらも適切に瞑想を行うことで、改善できる。

 

本を読んだ感想

 

 私が読んだ瞑想を書いた本の中では一番わかりやすく、また読みやすいものだった。

 こういった、マインドフルネス瞑想などを紹介するとやけに難しく感じたり、ややこしい話が出てくることもある。

 しかし、対話形式で進む内容は抵抗なく読めるだけでなく、今ままで考えていた瞑想の常識を覆してくれた。

 あと、個人的に気にいったのは参考文献を乗せているところだった。あまり日本人の著者が書いた本を読まない。(割と情報の出所が分からないから)

 だが、この著者の様に参照しやすい形で載せていくれていることに好感を覚えた。

 

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終わりに

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「感想/書評」【スタンフォードのストレスを力に変える教科書】ストレスと言う味方

 

 

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著者・書籍情報

 

 著者:ケリー・マクゴナガル

 ボストン大学で心理学とマスコミュニケーションを学び、スタンフォード大学で健康心理学の博士号を取得。スタンフォード大学の心理学者。

 

 書籍:【スタンフォードのストレスを力に変える教科書】

 発売日2015/11/1

 本書では、ストレスに対する人々の偏見を解消しつつ、どう日々沸き起るストレスに対処するのかを述べている。

 

 

 

どんな人にお勧めか?

 

 「最近ストレスが多いな」

 「ストレスなんか無ければいいのに」

 と考える人は特にオススメとなっている。

 本書を読み終えることには、むしろストレスはいいものだと考えることも十分に可能になる。気になる人がいれば、一読してみるのも良いだろう。

 

ストレスは害があると言う誤解

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 そもそも、ストレスが悪訳にされたのは1936年にハンガリーの内分泌学者ハリス・セリエが雌牛の卵巣から採取したホルモンを実験用のラットに注射しました。

 ラットの体に怒る反応を観察して、ホルモンがどのような影響を与えるかを確認しようとしたのだ。

 ところが、予想に反してラットは出血性潰瘍を患い病気になってしまった。そこからハリスは、様々な方法でラットに高い負荷を掛けることで同様の症状を発症したところから、外的な刺激が影響しているのではと考えて、そこに「ストレスの科学」が誕生した。

 のちにセリエは、その考えを人間にまで拡大解釈することになり、それがストレス害悪の考えに繋がる。

 ストレスの研究は、その殆どが実験動物だけを対象に行われて人間は対象外だった。

 しかもその内容も、容赦なく水の中に投げ込まれるや何回も電気ショックを浴びせられたり、溺れそうになるまで泳がされたりする。

 これは大よそ、我々人間が日常で感じるストレスの比ではなく、悪影響がでて当然でだ。

 

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ストレスは何種類もない?

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 ハーバード大学医学部のウォルター・B・キャノンは犬や猫を対象に、「闘争・逃走反応」を報告しました。

 動物に限らず私達人間も、身に危険を感じると、体内のアドレナリンが分泌されて交感神経活性が高まります。

 呼吸が速くなり、筋肉が緊張して、瞬時に行動を起こさせるようになります。これは代々受け継がれてきたものです。

 しかし、現代では果たしてそこまでの状況に陥ることがあるでしょうか?

 闘争・逃走反応といっても、面倒ごとから逃げられるわけではなく、アパートの家賃を踏み倒すようなことは出来ない。

 つまり余程危機的状況で無ければ、無駄なエネルギー消費にしかならない。

 これを「ミスマッチ理論」と呼んでいます。

 ところが、ミスマッチ理論の欠点はストレス原因が一つに限定されてしまうからです。

 例えば、買い物に行ったのに欲しい物を買い忘れてストレスを感じたとしよう。

 それは、命にかかわるほどの重大な出来事ですか?

 ミスマッチ理論は、それすらも闘争・逃走反応だと考えているのです。

  現代社会では、逃げるか闘うかの二者択一ではない。ストレスも長い年月をかけて社会に適応するように変化した。

 

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ストレスで他者に優しくなる

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 ある実験では、「トラストゲーム」と呼ばれるゲームで進行役の参加者に100ドル、対戦相手に1ドルも与えませんでした。

 その後、進行役は対戦相手をどの程度信用するかで、ドルが増えたり減ったりします。

 ・相手を信用しない場合、100ドルを半分に分けて相手に渡す。

 ・相手を信用する場合、相手もあなたを信用したら両者に200ドル与えられる。

 ・相手を信用する場合、相手はあなたを信用しなかったらあなたは全額失う。

 

 事前に参加者達は、グループ面接と認知能力テストで他の参加者達と張り合いをさせました。

 他人と比較される脅威とプレッシャーを当てるのが狙いだった。

 その後、ストレスを与えられていない参加者とゲームをさせたところ、相手を信用して、逆に相手の信用に答えた確率は75%でした。

 そうでない人は概ね、50%くらいの確率でした。

 この実験から分かるのは、感じるストレスは必ずしも一つではないということ。

 例えば、「チャレンジ反応」が起こると自信が強まり、進んで経験から学ぼうとする。

 「思いやり・絆反応」が起こると、勇気が強まり、人の世話をするなど社会的な関係を強化する。

 

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チャレンジ反応はパフォーマンス上げる

 

 「チャレンジ反応」は「闘争・逃走反応」と違って、集中力は高まるが、恐怖は感じない。

 数種類のストレスホルモンが分泌される割合も変わり、副腎で作られるステロイドのDHEA(デヒドロエピアンドロステロン)の割合が高くなり、ストレスから回復するのを助けてくれる。

 一般的には「フロー」状態にある人が、この「チャレンジ反応」を起こしていると言える。

 精神的にも肉体的にも高いパフォーマンスを発揮することができ、自信が強まり、集中力が高まので、結果も良くなる。

 

「思いやり・絆反応」が社会的繋がりを強くする

 

 ストレスを感じると、人とのつながりを求める気持ちが強くなる。それは主に「愛の分子」や「抱擁ホルモン」と呼ばれるオキシトシンが、脳の下垂体から分泌さるからだ。

 神経ホルモンとして社会的本能を調節する役割以外に、勇気をもたらす脳内化学物質でもある。

 脳の恐怖を鈍らせ、体が動かなくなったり、あるいは逃げ出そうとしたりするのを防ぐ。

 ストレスが発生して、とっさに子ども達や仲間を思い浮かぶのは、まさにこの反応が起きている証拠だ。

 卑劣な行為をする相手に対して、自分のチームやコミュニティを守りたいと考えるのも同様のストレス反応である。

 さらにオキシトシンは、心臓細胞の再生や微小損傷の修復に役立つので、心臓血管の健康には必要な物質であるのだ。

 この様にストレスは必ずしも悪いのではなく、ところにより私達を存分に助けてくれる重要な存在であることが分かる。

 もちろん、ストレスが多すぎるのは問題だが、自分が今感じているストレスは自身の成長に繋がると考えるだけでも、気分の改善などが見られる実験もある。

 

本を読んだ感想

 

 具体的なテクニックなどは、本書を呼んでもらえればいいだろう。それよりも、私が驚いたのはストレスの効能だった。

 正直、今までストレスが体に良いのは何となく分かっていたけど、眉唾物だなぁと考えていたところがあった。

 しかし、今回読んだ書籍はその考えを吹き飛ばすような考えをもって書かれているのでかなり新鮮な体験を得ることができた。

 これからは、ストレスについて幅の広い考えを持てるようになったことを嬉しく思う。

 あぁ、一つだけ言いうことがあれば、書籍で上げられた実験の参考文献が無いのは残念だった。

 だけどマクゴナガルの姉貴はマジ半端ないです。

 

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「感想/書評」【Think clearly】科学・哲学から見る人生を送る為の思考法

 

 

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著者・書籍情報

 

 著者:ロルフ・ドベリー

 1966年、スイス生まれ。スイスのザンクトガレン大学卒業。スイス航空会社の子会社数社にて最高財務責任者、最高経営責任者を歴任後、ビジネス書籍の要約を提供する世界最大規模のオンライン・ライブラリー「getAbstract」を設立。

 その他の著書に「なぜ、間違えたのか?誰もがハマる52の思考の落とし穴」などがある。

 

 書籍:【Think cllearly】

 発売日2019/4/5

 筆者の考えに学術研究や哲学者の言葉を引用して補足し、現代における無駄な思考を避けるための52及ぶ思考法を紹介している。

 

 

 

 

どんな人にお勧めか?

 

 「生きていく上で無駄な思考をなるべく減らしたい」

 「少し違う視点から物事を理解してみたい」

 と考えているオススメとなるのではないか。

 所々、科学者や哲学者の研究を持ち出して、そこからどういう考えを持てばよい人生を送れるのかを教えてくれる。

 

計画は適宜修正するべきだ

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 本書を読み進めると比較的すぐに出てくるのだが、計画というものは常に修正と変更が必要であるという話。

 飛行機の話を例にとって、飛行中にどれだけ予定されたルートを飛んでいるのか?と疑問を投げかける。

 正解は0%だ。

 ほとんどの場合、しきりに飛行機の「補助翼」が動いて自動操縦によってルートの修正をしている。

 ここで「何が言いたいのか」と言えば、私たちの多くは「最初の条件設定ばかり重視し、修正の意義を軽んじすぎている」と言う事。

 はっきり言って、どんな計画にも修正と変更は付き物だしそれ自体問題はない。

 ところが、計画を修正することに恥じらう人がいるのだ。一度決めたことに変更を加えるのは恥だと感じる人が。

 そういう人は、計画が予定したルートを外れても無視して物事を推し進めてしまう。

 そうなれば、大事故は必至だろう。

 重要なのは、条件設定を完璧にし過ぎない方がいいと言う事だ。

 多少の幅がないと、少し変更しただけで崩れてしまいかねないからだ。

 

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死よりも・生きている間に何をするか

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 たまに「私が死ぬ瞬間に人生を振り返ったら……」といったセリフを聞くことがあるが、それあまりいい考えだとは言えない。

 例えば、ノーベル賞を受賞したダニエル・カーネマンの「持続の軽視」別の言い方をすれば「ピーク・エンド効果」と呼ばれるもののせいで、正確な過去は思い出せないと筆者は回答する。

 「ピーク・エンド効果」を分かりやすく言えば、旅行などに出かけた時に、一番記憶に残るのはもっとも楽しかった瞬間「ピーク」と旅行から帰る瞬間「エンド」だと言う事。

 その「ピーク・エンド」以外で起きた出来事は大方、曖昧か覚えていないことが殆どだろう。

 それは人生を振り返る瞬間にも訪れる。

 もっと最高の瞬間、出世・結婚・出産・名声「ピーク」と自分が死ぬ瞬間の「エンド」しか覚えていない。

 間の記憶は脳が適当に補完してありもしない出来事を勝手に捏造してしまう。

 重要なのは、「思い出している私によってアルバムを充実させることではなく、本当に充実した人生を送る「体験している私」を重要とするべきだ。

 「死ぬ時に人生をどう振り返るか」よりも「いまどれだけ充実した人生を送っているか」を考えよう。

 

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性急に意見を述べるべきでない

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 面白いことに、私たちは難しい考えや理論に出くわすとほとんど直感で言い返しているのだ。

 とりあえず何か言ってから、頭で言い訳のように理論を構築する。

 これは自分にとって不利になることがある。

 相手に言われたことに、取り敢えず言い返したのはいいが「中身がない」状態の言葉では早々に相手の反撃を受けて撃沈するだけだ。

 これはアメリカ人心理学者のジョナサン・ハイが究明した「感情のヒューリスティック」と呼ばれる思考過程が原因だ。

 直感のよる判断は非常に速く・単純で・時として正確だ。だから私たちは、本能的に直感で思ったことを述べてしまう。

 しかし、必ずしも正確ではないことを理解していなければ、変に自分の分野でもないところに突っかかって手痛い反撃を食らいかねないからだ。

 だから、何か意見を求められたりした時には、大人しく「分からない」と述べた方が賢明な時もある。

 

心の引き算

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 人と言うのは、どんなに辛い体験でも楽し体験でも慣れを覚えてしまう。

 心理学者のダニエル・ギルバートはこれを「心理的免疫システム」となずけた。

 面白いことに、この「心理的免疫システム」は例えば宝くじで当選したと言ったような嬉しい出来事も半年経てば、なんとも思わなくしてしまう。

 新しい家を購入したら最初は嬉しくてたまらないが、時間が経てば見向きもしなくなる。

 本書ではストア派の哲学者達の言葉を引用している。

 「まだ持っていないものにいて考えるよりも、いまもっているものを持っていなった場合、どのくらい困っていたかについて考えたほうがいい」

 心の引き算とは、例えば左手を失ってしまって起こる不便を想像してから、実際に左手に意識を向ければ、自分がいまその不便を被っていないことへの感謝の念が生まれるはずだ。

 人生においてはこの考えが重要になってくる。

 

本を読んだ感想

 

 この本は52個ほど様々な考え方があるが、個人的にはその殆どが意味がないと思っている。

 若干論文を使った説明はあるが全体では引用があまりないため、信憑性に欠ける。

 さらに言えば、思考法の本だからかもしれないが問題提起をした割には、解決策がなかったり曖昧で活かしようがないものある。

 ここで書いたのは比較的使えそうだなと思えるものだが、それでも具体的な解決策はない。

 全体を通しての印象は、筆者の主観にかなり持っていかれている本だと感じた。所々哲学者の話を出したりしているの、そういう方面の話に興味があるなら見て見ると良いかもしれない。

 

終わりに

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「感想/書評」【残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する】やり抜く力だけが成功に繋がるのか?

 

 

 

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著者・書籍情報

 

 著者:エリック・バーカー

 大人気ブログ”Barking Up The Wrong Tree"の執筆者。「ニューヨーク・タイムズ」紙、「ウォールストリートジャーナル」紙などが度々その記事を掲載し、米最重要ブロガーのひとりと目される。

 

 書籍:【残酷すぎる成功法則】

 発売日2017/11/3

 実験データや各種の参考文献を大量に使って、人生で成功する方法や人脈、自信といった分野で様々な考えを述べている。

 

  

 

どんな人にお勧めか?

 

 「成功するにはやり抜く力だけ重要なのか?」

 「自信過剰な奴は得するの?」

 といった考えを持っている人にオススメとなっている。

 本書では、グリットに焦点を当ててどのような時にやり抜く力が高まるのか?また私達がグリットについて誤解をしている部分についも述べている。

  さらに、自信過剰がもたらすデメリットも話されているので気になる人は見てみるといいだろう。

 

諦めない者だけが最後に勝つのか?

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 私はいくつかある章の中で取り分けこの話が好きだ。

 グリッドという言葉を聞いたことは無いだろうか?

 何かに打ち込み、決して諦めずに最後までやり通す力。成功への大事な要素としてこれ以上のモノはないだろう。

 例えばグリッド理論を提唱するアンジェラ・ダックワースがペンシルべニア大学で行った実験では、グリッドがある子どもは、幸福感が強く健康的で人気者だった。

 さらに2000人の成人を対象にした調査では、「度重なる失敗にめげずにやり続けられる能力は、楽観的な人生観(被験者の31%)や、人生の満足度が高いこと(被験者の42%)と関係している」ことが明らかになった。

 ここまで見ればグリットを持っている事のメリットがありありと見られるだろう。しかし、私達の多くは正しくグリッドを理解できていないのだ。

 そもそもグリッドはどうすれば身に就くのだろうか?

 例えば、アメリカ海軍の基礎水中爆破訓練に合格する者と脱落する人の違いを調べて見た。

 すると、海軍の調査や心理学の調査でも重要な点は「ポジティブな心のつぶやきだった」ことが判明した。

 軍隊の兵士も一般人もグリッドを持った人が逆境に耐える際に行っている共通の習性が自分自身に「ポジティブなつぶやき」ができることなのだ。

 これができる人は、例え自分が極めて困難な状況(遭難、迫害等々)に陥っても、その困難を人生への挑戦と考え「今はこれだけ辛いけど、とりあえず一日だけ頑張ってみよう」と発想を転換して乗り切きる事が出来る。

 まさに成功に必要な発想であることは間違いない。

 

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だが、グリッドによって失敗する人々もいる

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 それでは本題に入ろうか。

 著者は私達が多くの事を達成せずに諦めるところに注目して、なぜそのような性質を我々が持っているのかを考察した。

 本書ではドラッカーの著書「経営者の条件」やジム・コリンズの「ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法」などを参考にして、目覚ましい成果を上げた会社を調査した結果、それらの企業の多くは新たなイニシアティブよりも、収益を上げない事業の廃止をしたことで大きな飛躍を遂げたことが分かった。

 それはつまり損切りを見極められる力が重要だということだ。

 一人のプロが絶えず精進するにはどれほど多くの活動を諦めているかに気付けば納得がいくだろう。

 かのアインシュタインは家族との交流を度外視して生涯研究に専念していた。アイザック・ニュートンも、その生涯は部屋にこもって実験を続ける毎日だった。

 この様に自分が重要だと思う事に専念し、時には成果が出ないことを理解して損切りできなければ、変にグリッドを持って得られない結果に固執しかねない。

 そういう人間は、例え粘り強く物事を続けられても、後から来た人間に成果をもって行かれるのだ。

 では、自分にとって重要な上に成果が出せる仕事や趣味よ見つけるにはどうしたらいいだろうか?

 簡単だ、いろいろ試してみるのが一番だ。

 ある期間を決めて、ブログでもYouTbeでもやりたいものをやってみるのが手っ取り早い。

 そして決められた期間内に成果を出せなければ、さっさと見切りを付けて次へと進ようにすれば巡り合う可能性は格段に上がる。

 その証拠に、「チャールズ・ダーウィン」や「ベンジャミン・フランクリン」などは非常に多趣味だったともいわれているのだ。

 

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自信過剰って意味がある? 

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 カリフォルニア大学バークレー校の研究によれば、自信過剰な振る舞いを見せると、他者はあなたを有能で高い地位にある人だと見なすという。

 心理学者のリチャード・ワイズマンは悲しい時に笑顔を作れば、幸せな気持ちになれること、力強く振舞うと痛みへの耐性が本当に増すことなどが、研究で明らかにした。

 しかし、別のデータでは数週間後、職場では信用を失い、また数ヶ月後にはデート相手からの評判もガタ落ちなことが多い。

 無駄に過剰な自信は「ダニング・グルーガー効果」を呼び起こす。

 「ダニング・グルーガー効果」とは経験が浅い人ほど、物事がどれほど困難なのかを評価する尺度を持たないので、変に自信満々でいる現象だ。

 単なる知ったかぶりならまだしも、執刀医などが自分の技術を見誤って患者を死なせてしまうこともある。

 自信があるだけの人に、何かを有益なことを期待するのは難しいだろう。

 

自信がないメリット

 

 自信があることは何かを学んだり改善したりするのを困難にする。

 ビジネス心理学者のトーマス・チャモロ・プレムジックは「ハートフォード・ビジネス・レビュー」で自信がないことの大きなメリットを紹介した。

 「自信を抑えれば、傲慢な印象を減らせるばかりか、現実離れした妄想にはなる可能性もへらすことが出来る。たしかに、自身が控えめな人物のほうが、他者を責めずに、自身の誤りを認める可能性が高い。また、人の手柄を横取りすることも稀である。こして点は間違いなく、自信が控えめなことの最も重要な利点である。控えめな自信は、個人だけでなく、組織や社会全体を成功へ向かわせることを示唆しているからだ。」

 この点に関しては、以前私が紹介した「自信が無い人は一流になれる」でも似たようなことを言っていたので特段何か付け加える部分はあまりない。

 しかし、過剰な自信が人間関係にも良くない事は再度認識させられたところではあった。

 

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やっぱりセルフコンパッションが大事

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 自信に代わる要素は、セルフ・コンパッション「自分への思いやり」が一番だ

 事実「セルフ・コンパッションと事故に関する不快な出来事に対応する反応―自己を思いやることの意義」という名前の研究では、自分への思いやりが高い人は、現状認知も正確であることが明らかとなった。

 自尊心に重きを置く人は、ときどき自分を欺いたり、否定的だが有益なフィードバックを避けようとする。

 また心理学者のアルバート・エリスは「自尊心は、男女問わず厄介な病気である。常に条件付き」だからだと述べている。

 現実を受け入れるより、自己の評価を証明することに執着する。統計的に調べると、自尊心とナルシシズムには相関性があり、セルフ・コンパッションとナルシシズムには相関性がほぼゼロだった。

 さらに「自分への思いやり」は、事実に目を向け、完璧でない事を受け入れることができる。

 セルフ・コンパッションが高い人々は、自分を責めず失敗を恐れないので結果的にグリットを高めるのにも一役買っている。

 普段自尊心を重んじてしまう人は、この機にセルフ・コンパッションを鍛えてるといいかもしれない。

 

本を読んだ感想

 

 本書では他にも人脈やキャリアの成功、ワークライフバランスについても述べられており、どれをとっても新しい発見が見つかるだろう。

 そのなかでも、今回ピックアップしたのはグリッドに関することと自信に関することだった。

 そして参考文献もかなり豊富でしっかり調べられていることがヒシヒシ感じられる良書であった。 

 ただ、参照を見つけるのは面倒くさいがな

 

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「感想/書評」【事実はなぜ人の意見を変えられないのか】説得するほど頑なになる

 

 

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著者・書籍情報

 

 著者:ターリ・シャーロット

 ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン教授(認知神経科学)、同大学「アフェクティブ・ブレイン・ラボ」所長。

 意思決定、感情、影響の研究に関する論文を、ネイチャー、サイエンスなど多数の学術誌に発表。

 

 書籍情報:【事実はなぜ人の意見を変えられないのか】

 発売日2019/8/30

 人間の思考に視点を置いて、なぜ人は自分の意見とは反対の意見を避ける傾向にあるのかを、各論文を参照して述べていく。

 

 

どんな人にお勧めか?

 

 「自分の意見が正しいのに相手が応じてくれない」

 「人の考えを変えさせる方法はないのか?」

 と考えている人にはオススメとなっている。

 まず、なぜ人が自分の意見に固執しているのかを前半から解説していくので、それを見れば既存の説得方法では意味がないことが分かるだろう。

 

賛成意見しか興味が無い

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 人と言うものは、往々にして自分の考えにあった意見しか気にかけない。

 例えば、ある実験では「死刑制度に賛成派」の大学生と「死刑制度に反対派」の大学生を集めて、双方にとって有利・不利になる情報を提示してみた。

 すると彼らの反応は大きく分かれた。

 死刑に賛成派の人は、「死刑が有効である」証拠については称賛を送ったが「死刑は無効だ」という証拠ついては非難した。

 死刑に反対派の人は、「死刑は無効だ」という証拠には称賛を送ったが「死刑は有効だ」という証拠については非難した。

 この実験の面白いところは、最終的に「死刑制度に賛成派」も「死刑制度に反対派」も自分の考えを強めて帰っていったところだ。

 これは、自分の意見に相反する意見を突き付けられると、むしろ自分の考えを強めてしまう「ブーメラン効果」というものが発生したことが原因だ。

 私たちがどれだけ正しい事を言っても頑なに意見を変えない人はまさに「ブーメラン効果」が現れている証拠である。

 

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意見を変えさせるには?

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 こんな風に疑問に思う人のいるだろう。

 「相手の間違いを指摘しても、むしろ頑固になるなら説得は不可能では?」

 それを研究したのが、カルフォルニア大学ロサンゼルス校とイリノイ大学の研究者たちだ。

 彼らは、「反対派の意見を変えるならプラスの面を強調して話すべきだ」と述べた。

 例えば、海外ではワクチンは自閉症になると未だに信じている「ワクチン反対派」の人がいる。

 正攻法では、科学的根拠を提示して彼らの意見を否定すればいいが、それでは「ワクチン反対派」の人間はより考えを強めてしまう。

 そうではなくて、「ワクチンによってどのようなメリットがあるか」を提示することで相手を説得することが出来る。

 例えば、ある夫婦がいて子どもにインフルエンザのワクチンを受けさせるかで、妻と夫の意見が分かれたとしよう。

 この場合、夫が「ワクチン反対派」だとして妻が説得するなら

 「確かにあなたの考えていることは良く分かるわ。でも、ワクチンをすることによって息子はインフルエンザなっても軽症で済むの。それに最近は、医療技術が発達してきたからワクチンで自閉症になったという報告は殆どないのよ。もし、息子にワクチンをしないと最悪こんな風に苦しむことになる可能性がある(インフルエンザで重症を負った子どもの写真を見せながら)。だから、息子の為にもワクチンをやらせた方が、本人もつらい思いをしなくて済むと思うの」

 あくまでも、自分の考えではなくて「息子」のためをであると主張して感情に訴えるのがいいだろう。

 もちろん100%上手く行くとは言わないが、既存の説得方法よりはマシだし、繰り返し使うことで慣れれば成果も上がり始めると思う。

 

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影響力について

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 実は中・後半にかけて、人間が他者に与える影響力について話が進んでいく。

 いくつか面白いものを挙げる。

 例えば人は、よくイケヤ効果と呼ばれるものに陥ることがしばしある。

 イケヤ効果とは「自分が作った物には、他人が作った物よりも高い価値を感じる」ことを指す。

 元々は、ハーバードビジネススクールの実験で確認されたもだ。

  被験者が自分が組み立てたイケアの棚は、既製品の全く同じ棚よりもよく見える傾向にあった。多少形が歪んでいても、自作の方がよく見える。

 その時にイケアの棚を使っていたから「イケア効果」という名前にしたようだ。

 他にも、人は気分がストレスとかでネガティブな気持ちになっている時ほど否定的な意見を受け入れる傾向にある。

 アメリカコロラド州の消防署を調査したところ、緊急の出動がない日は比較的ポジティブ気分の気には「ポジティブな意見」を受け入れて「ネガティブな意見」を避ける傾向にある。

 ところが、緊急出動がある日、つまりストレスの多い日には「ネガティブな意見」を受け入れて「ポジティブな意見」を避ける傾向にあった。

 このように人は日によっても考え方を変えたりする。

 ネガティブな日こそむしろ、自分に否定的なフィードバック(改善点)などを受けると良いのかもしれない。

 

本を読んだ感想

 

 前・中・後半の内、説得に関する話は前半部分に集中しているので、もし説得のやり方や考え方を知りたいなら、前半だけ読むと良いだろう。

 後半から終わりにかけて、脳の話が展開したりどんどん複雑になっていくので興味がなければ正直見る価値はない。

 本書自体、参考文献などもあるので悪いものではないが、タイトルだけで選んだ人にとっては、後半でめんどくさくなる可能性があるから注意してほしい。

 それ以外は、問題もなく読み進めるとこが出来る。

 

終わりに

 

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「感想/書評」【自身がない人は一流になれる】高い自信は役に立つか?

 

 

 

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著者・書籍情報

 

 著者:トマス・チャモロ―ブリミュージク

 ロンドン大学教授、コロンビア大学客員教授。専門はビジネス心理学で、過去にはニューヨーク大学、ロンドン経済大学でも教鞭をとった。

 

 書籍:【自身がない人は一流になれる】

 発売日2015/10/30

 自信が無い人は、どこが優れているのか。また、高い自信を持つ人はなにが問題なのかを研究を用いて紹介している。

 

 

どんな人にお勧めか?

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 「何をするにしても不安でしょうがない」

 「自信を持てないけどそれって問題?」

 と考える人にオススメとなっている。

 本書の中で、著者はこれでもかというほど[「単なる自信家達」に、研究データなどを使って「息の根を止める」勢いで攻撃している。

 根拠のない自信が何をもたらすのかを知りたいなら、見てみるといいだろう

 

自信があると言うこと

 

 自信がある人の多くは、実力が伴わないことを本の中で繰り返し話している。

 例えば、ある研究で自分の外見的魅力を自己評価させると、自分は魅力度が高いと考える人ほど自信も高かった。相関性で言えば0.6くらいだ。逆に自分は魅力度が低いと考える人ほど自信も低かった。

 ところが、他者から見た視点を加えるとこれは相関性が0になる。

 というのも、客観的に見たところ必ずしも自信が高い人と魅力度が高い人は同じではなと言うことだ。

 だから「自信がある人ほど魅力的である」という考えは、大きく間違っている。

 なぜなら、本来は実力があるからこそ、それに伴って自信がついてくるのであって、自信が先にあって後から実力がついてくるわけではない。

 むしろ自信だけが高い人は、自分の実力を客観的に見ることが出来ず、他人からの否定的な(改善点)フィードバックをまともに受け取ろうとしない。

 逆に自信がない人は、自分の実力を客観視できるため能力の向上に努めようとしたり、準備を怠らないようにする。

 これが後に本物の実力か虚勢だけの実力モドキになるのか分かれるところだ。

 

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自信の種類

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 自信の種類は4種類あるがそのうちの二つを挙げたい。

  • 実力の伴わない自信
  • 現実的な自信喪失

 上記の二つを紹介していく。

 まず、実力の伴わない自信についてだが先ほども述べた通り、異様に自信が高い人は実際に自分の実力を客観的に理解できていない可能性が高い。

 誇大性の高い言葉を吐きながら実際には実力がなく、何か困ったら他人のせいにして逃げようとする。

 そして残念ながら大半の自信家はここに分類されることになる。

 残りの3種類に行くほど洗練されていくと考えれば、最初の関門である「実力の伴わない自信」で多くが脱落することは不思議ではない。

 次に現実的な自信喪失だ。

 これは自分に自信がないことを自覚し、さらに客観的に実力を見れる状態にある。

 それは自分の能力を向上させようと目指すために必要なことで、イリノイ大学の調査では自信が高い人ほど努力を怠る傾向にあり、逆に自信ない人は成果を得る為に努力しようと考えることが分かっている。

 安心して欲しい。少なくともこれを見ている貴方は、「実力の伴わない自信」ではない。

 

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不安は生きる為に必要である

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 「自信がない」とは言いなれば「不安である」と言う事だ。

 不安な状態は、しばしば悪い事のように扱われることがある。しかし、それは大きな間違いで、不安であるからこそ私たちは生き残れてきたのだ。

 例えば、イギリスで1028人の子どもを対象に心理テストや教師の証言などから本人の不安傾向を高いか低いかを判断した。

 その後、15~25歳までの10年間追跡調査してどれくらい事故死したのかを測った。

 結果は、15歳の時に不安傾向が強い人ほど事故死する可能性は低く、また別の調査では、不安傾向が高い人ほどHIVなど性感染症の予防接種もちゃんと受けいることがわかった。

 ここからわかるのは、不安傾向が高い人ほど危険なリスクを回避するための行動に積極的であること。

 逆に不安傾向が低い人は、例えば「スピードの超過、飲酒運転、望まない妊娠」といったリスクを「自分は大丈夫」と根拠のない自信によって簡単に犯してしまう。

 さらにこれは現代にばかりでなく、原始時代にもやはり心配性な人ほど生き残れる確率は高くなる。

 常に周囲を敵が潜んでいないか警戒して、猛獣がいそうな場所は意図的に避けるようにするなど様々な対応を行う。

 しかし、リスクを恐れない人は余り索敵することもなく森に近づいて、隠れていた猛獣の餌になる。

 無駄に自信があるのはどこまで行っても利点はない。

 

自信が必要な時

 

 そうは言っても、自信が必要な場面が来る時がある。

 例えば、人前でスピーチしたり・重要な取引をしなければいけない場面で「どうしよう、どうしよう」と挙動不審な人間にいい印象を抱くはずはない。

 この点で、自信家は素晴らしい成果を挙げている。

 実力はないが、まるで自分は天性の才能を持っているかの如く堂々と話すのだから。

 自信がない人もその点は見習うべきだ。

 しかし、中には「自信を偽ってもバレないの?」と疑問に思う方もいるかもしれない。

 チャールズ・ボンド・ジュニア博士とベッラ・デパウロ博士は、2万5000人+200件以上の研究を分析したところ、人間が相手の嘘を「見破れる確率」は53%で「見破れない確率」は47%であると結論を出した。

 これは、およそコイン投げや当てずっぽうで決めるのと同等の確率でしかない。

 ここからわかるのは、あなたが仮に何か嘘をついたとしても、相手がそれを見抜く確率は半々程度だと言う事だ。

 つまり自信があるフリをしてバレても、単にコイン投げ程度の確率でバレたと思えば、それほどリスクの高いことでないだろう。

 

本を読んだ感想

 

 本書はとにかく無駄に自信があるやつをコテンパンにしている印象だ。

 時々あのドナルド・トランプを挙げたりして、実力が伴わない自信は成功しないといっている。

 残念ながら、書籍は2015年に出版されていて、その後トランプが大統領になること予想できなかった。

 本書で唯一の残念な点は、「見せかけのだけの自信家典型例」として挙げたドナルド・トランプが本当に大統領になってしまったところだろう。

 研究データや論文に問題は無くても、たったその一点で書かれている内容の信憑性を落としかねなことを筆者は理解しないといけない。

 まぁ、それを除けば全体として面白く、健康の話なんかも出てくるので興味があれば買ってみるのもいいだろう。

 

終わりに

 

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「感想/書評」【Think CIVILITY 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である】無礼は損しかない

 

 

 

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著者・書籍情報

 

 著者:クリスティーン・ポラス

 ジョージタウン大学マクドノー・スクール・オブ・ビジネス准教授。

 活気のある職場を作ることを目的として、Google、ピクサー、国際連合、世界銀行、国際通貨基金などで、講演やコンサルティング活動を行う。

 

 書籍:【Think CIVILITY 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である】

 発売日2019/7/11

 自身が調査したデータや各種実験を取り上げて、無礼な人がいかに会社や周囲の人達を巻き込んでいるのかを話しいてる。

 

 

どんな人にお勧めか?

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 「最近上司に酷いことを言われた」

 「ついつい他の人に横柄な態度をとってしまう」

 と考える人にオススメだ。

 自分の礼節がどのくらいあるかも、本書の中でチェックシートがあるのでやってみるといいかもしれない。

 

無礼な人が得することはない

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 いきなり結論的な話をするが、無礼な人は損しかしない。

 この書籍のタイトルに「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略と書いてあるが、その裏返しで、「無礼さ」は最悪の自滅的選択である。

 例えば、職場の「ストレスはハーバード公衆衛生大学院」がある女性集団を10年間追跡したところ、2012年に喫煙や肥満に匹敵するくらい体に害悪だと述べている。

 職場でのストレスとは主に、上司によって仕事を過小評価されたり、公然と大声で酷いことを永遠と吐き続けられたり、相手が嫌な気分になるような発言を平然と言ったりと多岐にわたる。

 それらに共通するのは、自分の精神に大きなダメージを与えるモノである。

 そういったことが原因で、会社を早々に辞めてしまったり鬱病になってしまう人が出てくる。

 これが、喫煙や肥満に匹敵するかそれ以上の害悪であることは疑いようがない。

 

無礼で起こるデメリット

 

 例えば、あるクレジット会社の社員に扮した実験者を、二つのグループに分けた被験者の元へと送った。

 片方のグループでは、クレジットカードを紹介する間に小さなミスをして、それを同僚が酷く責めたグループ。

 もう片方のグループは、小さなミスをするけど責めたりしないグループ。

 社員の話が終わった後に、どのくらい紹介されたクレジットカード会社を利用したいか?と聞かれたところ、前者のグループでは僅か20%で後者のグループでは80%にも上った。

 ここから分かるのは、無礼な態度を目撃しただけでも人の持つ印象は大きく変わってしまう。

 他にも、無礼な態度を目撃した人はアナグラムテストの成績が20%も低下し、その後のブレインストーミングでも創造性が30%も低下した。

 さらに、文字などで無礼な言葉を見た人はそうでない人よりも、5倍ほど認知能力が低下していた。

 また、複数の無礼な人間の存在はアメリカ経済で言えば、約5000億ドルほど会社に損失をだしている計算になる。

 普通にやべぇって話ですよね。

 

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礼節正しさのメリット

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 礼儀だの礼節だのと言う言葉を聞くと、偉い人にへりくだった話し方をしなければいけないように思う人もいるかもない。

 ところが、何か特定の作法と言うよりも、考え方が全般なのでその辺は心配しなくてもいい。

 メリットについてだが、主に三つあり「仕事を得やすい、人脈がある、出世しやすい」だ。

 著者が会社員1万人を調査した結果、仕事を得やすいは、公平で協力的な人間だったようだ。

 仕事を得やすいは、つまるところ「ただ能力が高いだけの人」よりも「能力はそこそこだけど、思いやりや協調性がある人」の方が良いよねって話だ。

 「仕事を得やすい」と言うよりも「仕事を頼みやすい」と言い換えればいいだろう。

 皆さんも、「横柄な態度だけど能力が高い人」と「能力は平均だが、協力的で他人に優しい人」のどちらに仕事を頼みたいだろうか?

 もちろん、より専門的な職業であれば能力の高さは性格より優先されることもあるが、そうでない時にはどうだろうか。

 次は、人脈があるだ。

 これも特別説明する必要はない。

 失礼な奴と一緒に仕事をしたいと考える人は少数のはずだ。落ち着いていて、相手に対してちゃんと礼儀をわきまえる人間の方がいいだろう。

 相手がスティーブ・ジョブズでもなければ、人脈で性格より能力を優先決するのは難がある。

 最後に仕事を得やすいだ。

 社員7万5000人+世界の社員2万人の調査で明らかになったのは、リーダーとしてふさわしい人は「協力的かつ他人に親切で、公平に評価する人」だったそうだ。

 簡単な話、上記のような特徴を持っていれば自ずと三つのメリットがついてくるという事だ。

 口では「能力が良い…うんぬんかんぬん」と言っているが、実際は礼節のある人に私達はなびく。

 

相手の感情を見極める方法

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 今の現代人に礼節が欠けてきているのは、なにも本人ばかりのせいではない。

 例えば、今は家で仕事をすることは可能だし、さらに言えば極力人と会わなくても金は稼げる。

 すると、人とのコミュニケーションが減っていき相手の表情から感情を読み取る力が衰えてしまう。

 いわゆる、共感能力の低下だ。

 それを防ぐには、もっとも簡単なもので映画を見る、小説を読む、人と運動や軽いカードゲームなどで遊ぶと言った方法がある。

 さらに、カルフォルニア大学サンフランシスコ校名誉教授のポール・エクマンは、相手の感情を読みたいなら表情を観察したほうがいいと言っている。

 映画好きな人なら、漠然と映画を見るのではなく人物の感情や表情に注意して見るようにすればいい。

 本好きなら、小説を読んでキャラクターの感情を読み取る練習をすればいい。

 ゲーム好きなら、オンラインではなくオフラインで友達や家族とカードゲームや人生ゲームなどで体験を共有してみていかがだろうか?

 そうする事で、再び共感力も上がるだろう。

 

本を読んだ感想

 

 本書を読んで最初に思ったのは、意外にも事前にちゃんと調査をした上で本の執筆をしていることに驚いたという事だ。てっきり、著者の主観がダラダラとした内容かと思ったが違ったようだ。

 まぁ本の後半になると少し怪しくなるが、前半に関しては見ていて面白く、また礼儀というものが堅苦しいものだと感じてた気持ちをいくらか晴らしてくれた。

 現代はむしろ礼儀に気を使わない人が多い印象があるので、逆に礼節を持つ人間が重宝されるのではないだろうか。

 そしてこの本が2019年に出たのは、果たして単に偶然なのだろうか。

 

終わりに

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「感想/書評」【ルシファーエフェクト ふつうの人が悪魔に変わるとき】彼らは、なぜ余りにも普通なのか

 

 

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著者・書籍情報

 

 著者:フィリップ・ジンバルドー

 スタンフォード大学心理学者名誉教授。エール大学、ニューヨーク大学、コロンビア大学でも教鞭をとる。

 米国心理学学会会長、スタンフォード対テロリズム総合政策教育研究センター所長を歴任。

 他の著書に【シャイネス】や「迷いの晴れる時間術】などがある

 

 書籍:【ルシファーエフェクト ふつうの人が悪魔に変わるとき】

 スタンフォード大学で行われた歴史上稀に見る、人間の残虐性と環境がいかようにして凡庸な人を、次世代の独裁者に仕立て上げてしまうのかを克明に記している。

 

どんな人にお勧めか?

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 「虐待や人を平気で殺せる奴は、元からサディストだったんだ!」

 「悪さをするのは、ごく一部の限られた異常者だけだ」

 と考える人にお勧めとなっている。

 本書の中には、少々キツイ表現もあるかもしれないが、どうしたら人を物のように扱うような人間が現れるのかを知ることが出来る。

 

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性格は状況で変わる

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 海外や日本でも、人が犯罪を犯すとその人間の生まれ持った性格や遺伝子を問題視する声が多い。いわゆる個人主義だ。

 しかし、人間という者は生まれ持った性格だけでなく、その「場」の状況によっても簡単に性格を変えられるのだ。

 例えば、代表的なのはインターネットだろう。

 匿名で好きな事を相手に伝えたり書き込めるSNSなどは、自分の名前を明かす事無く意志を伝える事を可能にした。

 日本では特にTwitterが人気で、いたるところでオンラインの会話が行われている。

 しかし、匿名という仮面は、その人の個性を没個性化させる。

 人は没個性状態になると、容易く反社会的で利己的な行動を取りやすくなる。犯罪と言わないまでも、他人に侮辱的な言葉を使ったり、差別的な発言をを平気で言い合うようになる。

 では、没個性化した人は普段から素行が悪く社会に害を及ぼす存在なのか?

 答えはNOだ。

 つまり、普段は礼儀正しく振舞って適切な友人関係を構築しているはずの人でも、インターネットと言う没個性の温床へ足を踏み入れたが為に、他者に対して暴言を平気で吐けるようになる。

 親だろう親友だろうと関係はない。

 よく炎上に関わる人たちを、暇人の集まりと揶揄する人がいるが、ところがどっこいその張本人が貴方の隣に座っている親しい友人かもしれない。

 

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スタンフォード大学で行われた伝説の実験

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 本書の著者であるフィリップ・ジンバルドーは、自身の研究の一環として行ったスタンフォード大学監獄実験を内容として載せいている。

 内容に関する具体的な話は省くが、集められた大学は監守役と囚人役にランダムで振り分けられて実験がスタートする。

 最初は両者とも、気軽な気分で実験が進んでいくが、一日を過ぎたあたりで看守の態度や囚人の態度に急変化が訪れる。

 実験は14日間を予定していたが、わずか6日で終了した。

 これは、看守役の生徒による虐待や囚人の精神不安が限界に達し、さらにジンバルドー自身も実験に飲み込まれてしまったことからの判断だった。

  この実験で発生した出来事は、事前に心理学者達が学生に性格分析を行い異常が無いことを確かめたはずなのに、看守役の生徒が暴走して性的な罰を与えたりするようになった。

 ここからジンバルドーは、「状況の力」の存在を見つけ出すことに成功する。

 そしてそれは、かつてナチスドイツの善良な人々が、平然とユダヤ人を惨たらしい拷問の末に殺せるようになったのかを考えるのに役立った。

 

「普通の人」から「虐殺者」になる

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 大抵、ナチスドイツを筆頭にベトナム戦争のアメリカ軍兵士による現地住民の虐殺、ルワンダのフツ族によるツチ族の大虐殺に至るまで、まるで他人事のように私達は見ている。

 「そう言う頭のおかしい奴らがいたんだんなぁ」と対岸の火事の如く静観してだけだ。

 ところが、スタンフォードの監獄実験を通して見ると、虐殺をした人々は恐ろしく普通の人だ。

 ナチス親衛隊員の精神分析でも、どこにも異常がなくむしろ素晴らしい性格の持ち主であることが分かった。

 ではなぜ彼らはそのような残虐極まりない行動を取ったのだろうか?

 これは一つに、人は信念と行動に認知的不協和が訪れると、辻褄を合わせる為に理由付けすることが原因と考えられる

 例えば、本来は虐待をしてはいけないが、組織から「拷問をしろ!」と圧力を掛けられた場合どうなるだろうか?

 自分の中では、「拷問」は酷く非難されるべきものだが、逆らう事が出来ない状況になると理由を付け始める。

 例えば「こいつは人間じゃない、だから拷問しても問題ない」とか「上からの命令に従っただけだ」と考えて不和を合わせようとする。

 結果として、虐殺に手を染めている間の自分の精神を保たせているのだ。

 

自己奉仕バイアスに取りつかれている

 

 今の話を聞いても残念ながら大抵の人は、「自分はそうならない」と考えているに違いない。

 あるいは「俺だったら、反抗する」と考える人もいるだろう。

 しかし、実際には私達は集団の圧力によって心をがんじがらめにされてしまう。

 例えば、ある属性の集団に所属していたとして、その集団が貴方に「アイツをいじめろ」と言ったとしよう。

 大抵は「嫌だ」と答えるのが適切だが、本当に言えるか?

 みんなが言っている事に対して自分だけ頑固としてNoと発言できるか?

 多分無理だろう。

 これは集団が持つ圧力と自分の内側にある自己圧力によって板挟みによるものだ。

 駄目だと分かっているが、仲間外れにされたくない。その為には、やるしかない。

 集団に同調して、認知的不和をなくすために責任を集団に帰属する。

 何かあっても「私は命令されただけだ」と言って責任逃れをしようとする。

 そして、自分もいじめに加担してしまうのだ。

 

見てみぬふりをする集団

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 さらに本書の中では、人が虐殺やイジメの被害にあっていることを黙って静観しているだけの人たちについても話している。

 アメリカで起こった痛まし事件を背景に、なぜ人は困っている人を無視してしまうのかを環境の要因が原因の一つとして挙げている。

 例えば「傍観者効果」、これはある事柄に対して自分以外の人が複数人いる場合に、助けたりすることが出来なくなってしまう効果の事を指す。

 多分、身に覚えがある人は沢山いるはずだ。

 街中で困っている人が居ても、「誰かが助けるだろう」と思って通り過ぎてしまう。または、「私には関係ない」と考えるかもしれない。

 しかし、その困っている人と貴方が道で二人だけしかいなかったら、無視して通り過ぎることが出来るだろうか?

 大方の人は足を止めて、「どうしましか?」とぐらいは声を掛ける可能性が高い

 でもそれが、大衆の中の一人になってしまうと、途端に無視を決め込んでしまう。

 過去に行われた大量虐殺の中にも、駄目だと分かっていながら虐殺を止めさせることをせずに、ただ見ているだけの人間は沢山いた。

 これはある意味「集団」が一つの没個性の場として機能している事が分かる例だと考えられる。

 普段は気弱なのに集団の中にいると、挑発的になったりする人を見かけたら正にこの環境の力働いていると考えるのも重要だ。

 

本を読んだ感想

 

 本書の多くは著者自身が行ったスタンフォード大学監獄実験をメインに話を進めている。

 実験の内容を詳細に記してあり、そこに登場する人たちの人格変化や個々の持つ隠れた性格がたった6日程度で明らかになり始める。

 あまりにも内容が濃いので、6日間の話が倍に感じる程に目まぐるしく実験が変化を遂げる。

 さらに後半では、実験から得られた考えを元に世界で行われた虐殺を取り上げて、そこで起こったであろう環境や人の変化を考察する。

 最後では、その解決方法も考察すると共に、アメリカではフィリップ・ジンバルドーの実験を元に刑務所の改善を行ったことや各国の英雄を、その英雄たるゆえんを定義しようとする話を展開している。

 この本自体は辞書よりも大きいが、辞書ほど重くはない。

 文字も大きく見やすいので、小っちゃい文字がびっしりと書き込まれている訳ではない。

 もし、人がどのようにして変わっていってしまうのかを明確に知りたいのなら、この本はその答えの一部を見せてくれるだろう。

 

終わりに

 

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「感想/書評」【幸せになる勇気――自己啓発の源流「アドラー」の教えII】他者と生きる為に必要なこと

 

 

 

 

著者・書籍情報

 

著者:岸見一郎(きしみ・いちろう)

 哲学者。1956年京都生まれ、京都在住。高校生の頃から哲学を志し、大学進学後は先生の自宅にたびたび押しかけて議論をふっかける。

 京都大学大学院文化研究科博士課程満期退学。専門の哲学と並行して、1989年からアドラー心理学を研究。

 他の著書として【嫌われる勇気】がある

 

 書籍:【幸せになる勇気――自己啓発の源流「アドラー」の教えII】

 発売日2016/2/25

 あの「嫌われる勇気」で世界に新たな風を巻き起こしたアドラー心理学が再び舞い戻ってきた。

 今度はより実践的に話を展開し、教育の現場から対人関係まで話が広がる。

 

 

どんな人にお勧めか?

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 「対人関係で不安を抱えている」

 「子どもにはちゃんと成長して欲しい」

 と考える人にはオススメとなっている。

 アドラー心理学における人との関わり方は、少々読者の考えを肯定するような凡庸な言葉で話してはくれないだろうが、一見の価値は確かにある。

 

尊敬が無いのになぜ従うと思う

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 教育でも家族関係でもそうだが、他者に対して尊敬というものがない。

 教師であれば子どもを独裁者の如く威圧的に扱い、両親になれば自分の理想を照らし合わせて引き算ばかりを好む。

 こんな環境で生活していたは、子どもが先生や親に尊敬を持つことはありえないし正しく育つかも怪しい。

 「嫌われる勇気」でも話されていたが、自分から与えられないのに他人から与えられると考えるのは傲慢だ。

 アドラー心理学における尊敬とは、「他者」に迎合・依存する従来の尊敬ではなく、「その一個人をありのまま受け入れる」ことを尊敬と言うのだ。

 つまり、相手が乱暴であろうとも卑屈な人間であろうとも、それを含めて尊敬する。

 「そんなのは尊敬じゃない!」と考える人もいるでしょうが、しかしおよそ大半の人間は聖人君主にはなれない不完全体である。

 個人が持つ様々な欠点に目をつぶって、いい所だけを抽出した尊敬を持ってしまうとどうなるだろう?

 その欠点が露わになった瞬間に、その人物を激しく攻撃するのだ。

 よくアイドルのファンが、逆にアンチになってしまうケースがあるが、正に狭い尊敬の例に使えるだろう。

 本書では、他者はあなたの為に生きているわけではないし、あなたは他者の為に生きているわけではない事を再三教えてくれる。

 自分の理想を他者に投影するのもおこがましいし、他人に自分の考えを押し付けるのもおこがましい。

 

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交友関係は対等でなければならない

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 教師によくあるパターンかもしれないが、例えば子どもが教室で漫画やスマホをいじっていたとしたら多分怒られるだろう。

 怒りという安直なコミュニケーションで、子どもたちを屈服させて従わせようと考えるに違いない。

 そして、そんなやり方に効果があると思えない。

 「でも他の教師もしょっちゅう怒ってるよ」と考えただろう。

 そもそも、考えてみて欲しい。四六時中怒っているなら、それは子どもたちに効果が無いことの表れだと。

 本当に子どもが大人しく従っているなら、何度も怒る必要はないはずだ。

 しかし、現実は全くの逆を行っている。

 まぁ、それもそのはずである。

 教師は子どもに尊敬を持たず、交友関係を育むことはない。

 交友関係を作る事に不安を覚える人が多いのだろう。

 そんな事をしたら「舐められる」と。

 アドラー心理学における交友関係とは、心の上での対等である。

 別にお友達になって一緒にゲームをする必要はない。

 一人の子どもに対して、上から浅い人生経験を雄弁に語るのでなく同じ目線になって相手の考えに自分も思考を巡らせる。

 それこそ、相手に興味を持っても接してやるのがいいだろう。

 例えば、好きなアニメ・ゲームについて話したりしてもいい。

 重要なのは、教師と言う者があたかも教室の独裁者であり、子どもはそれに抵抗するレジスタンスであるという関係を崩さなければいけないのだ。

 

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人と話せば結局は同じ内容になる

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 本書の中でも特に好きな話があり、それは「悪いあの人」「可哀そうなわたし」を話していることろだ。

 つまるところ人は、どんな話をしていていも結局「○○が悪い」「○○で私は被害を受けた」といった「悪いあの人」「可哀そうなわたし」にしかならない。

 確かにそうだ、疑う余地はない。私自身も実感があるのだからな。

 そう言う話は聞き流すのが一番であると本の中で語られている。

 それはなぜか?

 例え、その話を聞いたところで本質的に解決はしないからだ。

 そもそも解決しようとすら考えているのか怪しくなる。

 悲劇に酔った自分を周りにアピールしたいだけでしかない。

 重要なのはこれから「どうするか?」が重要であって、その人の編集された過去をいくら見せられようとも現在は何も変わらない。

 「今、この瞬間にどうしたいのか」を話すことで、初めて物事が動き出す。

 忘れてはいけない、自分から動かないのに他者が動いてくれると考えるのは傲慢だと。

 

本を読んだ感想

 

 嫌われる勇気を読んだことある人なら復習になるような内容だった。

 同じような事が改めた述べられていたが、今回は少々実用的にも感じる。

 本書に登場する青年が教師としての立場に悩まされながら哲人の元を訪れるのは、前回と違った意味を持つ。

 個人という枠組みから、他者という枠組みへ上手く切り替えることの出来ない、青年の悩みはまさに現代に生きる人が思う心の代弁と言える。

 そして意外にも、嫌われる勇気の方が売れているようだが、明らかに本書とセットで一つの物語としても完結する。

 一つの心理学としても面白いし、二人の人間の語り合いもあたかも世間とアドラーが共存するための試行錯誤を見ているようで、終始飽きることのないまさに名著だった。

 

終わりに

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「感想/書評」【ニコニコ哲学 川上量生の胸のうち】なぜニコニコなのか

 

 

 

 

著者・書籍情報

 

著者:川上量生(かわかみ・のぶお)

 1968年生まれ。京都大学工学部卒業後、コンピューターの知識を生かしてソフトウェアの専門商社に入社。

 同社倒産の97年、PC通信用の対戦ゲームを開発する会社としてドワンゴを設立。

 2006年には、子会社のニワンゴで「ニコニコ動画」を開始。その後も「ニコニコ超会議」や「ブロマガ」など、数々のイベントやサービスを生み出した。

 

 書籍:【ニコニコ哲学 川上量生の胸のうち】

 発売日2014/11/18

 ピースオブケイク代表取締役の加藤貞顕と川上量生のインタビュー形式で話が展開して行き、ニコニコについて川上量生の価値観などを語っている。

 

 

どんな人にお勧めか?

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 「ニコニコは動画を投稿しずらくてしょうがねぇな」

 「ニコニコってなんで使いずらいことがあるんだろう」

 と考えている人にオススメとなっている。

 川上量生から語られるニコニコの裏側事情は、見て初めて理解できるのかもしれないと考える。

 

与えられたものは何か?

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 2014年当時の川上量生は、KADOKAWA・DWANGO統合に対して「KADOKAWA・DWANGOという配牌は面白いと思った」と語る。

 その理由に、何を作れば良いか一見よく分からないからと答えて、逆にそうい状況は他社も同じでありそこにまだ見ぬ成功があるのではないかと話す。

 確かに賛同できる意見で、他とは違う成功を出すにはまだ誰も手を付けていない分野に手を出したりするのは非常に有効だ。

 また、例え同じ分野であっても角度を変えて見る機会を持つことが出来れば、新たな抜け道が見つかるかもしれない。

 まさに、現状で配られたカードをどう使うかが非常に重要となる。

 

ニコニコは許される

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 書籍の中で川上量生は、勝手にアカントの情報を使ってしまうことがあるが、それを「ニコ動ならしょうがない」という風に落ちつかせる戦略を取ってきた。

 そう言う態度の裏には、一般企業がクレーマーなどに文句を付けれられて萎縮してしまうことに対するアンチテーゼ的な役割を果たす。

 また一度対応してしてしまうと、次回も対応せざる負えない事態を避ける目的も持ち合わせている。

 会社や学校にも、あの人なら許せるという人間がいただろう。

 そう言う人間になれれば、行動範囲も広がりやりたいことが出来る。

 逆に、いちいち他人からの文句を真に受けていたら、やりたいことは出来ない。

 ニコニコ動画のように多少の事なら許してもらえる、そんな環境を持つことが成功の一手になるのではないか。

 

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ニコニコは自由である

 

 ニコニコは思想を持たない事を第一として、政見放送や通常国会の様子を中継している。

 ネット上のあらゆる言説は歪んでいると言いつつ、近年のネットでの政治的な思想に対しいて「現代社会に対して恨みを持っている人たちが多い」と回答する。

 その理由には、限られた情報で判断してしまう人がネットには多いのではないかと考えている。

 だから、あえてニコニコでは議論が一方に触れないように、冷静に議論をするいわゆる「愚痴を吐く場所」のような立ち位置として存在していると語った。

 私もニコニコを利用する機会があるが表面的な機能以外に目を向ければ、確かに本書をこの部分を読むと上手く考えられているな、と納得させられてしまった。

 他に言論が飛び火しない為に、その受け皿として存在する。

 今までにない視点でニコニコを見ることが出来るようになった。

 

人気になるとつまらない

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 「多様性」という言葉は、現代では耳に胼胝ができるくらい聞きなれた単語だろう。

 しかし、クリエイティブな分野で見れば多様性は逆に発展を抑制してしまう結果になると言える。

 その理由には、例えばある一つのゲームやいわゆる流行りの遊びなどが出てくると、急上昇はそれ一色に染まってしまう。

 つまり、他に面白い動画やイノベーション的なアイディアを展開しても、一時期の流行りの負けて埋もれてしまうのだ。

 また川上量生は、「小説家になろう」を挙げて同様に「異世界もの」の上位に食い込む小説は大体設定が同じであることを指摘し、これがある意味多様性の限界であると語る。

 確かに、小説家になろうだけでなく様々なジャンルで言える事だが、真新しさというものが無くなる傾向がある。

 川上量生は対策として、ある程度制限を設けるべきだと回答してる。

 ニコニコ動画では、あえて動画投稿を煩わしいくする事で、無駄に流行りだけに乗った動画を投稿させないという細工をしているようだ。

 つまり、ニコニコ動画が使いずらいのはある意味戦略の一部であると考える事ができる。

 まぁ、本当に使いずらいのは事実だが。

 

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本を読んだ感想

 

 全体を通しての感想は、後半にかけて共感できる部分は個人的に少なくなった。

 発言に根拠が無いことや一つの事柄を複数に当てはめて考えるやり方は好きではない。

 しかし前半部分は非常に納得のできる部分であるし、これが本当にニコニコの取っている戦略なら、ある意味計算されていたという事実が衝撃的だった。

 川上量生の価値観や考え方に賛同するかどうかは、凡庸な言葉で「人それぞれ」と言わせてもらうが、今まで彼の取ってきたやり方は興味深く、読んでよかったと思わされる一冊だった。

 

終わりに

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「感想/書評」【嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え 】アドラーは何を教えたのか

 

 

 

 

著者・書籍情報

 

著者:岸見一郎(きしみ・いちろう)

 哲学者。1956年京都生まれ、京都在住。高校生の頃から哲学を志し、大学進学後は先生の自宅にたびたび押しかけて議論をふっかける。

 京都大学大学院文化研究科博士課程満期退学。専門の哲学と並行して、1989年からアドラー心理学を研究。

 他の著書に【幸せになる勇気】がある

 

 書籍:【嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え】

 発売日2013/12/12

 アドラーはフロイトやユングに次ぐ三大巨頭としてありながらも、その独自の考え方から時代を大きく先行し、当時の人間に理解されることなく過ぎて行った。

 そんなアドラーの考え方や世界の見方が今再び息を吹き返し、現代社会に旋風を巻き起こした。

 

 

どんな人にお勧めか?

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 「私は誰にも好かれない」

 「俺は成功しないのは過去に両親がちゃんと育てなかったからだ」

 と言うような考えを持っている人には是非とも読んでいただきたい。アドラーがその考えのことごとくを粉砕してくれるに違いない。

 

変わらいないのは自分の決定による

 

 よく「私の人生は一生変わらない」と考える人がいるが、ある意味変わらなことに安心感を覚えているようにも感じる、

 変わることはかなりの恐怖を体感する事になる。

 いつもと違う道を歩くのが「近所」なら問題ないだろうが、「異国の地」で地形も知らずに違う道を行くのは恐ろしい。

 これは意識も当てはまり、人は変わりたいと思っているのにも関わらず、無意識に変わることへの恐怖を抱いている。

 だから「あれこれ」と理由を付けては、その変化を永遠に訪れない存在に昇華させてしまうのだ。

 アドラーの心理学は、「勇気の心理学」とも呼ばれ、過去のいつ如何なる経験や体験も現在に影響を与えない。

 つまり、変わるのは常に「今」であり、その一歩を踏み出す勇気があればいいだけだ。

 

人は私の為に生きていない 

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 当然かもしれないが、意外と理解をしている人が少ない。

 本書の中では「他人はあなたの為に生きていないし、あなたは他人の為に生きていない」という考えがある意味もっとも重要な部分に感じた。

 自分の思い通りに人が動かない事に直ぐに腹を立てたり、他者の視線を気にして迎合することしかできない。

 アドラーの考え方からすれば間違っている。

 「お前の顔を見ているのは、お前だけだ」本の中に登場するセリフで印象に残っているモノの一つだ。

 本来重要なのは、他者から嫌わることを恐れず、自分らしく生きるというもの。

 他者がどう感じるかは本人の問題であり、自分の問題ではない。

 「課題の分離」これも重要事項だろう。

 自分の発言で相手がどう反応するかが気になるから、人前で手を挙げることが出来ない。

 自分の考えを友達に話して嫌われてしまうと、思うから周りに合わせて貴重な時間を浪費していく。

 これらは全て課題の分離が出来ていないのが原因だ。

 自分の為に他人がいるわけではないのと同じく、他人がどう考えるかは自分ではどうにもできない部分、つまり相手の問題である。

 

何が与えられたかではない

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 アドラーの言葉で「大切なのはなにを与えられているかではなく、与えられたものをどう使うかである」Cと言っている。

 実はほとんど似たような発言をしているキャラクターが居ることをご存じだろうか?

 それは、スヌーピーだ。

 彼はYou play with the cards you’re dealt.(配られたカードで勝負するしかないのさ)と言っている。

 まさにアドラーの言葉を代表するかのような名言だ。

 「背が小さい、学力が低い、家が貧乏」人は叩けばいくらでも不平不満があふれ出てくる。

 スヌーピーとアドラーの唯一の違いは、変えようのないモノばかりではないという事。

 配られたカードはいつでもトレードできる。

 例えば、背が小さい事を悩んでいたとしても伸びることはないだろう。だった医学を学んで研究者となり自分で背を伸ばす薬を作ればいい。

 出来るか出来ないではなく、やってみることが重要である。

 もしかしたら、最終的に薬は出来ないかもしれない、でもその代わりにもっと画期的な新薬が偶然誕生する可能性もある。

 いつまでも他人の責任にしたり頼りにしていては、何も変わらない。

 他人が与えてくれるのは、あくまでも自分が与えた時だけだ。

 自分が変わらない奴に他人を変える力はない。

 

本を読んだ感想

 

 多分私が読んだ心理学の中では一番科学的根拠というものがない。

 しかし、私が読んだなかで一番人を変える力を秘めていると思える。

 読んでいて思ったことは、これを実践するのはかなり難しいということだ。それこそ人間が空を飛ぶ為に訓練を積んでいるような気分だろう。

 だから、出来る範囲から始めてみようかと考えた。

 例えば、相手がどう思うとそれは相手の課題である。

 私の発言や文書の内容に、聞いたり見たりした人が何を考えようと究極的にそれは他人事でしかなく、自分ではどうにもならない範囲外にある。

 そして他人は自分の為に生きている訳でもない、これは重要な考え方だ。

 SNSなどで、いいね!やハートを貰うことを熱心になっている人はこの考え方を持たないだろう。

 例えば自分のツイートにいいね!が1つも無かったとしても、フォロワーに激怒するのは間違っているのだ。

 自分の思い通りに人が反応しないのは当たり前である。

 しかし、世の中はしばしばそれを忘れてしまっている。

 私達は今一度、再確認する必要があるように感じた。

 

終わりに

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「感想/書評」【SPRINT 最速仕事術】一週間で作り出す

 

 いまより楽しく仕事が出来るとしたら、それを試さない理由はない。

byジェイク・ナップ


 

 

 

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著者・書籍情報

 

 著者:ジェイク・ナップ

 GVのデザイナーパートナーで「スプリント」の生みの親であり、世界で最も背の高いデザイナーの一人である。

 著者:ジョン・ゼラツキー

 GVのデザインパートナーとして、モバイルアプリから検査報告書、日刊紙までの様々なモノをデザインしている。

 著者:ブレイデン・コウィッツ

 2009年にGVのデザインチームを立ち上げ、ベンチャーキャピタル企業に初めて「デザインパートナー」の役職を導入する

 

 書籍【SPRINT 最速仕事術】

 発売日2017/4/12

 スプリントと呼ばれる方法で、チームを困難かつ時間がない状況でも素早くアイディアを想像して一週間でプロトタイプ作成まで持ち込む仕事術が、書かれている。

 

 

 

どんな人にお勧めか?

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 「チームで仕事をしているけど中々作業が進まない」

 「仕事の問題が難し過ぎてどうすればいいか分からない」

 という人にオススメとなっている。

 本書の中には、適宜分かりやすく画像を差し込んであるので、実践したい時にはそれらを参考にして見ることも出来る。

 

チームの重要性

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 チーム単位での話が主に展開するが、そこではどんな人間をチームに引き込んだ方がいいのかを存分に語っている。

 例えば、決定者。

 この場合は、CEOなどの最終的にそのアイディアを決定して行動に移す許可をする人物を指す。

 なぜそういった決定者が必要なのか?

 彼らもこのプロジェクトの一人という感覚を持ってもらうことで、積極的に意見交換やアイディアを提供してくれる。

 そして何より、プロジェクトが通りやすくなる。

 それもそのはずで、一緒に考えて出来上がったものを選ばない人はいないだろう。

 本書では、それ以外の点についても決定者がいることで起きるメリットを話している。

 

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目標は5日間で短期集中

 

 スプリントは、月曜日に始まり金曜日にプロトタイプの作成まで漕ぎつけるように展開されていく。

 なぜ週を跨がないのか?

 土日が入ってしまえば、先延ばしに支配されてしまうからだ。

 「明日やろう」が良く無いことと同じくらいに、プロジェクトにおいて「来週やろう」は悪い事なのだ。

 その代わりに、5日間は無駄に出来ないのでテキパキ物事が展開して行く。

 例えば、スプリントクエスチョンをホワイトボードに書き出し、このスプリントで課題のどんな質問に答えたいのか?

 長期目標が達成するには、どんな前提が満たされなくてはならないのか?

 などなど言葉を書いて、それにあわせて答えを考える。

 これは、前提や障害をより明確にする働きがあるのだ。

 

マップを作って分かりやすくする

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 マップを作るのは全体の流れを理解するために非常に有効だ。

 まずは「役者」、つまりこのプロジェクトが狙いっている対象の人物。

 それは一般人なのか営業チームなのかは様々だが、ホワイトボードの左端に書く。

 次に、最終的にどうなって欲しいのか?を右端の終わりに書く

 例えば、顧客に商品を買って欲しいなら最終的には「購入」が目標となるだろう。

 マップは一言フレーズと矢印で表現し、無駄に絵を書いたりしないため、絵心などは関係ない。

 そして最後は、チームと逐一マップが正しいのかを確認して修正を加えて行く。

 これをしっかりやれば、長期的な目標に向けたチームの原動力となる。

 

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専門家に聞きまくる

 

 スプリントクエスチョンやマップを元に、専門家に意見をもらう。

 その際には、全員でメモを取り「どすれば」という言葉を軸にして話を聞いて書いて行く。

 その後は、書いたメモを集めてボードに貼って似たような意見をカテゴリーに分けておく。

 そしてよさげなアイディアをその中から決定者を含めた模擬投票して選びだす。

 ただし時間をかけるわけには行かないので、15分程度で決めて行く。

 選ばれたアイディアを改めてマップに追加して再度検討していくという流れになる。

 

幻想を作る

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 話が飛ぶようだが、プロトタイプの制作まで漕ぎつけたとして、そこからが重要となる。

 何を使って製作するのか?掛けられる時間はせいぜい一日に程度だ。

 著者たちは、キーノートと呼ばれるアプリで制作していた。Windowsで言うところのPowerPointに当たるものだ。

 スライドに画像や文字を入れるだけでなく、必要とあらばリンクから飛んでいける。何かのウェブサイトを一から設計するより時間も手間もかかる事がない。

 しかし、だからと言って手を抜くわけではなく、言葉を借りるなら「9割方リアル」「ちょうどいいできばえ」を目指して制作する。

 あくまでプロトタイプだから完璧は無く、失敗はあって当然でそれを改善する為に参加者を招いて実験するのだから。

 しかし、余りにもお粗末な出来のプロトタイプを作れば、参加者はすぐに偽のサイトを見ているという感覚に陥ってしまうのだ。

 だから「9割方リアル」なものを作らなけらば行けない。

 

本を読んだ感想

 

 本は面白いことに、月曜日から金曜日という単位で章が区切られていて、その日ごとにやる事を他の企業の事例を最初に持ってきてから話をするめるという展開方法だ。

 アイディアの想像から形にして実験するまでの手中を事細かに説明されている。

 この様な仕事術の本を見ると、他国の文化、特に日本などで再現性があるのか?という疑問にさらされる事がある。

 何とも言えないところだろうが、確かにこの本に書いてあることを現実でも出来ればスムーズにチームプロジェクトが進むだろう。

 それに何と言っても、何かを決めるのに時間を掛けないところが凄いと感じる。

 特に重要なプロジェクトでは、じっくり考えて進行していくと考えているが、著者たちは3分で発表したり、15分で決めたりと時間を掛けない手法を取っている。

 もちろん、根底にはプロトタイプを作るまでに持って行くという前提があるからできる技で、5日間で優れたモノを作るというわけではない。

 悪までも長期的な目標の一歩を踏み出す為の、一週間と捉えた方が良いだろう。

 だから私が将来チームで何かを行うときは、いくらかの知識は拝借したいと思える内容だった。

 

終わりに

 

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